番外編(川島雄三作品)
『赤坂の姉妹より 夜の肌』B 川島雄三監督
1960年 東京映画

NEW2018.5.4


映画の冒頭(アバンタイトル)、与党の大物国会議員の植谷(伊藤雄之助)が乗っている車とそれを追いかける7−8台の新聞記者のカーチェイスがあります。
植谷の車は赤坂の料亭「照井」の前に止まり、植谷は中へ。
新聞記者をまいてそのまま裏口からタクシーに乗って、選挙対策本部のあるホテル(ホテルニュージャパン?)へ向かいます。いわゆる「篭脱け(かごぬけ)」


本作の中で何度も登場する料亭「照井」。
中はセットだと思われるが、外観は実際のロケーションにしか見えない。
最近あるテレビ番組で紹介されていたのを偶然見て、前の道もあわせて本作の「照井」に似ていると思ったのが
赤坂2丁目の料亭「口悦」(こうえつ)。
以下はネットからの情報だが、
「口悦」は政財界や文化人、芸能人などがよく利用した有名な料亭。
昭和37(1962)年に開店し、店の名前の命名者は小津安二郎監督。
女将は小津映画にも出演していた俳優の故・渡辺文雄夫人とのこと。
残念ながら昨年2017年3月に閉店して今は解体中だが、グーグル地図写真に建物の写真が
残っていたのでそれを使用させていただいた。
都心にあるこういう歴史ある建築物が壊されてしまう(おそらくビルが建つのだろう)のは残念だ。

本作の撮影は開店の2年前なのだが、同じ場所にあった料亭(「長谷川」)をリニュアルオープンさせたようだ。(これもネット情報による)
あくまで推測だが、本作で「口悦」の名前になる前の料亭の外観をロケしたのではないか。

右の写真の後方に見えるビルは火災事故のあったホテルニュージャパン跡地の高層ビル「プルデンシャルタワー」。   

  

 


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