夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気まぐれ昆虫記 |
4.1.2.9−1 気まぐれ昆虫記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2001年7月17日 森みつぐ 先日、天城の山を散歩した帰り道、舗装された林道をジャコウアゲハの幼虫が歩いていた。私は、拾い物が好きである。昆虫採集と云いながら、チョウやトンボ以外は、拾い物が多い。中には、バラバラになった虫を拾ってきて、プラモデルさながらセメダインで組み立てる。”まあ、いいか!?”で人生を生きているもので、いちいち気にしていない。そもそも目的の全てが、採集でないからである。1週間前は、この辺りにシラガタロウこと、クスサンの大きな幼虫が車に轢かれてぺっちゃんこになってたりしていた。何で林道が舗装されているのだろうか。口惜しい限りである。
普通、幼虫は食草にいるはずである。しかし、終令を迎え蛹になるときに幼虫は食草を離れ別のところで蛹化するものもいる。庭でよく見かけるアゲハチョウの蛹は、塀なので見かけたりすると思う。私は、街中で歩いているときは、そのようなところしか見ていないので良く見つける。と云う訳で、道端を歩いている幼虫は、蛹になる場所を探しているので持ち帰っても、食草を持ってきて与えなくても蛹になってくれる。ただただ、私が無精なのであるが。
持ち帰った幼虫は、次の日の朝には、糸を紡いで蛹になる準備をしていた。そして、2日後には、あの格好いいジャコウアゲハの蛹になっていた。後は、羽化を待つだけなのだが、さて上手く脱皮できるであろうか。2週間後が楽しみである。 追伸:2ヶ月近く経っても、全く変わりありません。羽化は、来春になりそうです。それまで、私も休眠します?(2001/9/9 )
2001年9月9日 森みつぐ
会社の帰り、歩道を歩いていたら、黒っぽい芋虫と擦れ違った。”うん、可愛いんじゃないの!”立ち止まり顔を覗き込んでみると、やっぱり可愛い。お尻に付いている角を前後にふりふり、まるでモンローウォークである。黒っぽいキアゲハの幼虫みたいだが、スズメガの幼虫だ。当然、持ち帰ることにする。手に持ち2〜3m歩くと、今度は、倍くらい大きい同じ芋虫が歩いて来た。”え!と言うことは、これは、まだ終令ではないんだ。”持っていた芋虫を、近くの叢に放し、大きな芋虫と取り換えた。帰って調べてみると、どうもセスジスズメみたいである。
家で容器に移したのだが、ただ、じっとしていて動き回る様子はない。明朝もう一度見ても、じっとしているので、会社の帰り道に食草のヤブカラシを持ち帰り与えてみたところ、クロちゃんは、”あんがとう!”と言いながら、むしゃぶり始めた。道を歩いていたのは、蛹になる場所を探していた訳ではなく、餌が無くなってしまったから餌探しに歩いていたみたいである。無精な私としては、さあ大変だ。毎日、餌を与えなくてはならない。
次の日、休みだったので食草を探しに近くの公園に行ってみた。そしたら、ヤブカラシは、公園のフェンスにへばり付くように這い回っていた。これなら、安心して子育てが出来そうである。
ところが、ところがこれで終わらない。採ってきたヤブカラシの葉に、孵ったばかりのスズメガの幼虫と卵が付いていたのである。”うわ!これも育てるの!!””これは、コスズメかな!”
真っ黒な地に目玉模様が並んだセスジスズメの幼虫クロちゃんは、私の苦労も知らず、食べること食べること。いっぱい糞をして、60mmあった体長は、あっという間に80mmに達し、立派な芋虫に成長した。真っ黒だった体色も、少しずつ白い斑が入り、節目も白っぽくなってきた。5日目に、クロちゃんは、柔らかい糞をして徘徊を始めた。終令であることには、間違いなかったみたいである。
容器の中に入れて置いたトイレットペーパーの下で50mmくらいの楕円形の部屋を作り、3日後”お休みなさい”と言って、蛹になった。来春、羽化するかどうかが問題だが、一応子育ては、終わったと思ったのだが・・・。
ヤブガラシの葉に付いていた幼虫は、やはりコスズメみたいだ。しかし、卵の方は、クロちゃんみたいである。2匹孵ってきた。さあ、また大変だ!!
2001年9月19日 森みつぐ
セスジスズメの芋虫を育てているとき、採ってきたヤブカラシの葉に卵や幼虫が付いていた。幼虫の体色が緑色(角は黒だが先っぽは、灰色)だったので、ひょっとすると今度はコスズメかなと思っていたら、やはりそうだった(卵の方は、セスジスズメでした)。1令幼虫だと思っていたのだが、2令幼虫だった。5日後、3令幼虫に脱皮したとき、体色は、褐色になっていた。ミドリちゃんが、カッちゃんになってしまったのである。何故、褐色になったのだろうか。環境の変化だろうか。とすると、ここではミドリちゃんは全てカッちゃんになってしまう。今度、また試してみよう。
弟分のクロちゃんと同じ容器に入れて育てているのだが、クロちゃんは、やけに発育が早い。それに比べてカッちゃんは、のんびりしていること。4令になったのは、クロちゃんが先だった。“クロちゃんが2匹だから、カッちゃんがいじめにあっているのではないだろうか”、なんて親心で思ってしまうのだが気のせいだろう。そんな訳で、カッちゃんから、今度は、愛情を込めてノロちゃんになってしまった。
のんびりしているが、確実に成長している。そして、成長とともに体色の褐色も濃くなってきた。クロちゃんは、既に5令だがノロちゃんはまだ4令である。3匹とも大きくなって容器が手狭になってきたので、クロちゃん2匹とノロちゃんの容器を分けることにした。
もう1回脱皮するかなと思っていたら、容器を分けてまもなく柔らかい糞をして徘徊を始めてしまった。そして、トイレットペーパーの間に入って部屋を作り始めた。思っていたより小形で、早かった。
今回のコスズメは、卵からではなかったのと一緒に飼ったセスジスズメに圧倒されて脱皮を見逃した可能性もあるから4令が終令となってしまった。
蛹部屋を作り始めてから、1日半で蛹となった。 実は、2令から3令になったのを見逃していたみたいである。やけに2令が長いと思って写真を整理していると、やはり3令に変わっていた。クロちゃんに圧倒されていたので見落としてしまったのだろう。
また機会があれば、ノロちゃんを育ててみたい。
■2令 5日間 ■3令 2日間 ■4令 3日間 ■5令 4+2日間
2令から蛹までのコスズメの成長記録(成虫)
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Copyright (C) 2001-2002 森みつぐ /// 更新:2002年4月14日 /// |