第1回:1998年 4月28日 〜 1998年 5月 2日
 (1)自然について
 ウランバートルの空港の周囲は、草原です。街へと向かう道の両側には、平原が広がっていて、街に近づき右手の山は、谷間に木々が茂り始めてきます。街への入り口であるトーラ川の近くの山は、麓近くから森林が形成されています。ウランバートルは、四方を山で囲まれていますが、三方は木々のない草原の山です。標高が1500mと高いため陽が陰るとやはりひんやりしますが、陽が照ると気持ちよく暖かくなります。町並みは、共産国だったためか四角い5,6階建てのアパートが建ち並び、1階の部分には、店などが入っています。個性あるビルは、最近建てられたものでしょう。人は、モンゴル系、やはり日本人とは何となく違うが紛れ込んでしまえば分からないでしょう。
 ウランバートルから北東へ70km離れた山間部に、テレルジという保養地があります。周囲は、森林、草原、川と変化に富んでいる標高1700mの山間です。朝晩は、ウランバートルよりも冷えます。でも昼間は、晴れれば清々しく、馬に乗った少年たちは、観光客を見かけると駈けてきて乗馬を勧めます。やはり幼いときから乗っているため、様になっています。
 (2)昆虫について
 ウランバートル近くの山の谷間は、草原から森林へと移り変わり、谷間を小さな渓流が流れています。草原と森林の境界からはチョウがいろいろ現れてきて、アマリリスヒメヒカゲ、ヘロヒメヒカゲ、イフィスヒメヒカゲ、ヒペラントゥスミヤマジャノメ、リゲアベニヒカゲ、ツマジロウラジャノメ、ウルダタカネヒカゲ、エウゲニアヒメギンボシヒョウモン、チタニアタカネヒョウモン、リブラリスミスジ、シーアルブミキタテハ、ヒオドシチョウ、クラタエギミヤマシロチョウ、?ベニシジミ、ビルガウレアエフチグロベニシジミなど多くのチョウが翔んでいます。トンボも少ないながらいます。汎世界的なウスバキトンボ、タイリクアカネ、カオジロトンボの仲間、緑色したサナエトンボの仲間、イイジマルリボシトンボなど。多分、チッチゼミの仲間と思われるセミが啼いていました。花には、ハナカミキリが来ています。北海道で見かける昆虫たちです。日本の高山蝶は、こちらでは低地で翔んでいるとはいえ、標高は1400mを越えているのです。
 テレルジは、更に自然は豊かになる。森林に囲まれた草原には、ウランバートルにいるチョウ以外にノミオンウスバアゲハ、ポプリイチモンジ、各種ヒョウモンモドキやヒョウモンチョウの仲間たちが、様々な高山植物の間を行ったり来たりしています。メリノスモンキチョウ、アウロラモンキチョウ、ナピモンシロチョウ、モンシロチョウなどのシロチョウもいます。しかしウランバートルよりも気温が低いためかトンボは1匹も見ませんでした。花々には、マルハナバチが何種類も飛んできています。クロスズメバチの仲間もいました。素晴らしい自然です。
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