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…あとがき…

「玻璃の花籠・新章〜楸陽」

 

はい、どうにか今回もここまで辿り着きました。最後までお付き合いくださり、誠にありがとうございます。なかなか話が動かず、書いている本人ももどかしかったです。結局は大人しすぎる主人公たちに周囲の方がやきもきとお節介をやく展開になってしまいましたね。私自身は「自力で動く」タイプのキャラの方が好きなのですが、まー……これは仕方なかったかなと。

きっと自分は一生陽の当たらない場所で過ごすのだ―― 楸陽は幼少の頃からそう信じて生きてきたのだと思います。兄と姉があんなですからねー、あまりすっ飛ぶと周りに迷惑を掛けてしまうのだという反面教師にはもってこいだったのでは(苦笑)。やれやれと言う感じです。でもきっと、あんな風には絶対になれないと思いつつも、彼自身の中では奔放な生き方に憧れていたんじゃないかな。
志津の方は自分の過去に負い目がありますから、彼女自身が語っていたように「己の幸せ」はとっくに諦めていたのでしょう。どん底の暮らしを続けながら、いつか亜津だけでも明るい場所に逃してやりたいと考えていたと。そこに「渡りに船」で楸陽が現れて、じゃあお任せしてしまおうと思ってしまったのでしょう。親として誉められた行為ではありませんが、それでも彼女としてはギリギリの選択だったのではと考えてます。

そして。連載当初から、亜津が楸陽の相手だと思ってくださる方が少なからずいらして「えー、どうしよう」と焦ってしまいました! う〜ん、そうか。それもアリだったかも。ただ今回の場合は、数年後の話となる藤華のところで他の兄姉が全部所帯を持っていることになっていましたのでどんな計算をしても無理でした。せめて、一桁後半くらいの年齢に設定していればなー。だけどちっちゃい子が書きたかったんですよ、好きなんですよねー。

設定が重すぎて、それぞれの登場人物の心内を上手に表せなくて、何だかなーと自分自身が情けなくなってしまう場面が執筆中とても多かったです。またこの先の課題と言うことで、次回作で頑張りたいです。
人間、人生のどこからでも巻き返しがきくってことで、彼らの「これから」にひっそりと期待することにして、今回は幕を引きたいと思います。

それではまた、新しい作品の完結時にお目にかかれることを楽しみにしております。

2007年9月7日 『Powder Moon』管理人*Kara

 

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