2005年11月8日(火)タイ2日目


夕べは11時すぎに寝て
疲れていたのでゆっくり寝ようと思っていたが
朝4時ごろから目が覚めた。

ちょうど日本と時差が2時間なので
日本でいうと6時にいつもどおりに目が覚めたことになるのだが
なんともまだまっくらでどうしようもなかった。

パソコンを立ち上げて
挨拶とかちょこちょこしたことを
作文したりいろいろして6時すぎから明るくなってきたので
施設の中を散歩しにいった。



朝焼けのドミトリー




200種類以上のパームツリーがタイ中から集められていて
保存されているそうで
トロピカルムード満点だ。








こんなのもあった。







どの種類の木にも
タイの名前と
学名と
通称が書いてある

オールドマンパームというらしい。



朝6時半だというのに
食堂は7時からなので
食堂の人はほとんど出勤しているし
入り口の守衛さんは
すでに2人体制でお仕事についているし
ランドリーとか他の施設の宿泊棟の管理の人とかも仕事についているし

農場の人らも出勤にくるし
日本人の勤勉さというのとはちょっと違うが
なかなかにみなまじめで誠実だ。


歩いていると
みな笑顔で、おばさんと話をすると
タイ語と英語と日本語で
まったく通じてないが
アメをくれて、どうもどうも
だった。

ふと足下を見ると

でっかいかたつむりがのそのそ歩いていた。
あとで、親切なダイレクターさんに聞いたら
やっぱり害虫ではあるらしい。





またしばらくいくと
なんとなくお香のにおいがするなあと
思ったら
仏様があった。



もう線香がたかれているのかと
確認してみたが
さすがに残り香で
火はついていなかった。



ここがナショナルアグリカルチャーエクステーショントレーニングセンターの入り口

向こうに見えるのがなんとか棟というやつ!?

芝生もとてもきれいに管理されている



ということで
一回りして
7時になったので朝ご飯を食べに行った。

朝食もうまかった。
今日はタイスタイルだった。
アメリカンスタイルとかいろいろ代わるらしい。
夕食はず〜とタイスタイルらしい。

9時から研修ということで
わたしも今日はレクチャーを研修生の方らと一緒に
聴かせてもらった。
8時半に、パソコンを確認しておこうと思って講義室に行ったら
もうすでに研修生はほとんど来ていて、おどろいた。

みなとても熱心だ。

コンセントはドミトリーの部屋と一緒で
日本のコンセントがそのまま使えて
しかもここもランのケーブルを伸ばしてくれて
職場にいるのと同じ環境になった。

午前中はcropping systemの講義で

翻訳したり書いたりしながら聴いていたが
やっぱり聴くことだけに集中していないと
なかなか耳に入ってこない。
けどわからないと調べたいし
なんか、まあなんでもいいのだがいい感じだった。

内容的には大学の先生なので
トラデイショナルな感じで
学生時代の講義を思い出した。

研修生の方らは、みなとても熱心に聴いていて
ノートなどもよく取っていた。

講義は3時間だが
10時半に一階テイータイムがあって
講義室の外のガーデンで
なんかおいしいケーキまでついていた

マレーシアの方が話しかけてくれて
カリマンタンのコタキナバル山に登って
また行きたいのだというと
なんとその方はそのサバ州から来た方で
とてもフレンドリーで親切だった。
それからインドネシアの方が話しかけてくれ
その方もとても優秀な方だった。

それからベトナムの美しいミセスの方が
話しかけてくれ
その方は東京に農業経済の勉強で半年留学していたそうだ。


講義室は
スタジオみたいになっていて
ステージ風な演台を囲んで
ちょっと距離はあるがアットホームな感じだ。

カンボジアから4人
インドネシアから2人
ラオスから4人
フィリピンから2人
マレーシアから1人
ミャンマーから4人
ベトナムから3人
タイから2人
あとダイレクターの方が5人くらいいて
講師はそれぞれテーマごとに一週間くらいステイしたり
毎日入れ替わったりのようだ。


午前中の講義が終わって
わたしもついつい先生に質問をしにいった。

dry riceの収量が4〜5t/haで
wet riceの平均はその半分くらいということで

??
高知の15年産の平均が4.5t/haで
陸稲が同じレベルでwetがなんでそんなに低いのか
わからなかったのだ。

聞いてみると
dryっちゅうのは、いわゆる日本の水田と同じイメージのようだ
wetというのは、タイは低地が多いので
日本で言う水田よりももっともっとwetな湿田をいうようで
時々は洪水で冠水してしまったり、流れてしまうような
条件不利地での栽培なのだということだった。

台湾の5作物の輪作というか輪混作体系での
面積当たりの収量の高さの紹介の話もなかなかおもしろかった。
ヒアリングでわかったわけではないところが
なんともなのだが・・・


それから
インドネシアの南の方とかで行われている
自給自足の農業
家の前の見えるくらいの範囲の畑で
バナナからマンゴからトウモロコシ、米、芋、全部混作で
実りを収穫する農業
これは経済的に儲ける農業ではないかもしれないが
農業を営む幸せという意味では、どこにも負けないのだ
という話がとても説得力があった。
というか、他と比較する必要なんかないのだ
という解釈でいいのだと思う。

全てのテーマは持続型農業
アグリカルチャーはカルチャー
食=生=文化

貧と豊
どっちがどっち
という本があるが
まさにそのとおりで

他の産業に踊らされているような農業では
長くは続かない。

お昼ご飯は
先生らと一緒に食べた。
うまかった。

先生はfarm resarchが大切だと言っていた。
わたしは今の立場からいうとfarmの回りをもう少し広げて
やっぱりField resarchが大切だと思う。
熱帯の環境を見ていると
pestの問題はおっきいようでちっちゃいもので
やっぱり根本的な気候と環境に合わせた
適地適作+作物の輪作混作時期早遅前後上下左右組み合わせが一番のような感じだ。

お昼はまたスコールで
バーと降って水浸しになった。住んでみないとわからないだろうが
亜熱帯の沖縄と同じで熱帯はけっこう快適だが
やっぱりけっこう厳しい環境のようだ


お昼からは今度は女性の先生で
cropping systemの講義だった。

3時のテイータイムもおいしかった。


それから晩ご飯の時は
明日講義をする先生と
それから筑波や東京にも何回も講演に行っている
先生と一緒にご飯を食べさせてもらった。
ウィットな先生で講義もとてもおもしろいらしい。

ここはビールを買うところもないのだが
赤ワインをどこからともなく取り出して
ごちそうしてくれた。

足の肉離れ以来
まったく飲んでいなかったので
かなり効いたが、うまいワインだった。

なかなか長い1日だったが
脳みその普段全然使ってないところが
こちょこちょと、こそばされて
刺激的な1日だった。


部屋まで帰る途中
街路灯を除いてみると
あちこちヤモリが張り付いていた。

独特の鳴き声で
かわいいじゃないか・・・


部屋に帰ったら
職場の方らから励ましメールをもらっていて
うれしうれしありがたやありがたや
なのでございました。


家に電話してみると
マコが水泳が全部自己ベストを更新できて
調子がいいのだと喜んでいた。
けっこうけっこう。
モリは、マコと長く話したせいか
嫉妬して電話に出なかった。
それもけっこうけっこう。