湖畔の美しい鳥居
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琵琶湖湖西線、近江高島駅から徒歩20分ほどの所にある、白鬚神社に行ってきた。
ここは近江の厳島としても有名な神社で、御覧のとおり朱鷺色の鳥居が湖に映えてとても美しい。
御祭神はみち開きの神さま猿田彦さまだが、かつては比良明神と呼ばれていた時もあったらしい。…となると、昔は比良山をご神体山としてお祭りしていたのではないだろうか。
神社に着いたとたん、稲光と共に大音響で雷が鳴ったのでびっくりした。しばらくして対岸の方から黒くもが湧き上がり鳥居をバックに何本もの閃光が湖めがけて落ちはじめた。
ところがこちら側は雨が降っていない。まるで大画面の3D映画を見ているような迫力で、しばらく湖面に繰り広げられる雷さまと雲と風の共演を楽しませてもらった。
この写真に稲光が写らなかったのがとても残念だ。雷がいつ落ちるか解からないので、デジカメのタイミングを計れなかったのがくやしいです。 |
磐座
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湖側から見た社殿と背後の比良連峰の神奈備山を写したところ。
朱の鳥居、神寂びた拝殿、緑の山の稜線がなだらかで美しいところだ。
社殿手前すぐに琵琶湖の周遊道路が通っているので、観光シーズンには交通量が多くてあぶないなあと思った。信号もないし。
この本殿から背後の山に登って行くと、その途中の森の中にいくつかの摂社末社がある。その一番奥が「いわくら社」。
もちろんお楽しみの磐座(いわくら)があるのだ。山肌を登っていくこと2分。距離は100メートルほどのところにある「いわくら社」。
ここは諏訪大社の元宮になぜか雰囲気が似通っていた。
そんなに山深いというわけではないのになぜか空気がピーンとして、湖からの冷気が集まっている感じだ。そう言えば諏訪神社の元宮も少し高台にあって諏訪湖の冷気が集まっているような感じだった。
近くまできたところ。右側に見える岩が磐座(いわくら)。左が「いわくら社」。
長さ3メートルほどの岩は半月形で側面は刃物で切ったように尖っていた。この岩が大事なものであると知らしめるためにしめ縄が張ってある。
ちょうど神社の修理にきていた宮大工さんから、この岩が「女性」で祠の上の石が「男性」で陰陽になっているらしいと説明を受けた。
また、比良連山の山中にはこうしたおおきな石がいっぱいあるとも教えてくれた。
「あんたら石がそんなに好きなら、今度案内してあげようか?」とか「石はほんまに山の上に動いていくんやで」とか不思議なことを言う宮大工さんだった。 |
祠の中
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「いわくら社」の祠の中を覗いてびっくり! なんと、この中は古墳だったのだ。
古墳の石棺をそのまま神社にしているなんて! ぼくが単に知らなかっただけなのかもしれないが、こんな風に利用している祠を初めて見た。
どおりですごい霊気が漂っているわけだ。扉に顔をくっつけるようにして真っ暗な祠の中を覗いてみる。しばらくして目がなれてくると中の様子がうっすらと見えてきた。
どうやら古墳の中はすでに盗掘されて空っぽらしい。暗くて奥の方までは見えないけれど、なんか死んだ人が居そうな感じがして一瞬背筋がゾっーとした。
祠の上に回って見た。宮大工さんの説明ではこの上の小さな尖った石が「男性」らしいけど? そうなんだろうか? ちょっと疑問だなあ〜
古墳の大岩が顔を覗かせているだけではないのか。と言うのが正直な感想だ。
この祠を一所懸命? 探検していると、さっきの対岸の黒雲がこちらに向かってやってきたらしく、宮大工さんが「大雨が降るから早く下に下りろ」と大声で呼んでくれた。
駆け足で社務所に駆け込むのと、集中豪雨のような雨が降るのとが同時だった。
宮司さんが親切に雨はすぐ止むでしょうから中に入りなさいと言って下さる。ありがたく雨宿りさせていただいた。
宮司さんの言葉どおり雨は15分ほとですぐ止んだ。高島時雨といって琵琶湖を吹く風の影響で急に天候が変わりにわか雨がよく降る土地柄ということだ。
もう一度後ろの山に登って拝殿後方から琵琶湖畔を写真に写す。
ここは紫式部も立ち寄ったゆかりの土地で、式部の立派な歌碑も建立されていた。 |
石仏群
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高島駅までの帰り道に珍しい石仏群{鵜川48体仏)を見学。
阿弥陀如来坐像で顔が全部違っていて個性的だ。滋賀県指定の史跡となっている。
お気に入りの顔が見つかるかもしれないので皆さん探してみてはいかが。
石仏群の上側は墓地。 |
龍神さま?
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道路がわに写真のような洞窟が。
沖縄のセーファーウタキの拝所の前でよく見かけた井戸のウガン所にそっくりではないか。
石垣に囲まれてすこし窪地になっていて、その昔はここから清水が湧き出していたんだろうなと思った。
仏教渡来以前で神社も社殿がなかった時代には、このような水の湧くところや、大岩を神さまとしてあがめ祭りをしていたのだ。
琵琶湖と琉球の海人のはるかな昔のつながりがどこかにあるかも知れないなあ〜? と感じながら家路を急いだ。 |
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