◇あとがきのコーナー◇

こうめ・はぼたん・せつぶんそう

壮大な物語は思いつかない、だから自分の手の届く範囲で出来る限りの内容にすればいいんだ。

最初に「未来」のシリーズが心の中に浮かび上がってきたとき、どこかでそんなことを考えていたのかも知れません。だから、その後も「手のひらの上に乗せられる量の」ネタを自分なりに料理してここまで来たんでしょうね。菜花ちゃんの幼稚園編を書いたときに思い浮かべた全てのお話を消化することが出来ました。これも応援してくださった全ての方のお陰だと感謝しています。本当に最後までのおつき合い、ありがとうございました。

――と、言っても。シリーズはこの後、槇原家の末っ子・樹に受け継がれるんですけどね。

「岩男くん」は菜花ちゃんのパパ・マッキーと正反対になるようにキャラを作りました。何度も言っていますが、マッキーの本質は私にとっても近いので、となると岩男くんは私にとって一番遠い人種です。動かしにくくて大変でしたが、自分の一番言って欲しい言葉を言わせるのは快感でした(笑)。そしてまた、岩男くんと反対になるように作ったのが聖矢で、またひっくり返すと樹になる。もうここまで来るとスタート地点には戻れなくなってますね。ああ、マッキーが遠い。

今回は当初の予定では、久々に再会したふたりが甘いムードで……という内容だったはず。それが書き進めるウチに色んな話題が入り交じってきて、やはり長くなってしまいました。菜花ちゃんのお仕事関係や、岩男くんの研究内容などについて、あまり突っ込んで書けなかったのが心残りですが、ようやくふたりも軌道修正をしたようですので、この辺で幕を引きたいと思います。

でも、岩男くんの一番の「夢」って、シリーズのどこかで出てきてた気がするんですけど……?

 

2004.07.09  Powder Moon 管理人/Kara(から)