第1回:1992年11月21日 〜 1992年11月27日
 (1)自然について
 スマトラ北部の山地にあるブラスタギは、標高1400mと高いので、朝晩はすっかり冷え込みます。ブラスタギの町周辺は、田畑に開墾されていて、森林は殆どありません。シバヤク山には、広い林道がずっと続いていて緑も豊かです。道は、日本の林道と同じく、すっかり明るく崖を切り崩してあるので、森林性の昆虫は余り見受けられません。脇道もないし、渓流もないので、ちょっと物足りない感じである。
 町から、バスで1時間ほど下ったところにシクリカップの滝があります。ここも入場するには、料金が徴収されますが、採集は問題ありません。入り口から滝までの約1kmの森林内で採集することになります。脇道も少しあり、楽しく過ごせるでしょう。ただし、渓流へ降りて行く径がないのが残念です。滝の上に行く径も見当たりませんでしが、多分あると思います。ここには、森林性の昆虫が飛び回っていました。
 今回は、ちょっと雨が多かったので思いっきり歩けなかったのが残念です。
 (2)昆虫について
 シバヤク山の登山口にて、入山料を支払って上って行きます。開けた道には、ホソチョウが翔び、ベリサマカザリシロチョウやバラカナカザリシロチョウが悠々と翔ぶ様は、非常に美しいのですが、ベリサマカザリシロチョウは、空高く舞い、網が届くところまで降りてくるのを、ただじっと待つのは、これもまた夢の時間です。道をずっと上って行くと、水溜まりの所には、マエナリスイシガケチョウ、インドラトガリシロチョウやアオスジアゲハを小さくしたようなトガリイチモンジも来ています。森林が迫ってきているところでは、ルリタテハやナミダゴマダラが翔び、マルギナタコジャノメが藪の中で蠢いています。そして、すごいスピードで翔んでくるのは、アゲテスタイマイです。一度は、フレームショットで藪の中へ突きき飛ばしてしまいました。トンボは、殆どいないのですが一カ所、水草に被われている池があり、そこにはミナミトンボとマレーシアのキャメロンハイランドで採ったのと同じヤンマがいました。更に上って行くと、道沿いは、木々が疎らになり、切り立った崖となります。そんな崖の所には、マルチニイルリマダラが集まっていました。
 シクリカップの滝付近には、柔らかな感じのプセウドメラネウスアサギマダラや、それに似たケリクソイデスルリモンジャノメが翔んでいます。森林内には、マクタシマジャノメもいます。
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