 1 キャメロンハイランド
第1回:1989年 8月 8日 〜 1989年 8月13日
第2回:1990年 4月29日 〜 1990年 5月 5日
第3回:1990年 8月17日 〜 1990年 8月19日
第4回:1991年 3月17日 〜 1991年 3月20日
 (1)自然について
 マレー半島の中央部に位置するキャメロンハイランドは、非常に豊かな熱帯の緑を与えています。キャメロンハイランドの標高1500m位のところに、タナラタという町があり、マレーシアの避暑地として有名な町です。麓の町タパーから15km位から自然林が始まり、タナラタは60km位の所にあります。昆虫採集をしていて海外に興味を持つと、一度は行ってみたいと思う場所でしょう。
 タナラタの町からは、グヌン・ベレンバンなどの山に登れるし、トレッキングのコースも整備されています。外国からの観光客も多いので、いろんなところで出会うことになります。タナラタは標高が高いので、朝晩は大分冷え込むので洗濯物がなかなか乾きません。困ったものです。
 タナラタとタパーとの間は、だいたい1時間ごとにバスが走っているので、これを利用して移動できますが、森林内に入る道を見つけだすのは、非常に困難と思われます。メインの道路では、現地の人がドリアンを売っています。熟れたのを、一度は食べてみたいものです。
 (2)昆虫について
 タナラタ周辺では、カバシタアゲハ、シルベステルルリマダラ、アサギマダラ、ベラドンナカザリシロチョウ、ニヌスカザリシロチョウ、アカリスカザリシロチョウ、パンディオネトガリシロチョウ、マクタシマジャノメ、ファウヌラウラスジワモン、多くの種類のルリシジミ、ミロビロウドセセリ、瑠璃色の帯が美しいルリタテハなど数は多くないのですが面白い種類がいます。トンボは、標高が高いせいか余りいません。山頂でヤンマを一匹採っただけです。タナラタの町は、街灯が郊外にもしっかり設置されているので、朝早く行くとヤママユ、ヒメカブトムシ、テイオウゼミなどがいますが、やはりお金になると見えて踏まれて潰れたものしか残っていません。
 タナラタより下って中腹の熱帯雨林では、アカエリトリバネアゲハやキシタアゲハが悠々と翔んでいますが、残念ながら見守るだけです。アゲハは、ネフェルスアゲハ、バルナアケボノアゲハ、ベニモンアゲハ、デモリオンアゲハ、アガメムノンタイマイ、アンティファテスタイマイ、メゲスススソビキアゲハなどがいます。シロチョウは、ネロトガリシロチョウ、ララッシストガリシロチョウ、リベリアヒメトガリシロチョウ、アサギシロチョウ、クロテンシロチョウ。ジャノメチョウは、ヤナルダナコジャノメ、パンドクスウラナミジャノメ、マクタシマジャノメ、そしてマダラチョウと思って採ったらカシポネルリモンジャノメだったこともありました。タテハチョウは、ディルテアオオイナズマ、パルダリスオオイナズマ、ドュンヤリクイナズマ、イアピスヒメイナズマ、マエナリスイシガケチョウ、メティプセアハレギチョウ、チャイロイチモンジ、デヨネチャイロタテハ、シロヘリスミナガシ、ホソカバタテハ、リサチビイシガケチョウなどがいます。テングチョウは、ミルダテングチョウ。ワモンチョウは、カネンスヒメワモン、キオビワモンなど。シジミチョウ、セセリチョウも数多くいます。
 トンボは、ミナミヤンマの仲間、サナエトンボ、キイロハラビロトンボに似たビウィッタタハラビロトンボ、カラカネキジマトンボ、ミドリカワトンボ、ホソカワトンボ、コムラサキハナダカトンボ、イトトンボなど多くのトンボが生息しています。
 セミは、ミドリゼミがいますが生きているときは美しい色をしているのですが、この緑色は死ぬとすっかり色褪せてしまいます。セミは、啼き聲はすれど、残念ながら余り採れません。
 2 マレー半島南部
第1回:2001年 7月21日 〜 2001年 7月27日
 (1)自然について
 森林は少なくないのだが、湿地林が多くて分け入る道を見つけられなかった。窪地には、水が溜まって池になっている。川も砂地を削ったような川なので、川幅が狭くても渡れそうにもない。林内は、非常に蚊が多い。そして湿地林には蛭がいるので、足下も時々注意する必要がある。ハリマオ(トラ)やゾウにも注意しなければならない。
 マレーシアもヤシのプランテーションが多い。植民地時代の名残かも知れないが、日本の杉や檜のプランテーション同様すっきりしない。でも、日本と違い整備はされている。
 この時季の暑さは、日本の真夏の暑さから比べると、まだ過ごしやすいと思われる。
 メルシン近郊の整備された林内を歩くことができたが、やはり自然林の中を歩くのは難しそうである。
 (2)昆虫について
 林内を歩き廻れなかったので、チョウに関しては最悪である。オルフェルトトガリシロチョウは、平地では普通種なのだろう。街中でも翔んでいた。メラニップスカバマダラは、後翅が白い。前翅も白くなるとメラニップスカバマダラだが、一歩手前で踏ん張っている。
 池が多いのでここには、トンボが多い。マレーシアウチワヤンマを始めに、オオキイロトンボ、アシナガトンボ、コシアキトンボ、ショウジョウトンボの仲間、フトアカトンボの仲間、チョウトンボは、4種類もいた。ツマグロヒメトンボ、コシブトトンボ、そして非常に小さいハッチョウトンボもいた。ハッチョウトンボの雄は、真っ赤な色をしているので、小さくてもすぐ見つけることができた。
 メルシン近郊の林では、時季が悪いのかチョウは余りいなかった。しかし東洋区を代表するムラサキシジミは、ここでも多く見受けられた。久し振りに緑色のムラサキシジミも掴まえた。
 セミは、いっぱい啼いていたのだが、やはり採ることは難しい。残念である。
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