夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気まぐれ昆虫記 |
4.1.2.9−5 気まぐれ昆虫記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2002年7月14日 森みつぐ
会社へ行く途中で、低いミカンの木の枝にへばりついているアゲハの終令幼虫を見つけた。もう、充分育ちきったはち切れんばかりの芋虫になっている。帰りまでにいなくなっては困るが、会社に持ち込む訳にもいかず、そこはじっと我慢して会社に向かう。
待ちに待った帰り道、立ち寄ってみると、相変わらず朝いた場所から一歩も動かずに私が来るのを待っていたかのようにじっとしていた。早速名前は、コロリンになった。緑色のコロリンと新鮮な葉を2枚拝借した。今日は、夏至。まだまだ、明るい。近くでは、鎖につながれた犬が、私の不可思議な行動を見つめている。洗濯するため汚れた作業着を入れている手提げ袋にそっと入れて、大事に持ち帰る。
昼間、じっとしていたのだが、夜に入って、活動し始めた。もうここでは、敵の心配はいらないよ。そう言う私が、一番危ないのか。
翌朝見てみると、1枚の葉の3分の2を食べてしまっていた。容器にしっかりへばりついて休んでいる。昼間は動かないのだが、糞だけは、しっかりする。午後4時過ぎになって、水分たっぷりの糞を垂らしていた。これでもう、蛹の準備が始まりそうである。しかし、その後も糞を4つ転がしていた。
夕方、部屋を暗くしていると糸を紡いで足場をしっかりとしている。しかし、明るくすると、またじっとし始めた。仕方ないので暗い部屋に持っていった。そうしたら、9時前には、足場に糸を吐いてちっさくなっていた。後は、胴体に糸を巻き付けたら終わりかな。
次の日には、胴体に糸を巻き付け、もうすっかり蛹の準備に入っている。
そして、翌日には、やけに大人しく蛹になってしまった。綺麗な緑色の蛹だ。ちょっと大きいから、多分雌かも知れない。
その後、容器にへばりついていた蛹を、これではちゃんと羽化ができないため割り箸に移したところ、体をねじらせてシュッシュッという音を立て、イヤイヤしていた。
13日もすると蛹が透けて翅の模様が見えてきたので、もうすぐ羽化しそうだ。
1時半頃、本屋に行く前に、まずは蛹の状態を確認をしようとして見てみたら殻を破ってチョウの体が半分出ていた。“ちょっと待って!”と言って、カメラを取ってきたら、やっぱり待ってくれなかった。蛹から抜け出そうとしていたところ(13:32)である。蛹から出てきて、ぐちゃぐちゃの翅は見る見る間に広がってゆく。6分後には、すっかり翅は伸びきっていた。
4時過ぎ、蛹の時に溜まった老廃物をすっかり排泄して、ドアの方に移動していたので、窓から逃がしてあげた。思っていたとおりの大きな雌(前翅長56mm)であった。コロリンは、明日へ向かって翔んでいった。私の方を振り返ることもなく。
2002年7月14日 森みつぐ
6月初めに、天城で葉っぱに群がっていたハバチの幼虫の中から一番大きな1匹を持ち帰ってきた。帰ってから、その幼虫はちょっと葉っぱを囓っただけで、夕方からずっと徘徊していた。
その後も、ずっと食べないで、じっとしているか徘徊しているだけである。そして、容器を動かすとすぐ丸まってしまう。
5日もすると、だんだん小さくなって黒ずんできた。移動もしない。何が悪いか分からないが、でもまだ生きている。
やけに小さくなってしまいました。姿は幼虫のままだけれど、体をひねるだけです。蛹になっているのかな?
それから、6日経って蛹になりました。葉っぱを食べなくなってから、既に16日が経っているというのに、やっと蛹です。自然では、枯れ葉の中でこんな事をしているのだろうか。この蛹、やけに活動的です。緑の体色は、変わりません。
蛹になって次の日、体色が、緑から黒くなってきました。黒い蛹かと思っていたら、なんと羽化してしまいました。見かけない黒いハバチです。蛹の期間は、経った1日でした。
残念ながら羽化に失敗したみたいで、少し翅が変になっていて飛べそうもありません。
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Copyright (C) 2002 森みつぐ /// 更新:2002年10月20日 /// |