第1回:1998年 4月28日 〜 1998年 5月 2日
 (1)自然について
 四国ほどの土地に、20万人ほどの人しか住んでいない国です。何とも羨ましい限りです。何事も、程々がいい。
 カリブ海沿いのダンリガの町は、海に面した町です。4月も終わり、一日中海からの風が強く吹いていて、乾期も終わりに近づいていて、そのせいか湿っぽく感じます。砂浜は、強う風のために浸食され幅が非常に狭くなっています。海沿いの森林は、マングローブ林とのことですが、私は残念ながら歩いていません。
 町周辺は、蚊が非常に多くて森林内に踏み込むと蚊が群れてきます。海より12kmほどの内陸部の森林内でも、同じように蚊は、森林内の歩行を拒絶しています。
 これより奥地は、徐々に丘陵地が多くなり、緑豊かな森林地帯へと移行してゆきます。道路の両側は、森林となりますがそこへ分け入る道を捜すのは、非常に困難と思われます。海より約40km位奥地の首都ベルモパン周辺は、牧場が多く森林地帯まで5km位離れています。乾期の終わりのせいか森林内の川は、すっかり干し上がっていました。
 (2)昆虫について
 4月も終わりの乾期のせいなのかどうかは分かりませんが、全般的に昆虫は非常に少ないです。多分時季さえ良ければ、様々な昆虫がいそうではありますが。
 沿岸部、主にオープンランドにおいては、キチョウの仲間、グァテマラ高地で見たチビキチョウ、オオシロチョウ、センナエオオキチョウ、スタティラオオキチョウ、ヤトロパエカバイロタテハ、アミモネフチキタテハ、ミリッタウラギンタテハ、キスジドクチョウ、フェブリアカスリタテハ、ヤナイスホソバタテハ、ヘルメスアメリカジャノメ、各種カラスシジミ属、オイレウスチャマダラセセリ、シムプリキウスオナガセセリなど普通種が主です。アゲハは、トアスアゲハが翔んでいます。トンボは、更に少なく、オープンランドは、やはりハネビロトンボが飛んでいます。ここでは、ウスバキトンボは見かけられません。セミは、1種類啼いていました。
 内陸部の森林内においては、今回は川の水はすっかり干し上がって川底を歩いて下ることができました。その先には、車が1台が通れるような丁度いい道があります。川には、大きなヤンマが飛んでいましたが、残念ながら採れませんでした。すばしっこいサナエトンボは、何とか1匹採れ、イトトンボは、青いのと赤いのが1種ずつ。翅が透き通ったハラナガイトトンボを一瞬見たような気がしましたが、すぐに見失いました。トンボは、やはりここでも少ないです。川原では、ここでも各種カラスシジミがいて、セセリは少なく、トガリシロチョウがいました。ジャノメチョウは少なく、ルナハカマジャノメ、タソガレヒカゲは、1匹見ただけでした。フクロウチョウとモルフォチョウも、1匹ずつ見ることができました。最盛期には、余裕を持って見続けることができるでしょう。
 ガウディアスホソバタテハは、川原を忙しそうに行ったり来たりしています。エラトドクチョウは、ちょっと小形です。チャイロドクチョウは、少し開けたところを翔んでいます。チャイロドクチョウと見間違ったペトレウスツルギタテハは、ほんの少し残った水溜まりの近くで舞っていました。青と赤が眩しいティタニアウズマキタテハも、川底に舞い降りてきました。川を離れると、殆どチョウはいなくなります。
 セミは、3〜4種類啼いていましたが、採れたのは1種類だけです。倒木の下からは、中南米では、初めての小形のサソリを掴まえました。
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