第1回:1994年10月24日 〜 1994年10月29日
 (1)自然について
 湖の岸に広がるパナハッチェルの街並みは、緑の中に美しい風景を醸し出していて、民族衣装を着たインディヘナの人たちも多く、風光明媚な観光地になっています。標高が1000mと高いため、朝晩は大分冷えます。朝、山の陰になり陽が射すのが遅いところは、暖かくなる9時頃から、やっとチョウが翔び始め、そして陽が傾きかけ冷えてくる3時頃には、チョウの影も見られなくなってきます。
 街の外れの花には、メタリック・グリーンに光り輝くハチドリが、数羽ホバリングしながら蜜を吸っていて、突然、上昇したかと思ったら、次の瞬間急降下して、そして飛び去ってゆきます。
 緑はあるのですが、そこに入り込む脇道がないので、どう仕様もありません。湖沿いの道は、木々は少なく開けているため、容赦なく熱帯の光が降り注ぎます。一方、森林内に入り込むとなかなか楽しい世界が開けるのですが、道が続かないため、ちょっと残念です。
 (2)昆虫について
 町外れの明るい道では、キスジドクチョウが翔び交っています。更に行くと、チビキチョウ、そして様々なキチョウやミナミヒョウモンモドキが姿を現します。パナハッチェルからサンタカタリナ・パロポへの道は、乾期の今は、砂埃が酷くて、時々通る車のために、体中砂にまみれてしまいます。そんな所にも、チョウが舞っています。雨で濡れていれば、更に多いことでしょう。レウコメラスナンベイホソチョウが、ゆっくり滑空しています。ホルテンセドクチョウ、エオアプスシロオビタテハが時々、通り過ぎてゆきます。半透明の翅を持ったクルギイウスチャトンボマダラも、路傍の草の上を翔んでいます。モネタウラギンドクチョウが、サンタカタリナ・パロポへ下る坂道の花に来ていました。非常に素早いオオキチョウが翔び去ってゆきます。砂埃がこんなにすごいのに、数多くのチョウが舞っています。もう一度、雨期に来たいものです。大きな黄色いアゲハであるダウヌスアゲハが、時々素通りしてゆきます。
 標高が高いせいかトンボを一匹見ただけです。眼下には、湖が大きく広がっているというのに。松の枝で啼いていた小さなセミを採ることができました。
 森林の中には、クルギイウスチャトンボマダラ、スカシマダラ(1種類ばかりと思っていたが、実は2種類だった)やアミメシロチョウもいました。一度見たかったスカシマダラも掴まえたし、セセリもいたし。イトトンボが、小さな水の流れのところで飛んでいました。
|