和歌と俳句

澤瀉

おもだかや弓矢たてたる水の花 素堂

やれ壺におもだか細く咲にけり 鬼貫

おもだかは水のうらかく矢尻かな 蕪村

晶子
五月雨に築土くづれし鳥羽殿のいぬゐの池におもだかさきぬ

晶子
沢瀉は少女の櫂にのりこしぬ君が酔歌の七尺小舟

晶子黄金の魚水より人をうかがふと見るおもだかの二つ三つかな

荒筵沢瀉細く活けて住む 波郷