成瀬映画に登場する風景


『夫婦』(1953年)A 2010.2.14


映画の後半、菊子(杉葉子)が家を見に行くシーンに登場する(と思われる)踏切。
様々なところでロケ地はすでに廃線になっている世田谷の「砧線」ではないかとの意見が多く、
私もそのように感じていたのですが私の知人の方から、新たに推定される場所を指摘いただきました。
下記の写真は、世田谷の「東急世田谷線(三軒茶屋〜下高井戸)の「宮の坂」近くの踏切。
映画に登場する踏切と非常に似ています。




同じく、踏切のカットに続いて登場する家の前の小道。
菊子が「静かなところねぇ」と言う。
ここは上記踏切に隣接した住宅街で、中の遊歩道は映画の中にもある「小川」が以前流れていたとのこと。
川の幅、橋の跡(白い柵)、道のカーブの角度など、映画の中の風景と非常に似ています。





映画の後半、正月に武村(三國連太郎)が家の近くで近所の子供と凧揚げするシーンに登場すると(思われる)
世田谷・玉川通りの東急田園都市線「池尻大橋」駅近辺。(池尻から渋谷方向の写真)
映画では、当時走っていた「玉川線=玉電」がはっきりと映っていて当時の「玉川通り」は間違いないと思われますが
前方に小山のような木々がある、右からカーブしてくる玉電(当時、その場所に大橋操車場があったとのこと)、
ネットで検索した玉電のこの場所を走っている写真等を考えて、おそらくこの辺りだと思われます。

現在は、上に首都高速があり、車とビルのラッシュで当時の風景はまったく痕跡を残していないです。




上の写真では高速道路でまったく見えませんが、写真の奥左側の高台に「上目黒 氷川神社」があり、
映画ではこの木々が映っていると思われます。


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