消された大王・ニギハヤヒの横顔か?
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上の写真、顔に見えませんか?
磐船神社の社殿の後ろにある神南備山の頂上近くで、顔だとは思わず何気なくシャッターを切ったんだけど、家に帰ってからパソコンの画面で見たら、岩に顔が刻まれている風に見える写真だったのでびっくり!
帽子をかぶっていて、目が釣りあがり、鼻が鷲鼻で、口を真一文字にきっと結んで、顎が少ししゃくれていて、ほほにある二本線が刺青のように見えます。肩なんかもあって、岩の巨人のような感じ。
みどりさんはきっとニギハヤヒの横顔に違いないと言ってコーフンしています。
そうかもしれない。いやきっとそうです。ここはニギハヤヒが岩の船に乗って降臨したと伝えられている哮峰(たけるがみね)なんだから。 |
磐船神社
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南河内に引っ越して半年、東京から霊能者の友人がやって来た。遠方からわざわざ来てもらったので「どこか、行きたいところある?」と南大阪周辺の地図を開いて見せた。
彼女は広げた地図を前に手をかざし「この場所がすごくびりびりくるけど……、ここに何かあるの?」と言った。地図を見るとその場所は風土記の丘の裏側の平石というところで、彼女の指差しているところには磐船神社がある。
ということで、彼女を案内してさっそく三人で探検に出かけることにした。何かワクワクするような楽しいことが起こりそう。
僕はこの磐船神社へは、13年前に来たことがあって、当時は『空を飛ぶ岩船』を探し出してそれに乗ろうと真剣に思ってたずねた神社の一つなのだ。ほかにも、私市(きさいち)の星田にある岩船神社、明日香村の益田の岩船、京都府加茂町の岩船寺、がある。いずれも巨岩がゴロゴロと転がっており、「なるほど、これは岩の船が何かの原因でこなごなになった破片だな」と思い巡らしておりました。本当の話です。
新しい我が家から神社までは車でたった20分ほどで到着することができた。道が続く限りてくてくとどこまでも歩いていた昔と違って、ほんとに車って便利なんだと改めて感じている今日この頃です。
前置きはこのぐらいにして、磐船神社へまず行ってみましょう。神社への道はたくさんあるみたいだけど、今回は役の行者が開いたと言う高貴寺に車を止め、そこから徒歩で神社に向かいました。
ちょうど紅葉が始まったばかりだったのでよく整備された山道が、落ち葉に埋まってふかふかジュ―タンの上を歩いているようです。
昔一人で太子駅から徒歩で山裾まで二時間、さらに山頂近くの神社まで1時間近く歩いた記憶があるので、神社に着いたときはくたくただったし、すごく深い山の中だったと思っていたのだが、高貴寺からはぶらぶら歩いて10分位で着いたのでびっくり! それに季節のせいか、天気のせいか、境内がすごくきれいで明るくなっているように感じ、本当に昔に来たところかな? と同じ場所とは思えませんでした。
上の三枚の写真は、
左上が磐船神社の鳥居と境内。
右上は拝殿まで続く長い階段。拝殿の奥は哮峰の頂上。
下は社殿の彫刻。彼女は拝殿の彫刻が立派だと感心しておりました。 |
社殿の上にある巨岩からの眺望
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ここには載せていませんが拝殿の真上の斜面にはに大きな船型の岩がデンと斜めに座っています。地震がきたら岩がずり落ちて拝殿に突き刺さってしまうのではと心配してしまうような感じです。
僕がトイレに行っている間にみどりさんと友人は何かに呼ばれたように上へ上へと昇って行って、拝殿の真後ろのあの今にもずり落ちそうな岩の前に座って瞑想しておりました。
右がみどりさんたちが瞑想していた場所から見た景色です。みどりさんはこの場所がすごく気に入ったみたいで、まるで天空の城ラピュタにいるみたい! 飛行石があったらこのまま飛んで行きたくなる!!!!!」と叫んでいました。河内の国の哮峰に降り立ったニギハヤヒの見た景色もきっとこんな感じだったのかも知れません。 |
森の守り神に出会った
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みんながバラバラに行動していたので、拝殿の前に一度戻って三人でお参りしてから頂上に登ろうと提案し、お参りをすませたのですが、いざ頂上へと行こうとしたら、みどりさんと友人は体力を使い果たしてしまったので下で待っているから僕に一人で頂上に行って来てねと言い出した。
ほんとにこれだから女の人は困ってしまう……。結局一人で登ることに。
以前は社殿までしか来ていなかったのでここからは初めての道のりです。迷子にならないかなぁと、そんな考えがちょっと頭をよぎります。
剥き出しの岩がゴロゴロしている傾斜を5分も登っていくとすぐに頂上につきました。山の頂上にはもっともっとすごい大石があるのではという期待に反して、巨石はなく、見晴らしも余りききませんでした。
けど、頭に残る風景が一つありました。ご覧の巨樹(写真)です。こんなに大きくなるには何年ぐらいかかったのだろう? なんの木なのか名前も知らないけれど、すごい存在感があった。思わず見とれてしまうほどに。
降りてすぐ二人にこのデジカメの写真を見せたら二人とも次回はきっとこの木に会いに行く! と言ってはりきっていました。 |
磐座いろいろ
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磐船神社の案内板には船の形をした石が48個あると書かれているように境内には大小の石がゴロゴロしていた。さすが、ニギハヤヒが十種の神宝を持って岩船に乗って天降ったと伝えられている場所だ。「天磐船」「浪石」「燈明石」などの奇岩怪石があり、磐の下から霊水が湧く場所とかもあります。
何の変哲もない小さな三角形の磐を見つけてなんとなく気になって写真を取ったら横の木に大きな「タマユラ」が写っていました。(写真左下)
ここは江戸時代に起こった葛城神道の発祥地だそうで、いまでも熱心な信者さんが講を作って神社を守っているみたいです。この日も拝殿やイワクラの前に「神宝」という名のお酒が何本もお供えされていましたから。 |
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