第13回大気中地域沈着過程の国際共同セミナー(RDPA2007)終了報告

 

第13回大気中地域沈着過程の国際共同セミナー(13th International Joint Seminar on Regional Deposition Processes in the Atmosphere, RDPA 2007)は

1月21日〜23日につくばの国立環境研究所で開催され、無事終了致しました。

開催に関しまして、皆様のご協力有り難うございました。

今回の国際ジョイントセミナーRDPA2007は、日本環境衛生センター・酸性雨研究

センターと国立環境研究所が中心になり進めてきました。事前の海外、国内参加

者との連絡、会場などのロジを国立環境研究所が行い、財政面の支援を酸性雨研

究センターが行いました。

このRDPAは1995年に韓国のソウルで第1回目が開催されて、持ち回りで以下のよ

うに続いてきて、今回が13回目に当たります。

 

1st Seminar           Seoul     Korea      1995

2nd Seminar          Beijing     China      1996

3rd Seminar           Nara       Japan     1997

4th Seminar           Melbourne             Australia 1998

5th Seminar           Seoul      Korea      1999

6th Seminar           Xian       China      2000

7th Seminar           Tsukuba  Japan     2001

8th Seminar           Irkutsk     Russia     2002

9th Seminar           Bangkok  Thailand  2003

10th Seminar         Aspendale             Australia 2004

11th Seminar         Jeju-do   Korea      2005

12th Seminar         Beijing     China      2006

13th Seminar         Tsukuba  Japan     2007

 

13回目の2007年が日本の順番であることは、以前から分かっていました。

私、村野としましてはこの順番が定年退職後になるので、開催に関してどこまで寄与で

きるのか、逆に寄与しなければならないのかということで結構プレッシャーに

なっていました。昨年中国の北京で開かれたRDPA2006で、最終的に開催すること

は引き受けましたが、自分の身分を考えるとどこまで出来るかは全く白紙のまま、

ともかく開催するということだけを引き受けたわけです。

その後、なかなかどのような形態で開催すればいいかを考えることも出来なく、

日にちは過ぎて、結局年明けの最も寒い時期の条件の悪い一月開催になってしま

いました。

酸性雨研究センターと協議しまして、当初は各国のコーディネーターに関しては

ホテル、食事等の滞在費は出せるが航空券は補助できないという方針でいまし

た。しかし、それでは海外のコーディネーターがどうしても集まらないので、最

終的には韓国、中国、タイまで、それらの補助をすることにしました。更に、自

費で参加する韓国の二人に追加で補助しまして、八名の参加で開催することが出

来ました。

中国人のピザの取得がぎりぎりになったために当初参加を諦めていましたが、最

終的には取れて来てくれ、本当にほっとしました。三カ国からの参加者になった

わけです。1月20日の夜に外国人全員の顔を見た時には、本当に安堵の気持ちで

一杯になりました。

21日月曜日9時30分から酸性雨研究センター所長植田先生、国環研村野の挨拶で

口演発表がスタート致しました。皆さんほぼ時間を守って下さった口演発表で、

大幅に予定を過ぎることなく口演は進んでいきました。

口演内容は大気環境に関する物が種々ありまして、黄砂の問題、粒子状物質の問

題、オゾンの問題、バイオマスバーニングによる温暖化ガス発生の問題、酸性雨

に密接に関連した問題、そういうものが研究者から発表されました。外国人の発

表が8個、日本人の発表が8個でした。発表者には、全員のプレゼンテーション

のパワーポイント資料が配布されました。

初日は、ホテルオークラでウェルカムパーティーが開かれました。

二日目も口演は順調に行われましたが、昼食が少し早めに終わりましたので、植

田所長の発案で国環研の風洞、光化学スモッグチャンバーの見学会が行われまし

た。皆さん、規模の大きな装置に感嘆の意を表していました。二日目終了後ネク

ストプラン、フューチャープランの議論がなされ、その中でRDPA2008はタイがホ

ストしてバンコクで開催されることが決まりました。2008年12月頃というのが、

今想定されている時期です。

タイのバンコクは非常におもしろい所ですので、皆様安い切符を探すなりして是

非とも参加して頂きたいと思います。前回タイで行われたのは2003年でしたけれ

ども、そのときにはタイ人を除くと最多の12、13名の日本人が参加しました。そ

のときの楽しい思い出は、皆さん酸性雨研究会のHPに文章を書かれて、それが

載っています。

三日目は少人数でしたが、エクスカーションで日光東照宮、華厳の滝、中禅寺湖

見学の旅に出かけました。天気が非常に悪くて、雨や雪模様という天気でした

が、お陰様で雪の中禅寺湖、雪の東照宮を見学できて、みんな満足でした。た

だ、雪の積もったいろは坂をバスで登る時、下る時には、スリリングな気分を味

わいましたが・・・。

タイから来た人にとっては雪景色の日本ということで、印象的なエクスカーショ

ンだったと思います。

火曜日の夜も水曜日の夜も小宴会が行われまして、外国からの参加者はいろいろ

な料理を味わうことが出来て、満足のRDPA2007だったと思います。

参加者名簿や口演のアジェンダはHPに掲載しますので、皆様見て頂ければと思い

ます。また一ヶ月後が原稿締め切りで、恐らくその一ヶ月後の三月末の頃にプロ

シーディングを作ります。このプロシーディングは希望者に郵送できると思いま

す。希望がありましたら、村野( murano@nies.go.jp )か酸性雨研究センター、

家合( yago@adorc.gr.jp )へメールでお知らせ下さい。

最後になりましたが、このRDPAというのは非常に少人数で行いますので、ファミ

リアな雰囲気で、参加すると楽しいものです。RDPA2008、2009と今後も続いてい

きますので、情報は酸性雨研究会HPに出します。皆さん是非とも参加して、こ

の楽しい雰囲気を味わって頂ければと思います。

 

村野健太郎(国立環境研究所 企画部 環境科学専門員)

 

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