夢惑う世界 雑記帳 随想録<澪標> 気まぐれ昆虫記
夢惑う世界4.1.2.9−7 気まぐれ昆虫記

2003年6月28日  森みつぐ

 昨年蛹化したスズメガは、相変わらず気持ち良さそうに眠っている。真夏にならないと顔を出してくれそうにもないみたいだ。そんな折り、キイロスズメを見つけた。そして数日後の夜中、開けておいた窓を閉めようと思い、スズメガの蛹を置いてある暗い部屋に入って窓を閉めようとしたら、“あれ!なんだ!!”網戸にスズメガがへばり付いているではないか。
 “おっ!羽化したかな!”と思い、蛹に入っている枯れ葉の固まりを持ち上げてみると、“あれ!まだ、だよ!”“うん?ちょっと大きいスズメガだな!あれっ!!ひょっとすると網戸の外にへばり付いていたよ?!”“変だな?!”確認すると、やはり網戸の外に大きなスズメガがへばり付いていた。
 “動かないでよ!”と願いながら捕虫網を準備して、外に飛び出した。真夜中に、網を持ってのちょっと怪しいスタイルで。運良く誰にも目撃されることなく(多分?)スズメガを網に入れて、虫さんの部屋に放した。少し翅を小刻みに動かして興奮気味だが、翔び立つことはない。いつもの通りカーテンに止まらせて記念写真。ちょっと大きなモモスズメの雌である。この辺りでは、初めて見るスズメガである。
 今年は、なんかスズメガの当たり年みたいである。あとは、今、ここでスヤスヤ眠っている蛹が羽化してくれれば言うことはないのだが・・・。

モモスズメ
6月21日 立派な体躯のモモスズメの雌


2003年9月15日  森みつぐ

 会社の帰り、毎年アゲハの幼虫を見つけるミカンの木で、今年も幼虫を見つけた。鳥の糞みたいな幼虫は、4令であろう。3匹いたうち、1匹だけ掴まえてきて育てることにする。
 まもなく終令の5令になった。ミカンの葉を会社の帰り、車が頻繁に通る道端で2枚ほど頂いてくるのだが、今年の幼虫は、よく食べる。5令になって2〜3日して、“なんか変だな!”と思い、図鑑で調べてみると、アゲハではなくてクロアゲハみたいである。“おっ!ラッキー!!”と思ったが、夜持ってきた葉っぱは、朝見ると僅かしか残っていない。家の近くには、遠慮なく取ることが出来るようなミカンの木がないので、“ごめん!”と平に謝るほかない。“ごめん!”
 食べること、食べること!そしてタッパーウェアの容器を少しでも動かすと、頭部からオレンジ色の臭角を出す。今まで、アゲハの幼虫の臭角を見たことがなかったが、このモンキアゲハは、ほんの些細なことでも臭角を出して体を弓なりに反らせる。極力、嫌がることはしていないつもりだが、非常に敏感である。
 そんな幼虫も、大人しくなってきた。大きくなりすぎて用意していた容器では蛹になるのに少し手狭かなと思い、大きな容器と取り替えてあげた。夜、大きな容器に入れた幼虫は、軟糞をして蛹になる場所を探しているようだった。次の日、容器を見ると、底で幼虫が糸に絡まれてじっとしている。幼虫の体色も少し薄くなってきていた。容器を変えたばかりなので、上手く足場が造れなかったみたいである。“こりゃ、いかん!”と思って、糸を外し、しっかり掴むことの出来る割り箸を入れてあげた。そうするとまもなく割り箸に上って、取り急ぎ蛹になる準備を始めた。これが、最後のチャンスである。昼までには、見た目ちょっと頼りないような気がしたが、糸を胸に掛け割り箸から宙に浮いていた。夕方、容器から出すと相変わらず、まだ元気良く肉角を出していた。
 翌朝、既に偉そうに反り返った大きな蛹になっていた。多分、雌だろう。羽化が楽しみだ!

モンキアゲハ幼虫4令
モンキアゲハ幼虫4令臭角
8月26日 モンキアゲハ幼虫4令 8月27日 モンキアゲハ幼虫4令臭角
モンキアゲハ幼虫5令
モンキアゲハ蛹
9月2日 モンキアゲハ幼虫5令 9月7日 モンキアゲハ蛹
モンキアゲハ
 
2004年5月29日 モンキアゲハの雌  

 翌年、立派な雌のモンキアゲハが羽化した。記念撮影をした後、窓から翔んでいった。


2004年12月3日  森みつぐ

 会社の帰りサクランボの木の葉に、小さな幼虫を見つけた。小さいから葉っぱには困らないだろうと思い、家に持ち帰ることにする。小っさくて可愛いチビクロ君は、どんな蛾かな?

2002年5月8日 終令9mm
 殆ど食べずに、じっとしている。終令かな?
注記:多分、脱皮したばかりだったのかも知れない。

2002年5月9日 終令9mm
 今日も昨日と変わらずに、ただじっとしているだけです。新しい住処が嫌いなのですか?

2002年5月14日 終令
 やっと食べ始めました。一安心!

2002年5月15日〜20日 終令9mm〜12mm
 小さいので食べてもたかが知れているが、毎日少しずつ食べている。しかし、全く大きくならない。こんなものかな?

2002年5月21日〜23日 終令10mm
 また、じっとし始めた。お休み中である。3日間も何を考えているのだろうか?!

2002年5月24日 終令
 白い糸を紡ぎ始めた。薄い綺麗な繭の出来上がりである。

2002年5月29日 蛹8mm
 繭の中で、薄い色した蛹に変身していた。

2002年6月11日
 羽化していた。チビクロ君と同じく真っ黒い蛾でした。幼虫と成虫、やっとここで繋がった。


リンゴハマキクロバの終令幼虫
リンゴハマキクロバの繭
5月20日 終令幼虫 5月29日 繭
リンゴハマキクロバの蛹
リンゴハマキクロバの成虫
5月30日 蛹 6月11日 成虫

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