薄暗い林内には、口惜しいほど何もいない。”ここが、アマゾンか？”と思っても、いないものはいない。焦らず歩いていると、ちらっと目に青い物が映った。葉っぱを少し移動したモルフォである。”その翅、ちょっと目立ちすぎるんじゃないの？！”

　群れ翔ぶようなチョウはいないのだが、何かいないかと坂を下りてきた。すると赤っぽいチョウがひらひらと翔び立った。アカシジミである。逃げられると困るので、遠くからカメラを向ける。ピントが合うのを待つと、蚊が指に止まる。嫌な奴らである。雲って暗くなったのでストロボが発光される。ストロボは嫌だけど、蚊も嫌である。明るくなる前に網を振る。