角ぐみもいつしか解てあしの花 千代女
風は風に心も置ずあしの花 千代女
蘆の花漁翁が宿の煙飛ぶ 蕪村
月落て江村蘆の花白し 子規
蘆の穂に汐さし上る小川かな 子規
蘆の花夫より川は曲りけり 漱石
しづみ見ゆ手古奈の宮や蘆の花 秋櫻子
浦安の子は裸なり蘆の花 虚子
芦の花咲けばさびしき浦住居 青邨
舟ゆけば筑波したがふ蘆の花 風生
芦の穂や浜の鳥居に手をかざし 野風呂
行けど行けど川浪高し蘆の花 水巴
蘆の穂の夕風かはるけしきあり たかし
水のながるるに葦の花さく 山頭火
花蘆に東近江の寒き風 かな女
蘆の花水ひかり虹を幽かにす 蛇笏
ものありて川に逆ふ蘆の花 誓子
芦の花幾たりに逢ひ別れけむ 耕衣
この辺に棲みても見たし蘆の花 立子
蛸壺の野積み網はる芦の花 悌二郎
芦の絮近江にそだち水の上 双魚