…あとがき…
「玻璃の花籠・新章〜瑞菜」
最後までのお付き合い、誠にありがとうございました。番外編という位置づけではありますが、久しぶりにエンドマークが打ててホッとしております。
いつもながらに執筆中は長距離ランナーの心地。ゴールという明確な目的地はあっても、果たしてそこまで倒れずに走り通すことが出来るかドキドキハラハラ過ごしています。急な坂道をどうにか上り終えてひと息つく暇もなく、何でもないような平坦な場所で予想外のアクシデントが起こったり。読み切り作品であってもそのようなことには当たり前に遭遇するので、これが話数のある連載ものでは幾度となく訪れます。
「あーもう駄目だ」と書きかけで放っておいたものを後日に読み返すと「あれ? 何かまとまりそうな予感」と先がすらすらと書き出せたりする。そう言うのも面白いなと思います。
我が儘放題の奔放な姉に、どうにもならないくらい引っ込み思案な妹。そのふたりに挟まれた中の姫である瑞菜です。今回の話を書くまでは明確な性格設定も作っていなかったのですが、どんなかなーと思いつつ手探りで始めてみると何だかつんつんした感じの人の話を実は全然聞けてない感じのお姫様になりました。言ってることとやってることがバラバラで「どうにかしろよ」と思うことも多かったです。しかも相手が相手、やっぱり訳が分からない男でしたので尚更ですね。
でも、ラスト付近は「願望」をてんこ盛りにして(笑)。雷史が「女のために家も身分もかなぐり捨てる男」だったこともあり、李津はその逆にしてみました。いわゆる「逆玉」の身の上ですからね、このあとが大変だと思いますよ、実際。そして彼自身がそうなることを重々知りながら、あえて頑張ってくれちゃうところとかいいなーとか。うん、そんな感じです。
こうなると、六人兄妹で残るはあとふたり。とくに全く影も形も?出てきていない春霖の代わりに跡目になった次男くんに興味があったりします。全然パパに似てなくて実はじじにそっくりだったりしたら面白いかもーでも全然絵にならないから無理か(苦笑)。構想も予定も今のところ全くありませんが、いつかそこまで間口を広げることが出来たらすごいかもですね。
では、もう一走りしてきます。また完結時にお目にかかれることを祈りつつ。
2006年10月18日
『Powder Moon』管理人・Kara
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