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ゲームレビュー

 
 
 
忘レナ草 Forget-me-Not』   機種:Win95/98/Me/2000/XP  開発:ユニゾンシフト
 
あらすじ 突然現れた『死神』によって運命を宣告された主人公『矢部正広』が、病院を舞台に 
繰り広げる三人の『少女達』との人間模様を経た上で、『生』と『死』の意味合いを 
鮮烈に描いた、ダーク/シリアス系 ノベルティ・アドベンチャー。 

『死神と名乗る少女“エアリオ”』に死の宣告を受けた主人公は、生きる為に他人から 
『生』を奪うことに鳴り、その唯一の方法である『セックス』を通じて、相手の『生』を奪う 
ことになります。 
しかし、相手の『生』を奪うと言うことは、確実に相手の『命』を縮めることにつながり、 
やがて相手を『死』に至らしめてしまいます。 

すなわち、『好きになればなるほど離れなければならないジレンマ的な葛藤』が発生し 
そこから『“生”と“死”の意味合いを問い掛ける』ストーリーに発展します。 

(c)ユニゾンシフト

シナリオ ゲームを始める前に想像していた物とかなり違いました。 

あらすじを読むと、“生”と“死”を重点に置いたシナリオで、生きるとは何か? 
死ぬ事とは何か?を深く掘り下げて、考えさせられるお話を想像していましたが、 
実際には“生”と“死”をキーワードに、人とのふれあいにより、今までの自分から 
変って行く事を自覚するストーリーになってます。 

自分が生き残る為には、相手の“生”を吸い取るしかない。 
しかし“生”を吸い取れば相手の死期を早めてしまう・・・・ 
今まで自暴自棄で生きてきた主人公は、人の事など一切お構いなしだったが、自分の 
命が相手の死である事を知り、徐々に人の気持ちを考えるようになっていく。 
そして、今まで考えた事も無い、思いやりの心が自分の中に芽生えている事を知り 
そして、その思いが少しづづ膨らんでいる事を自覚していった時に・・・・ 
 

シナリオは悪くありませんが、お話自体が短い事もあり、ちょっとボリューム不足です。 
もう少し“生と死”に突っ込んだ展開とかが欲しかったですね! 

シナリオに、もう一捻り加えると厚みのある良いお話になったとおもいます。 
あと、シナリオの性質上、Hシーンは豊富です。 

まぁ 生と死を解釈しようとするシナリオになると宗教的になり、望ましくありませんから 
難しい所ではありますが・・・

キャラクター/CG 朝比奈 香澄:主人公の幼なじみで、数年ぶりに病院で再会する。 
病院には入院が必要な疾患で入院している。 
人に迫っている「死」を見る超能力(的なもの)を持っている。 
その力のせいか、幼い頃から病弱だった。 

真柴 沙耶:主人公が病院を抜け出そうとしたときに知り合う。 
人付き合いが下手なのか、人と言葉を積極的に交わそうと言う意思は見えない。 
見た目からは想像がつかないような重病に冒されている。 
真綾とは親友同士。病院にはよく真綾がやってきて、真綾と常に一緒にいる。 

坂崎 こより:足のけがで入院しているらしく、足にギブスをしているのだが、それでも 
そのまま元気に病院内を走りまわっている少女。 
主人公を遊び相手と決め付けてしまい、日々主人公に付きまとってくる。 
主人公のことを『お兄ちゃん』と呼ぶ。 

エアリオ:死神を名乗る不思議な少女。  
見かけは幼い様に見えるが、その落ち着きのある物腰と言葉は、容姿とはうらはらに 
しっかりして、重みがある。 
彼女に死を宣告されたときから物語は動き出す… 

東堂 真綾:沙耶の友人で、昔引っ込み思案でいじめられていた沙耶をかばってくれた 
とき以来の親友。 勉強、スポーツ共に万能で、友人からも慕われ、憧れの的。 
妙なプライドなどはなく、非常に好感の持てる少女。 
しかし、プライドが無いように見えるのは、実はそうみせているだけ。 

新田 穂波:主人公が入院している病院の看護婦長。 
看護婦達からは鬼婦長と恐れられている。 
物事を手短に片付けたがる性格で、目的のためなら手段を選ばないところがある。 

以上6人がヒロインで、赤文字の4人にEDがあります。 

兎にも角にも、このゲームの1番の売りとなるのがキャラクターとCGです。 
原画の“いとうのいぢ さん”の描かれるキャラには萌まくりです。スッゲー可愛いです。 
彩色も淡い色使いで、CGぽく無いところが、ゲームの雰囲気に良くあってます。 

立ちキャラCGとイベントCGの出来ですが、これがまたとても良いです。 
表情豊かですし、ポーズ/構図とも申し分ありません。クオリティーも高いです。 

イベントCGは病院内が全ての世界ですから、華やかな物はありません。 
また、お話が、SEXで生を貰う設定ですから、イベントCGの多くはえちぃシーンです。 

背景CGは、病院内が特徴的で影を押さえて、白いイメージを前面に押し出してます。 
緻密な描写とは違いますが、キャラが可愛らしい感じですし、それに合ってます。 

余談 
この絵柄で萌重視のゲームを作られた日には、悶え死ぬかもしれません(笑)

音楽 全15曲  OPとEDがボーカル曲です。 
OP曲ですが、かなり凝った作りになってますね!コーラスだけで無く、バックのピアノ
の使い方にセンスを感じますよ!  EDの歌もとっても良いです。 

BGM全体の曲調としては、静かな物が殆どですが非常にクオリティー高いです。 
音の使い方が繊細で耳に染入ります。 

このゲームのBGMは音の使い方に関して申し分ありません。 
これで、耳から離れないメロディーが沢山あったら泣ける所でしたが・・・ 

まぁ 久しぶりに良い仕事の音楽を聴く事が出来ました。

システム ゲーム進行のシステムは、昼間は選択肢を選ぶタイプのAVGです。 
夜間はマップ移動となりますが、難しい所は一切ありません。 

ゲーム基本システム 
セーブ&ロード  メッセージスキップ(既読判定あり)  メッセージウインド消去 
読返し機能 

拡張システム 
ボイス/BGM/SE各音量調整  テキストスピードコントロール  既読判定ON/OFF 
キャラクターボイス個別ON/OFF  画面エフェクトON/OFF 

必要にして十分なシステムの調整は出来ます。 
特徴的なのが、カーソルをメッセージウインドより下に持っていくとウインドが閉じます。 

オマケモード 
CG鑑賞  Hシーン鑑賞  BGM鑑賞です。 
あと、BGMモードでは曲目事に作者のコメントを見る事が出来ます。 

欲を言えばED鑑賞も欲しかったですね!

総評 一つのシナリオが短いのでボリューム感には欠けますが、悪くはありません。 
また、お話の設定上、可愛いキャラのえちぃシーンがいっぱいあります。 

ダーク/シリアス系AVGとなってますが、無理に泣かせるお話でありません。 
どちらかと言うと純愛系で、人を思う心に目頭が熱くなるゲームです。 

あの絵柄に心引かれた人、そしてメッチャ可愛いキャラの、バリエイションのある 
えちぃシーンに興味を持たれた方にオススメ致します。

 

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