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ゲームレビュー

 
 
 
『風ノ唄』   機種:Win95/98/Me  開発:みるくそふと
 
あらすじ 懐かしの町は また 新たな出会いと共に 
ちょっと田舎の海辺の町、櫻木町―。 

東京からやってきた主人公は懐かしさと想い出が溢れるこの町で 
爽やかな夏を過ごす事となる…。 

高台にある神社の巫女・凛は双子の姉・結衣といつも一緒だった。 
今年の夏も一緒に神楽を舞うと約束をしていたのに―― 
過去の想い出と現在の葛藤が絡み合う切なく綺麗な物語 

櫻木町一番の御飯処・明日菜楼のチャイナウェイトレス・さつき。 
今日も元気に家の手伝いをしてるところに突然現れる懐かしい兄と呼んでいた存在。 
かつては幼馴染として親しんでいた二人に厳しい現状が襲いかかる…。 

主人公が訪れたアパートの若くて綺麗な管理人さん・葉子とその妹・あや。 

おっとりとした優しいお姉さんには複雑な過去と妹を守る使命感で一杯だった。 
妹はその小さい身体に抱えきれないほどの想いに耐え切れず、 
”逃げ”の道を選ぼうとするが―― 

ヒロイン達に絡まる甘く切ない物語。 
彼女達の傷を癒し、救えるのはキミだけかもしれない…。 
エンディングは一つとは限らない! 

(c)みるくそふと

シナリオ 開発コンセプトが“癒し系ゲーム”って事なのでシナリオに期待して購入しました。 

っで! そのシナリオですが、全体的に短めです。 
また、攻略キャラが4名にも関わらず、シナリオの出来の差が大きいです。 

ハッキリ言うと“葉子”と“さつき”のシナリオは、奥行きが無く薄っぺらい感じです。 
“さつき”はビジュアル的にもメインヒロインだと思ってたので、がっかりしました。 
この2人のシナリオは、ゲーム後半に物語が動くため、心理描写を細かく描く所まで 
持って行く事が出来てません。 
主人公の心理描写とエンディングも今一つ… 

それに引換え、“あや”と“凛”のシナリオは中々の力作でした。 
実は、このゲームのメインヒロインは“凛”なんですね! 
シナリオもタイトルの“風ノ唄”を表した物ですし、攻略後に真のエンディングと言う 
おまけシナリオ“風ノ唄”がプレイ可能になります。 
巫女さん&おっとり系の好きな方には合うシナリオです。 

あと、“あや”のシナリオですが、私このゲームでは一番だと思います。 
病的に引っ込み思案の彼女が、学校でイジメにあい、精神的にも破綻する寸前の 
所まで追詰められるも、主人公と回りの人々の温かい想いと行動で、少しずつ心を 
癒していく所が巧妙に描写されてます。 
主人公の心理描写も、このゲームの中では一番良く表されてます。

キャラクター/CG 春日さつき:飲茶喫茶”明日菜楼”(あすなろ)の一人娘でウェイトレス。 
病気がちという事だがそれを感じさせない程の元気娘。 

倉敷 凛:櫻木町にある倉敷神社の巫女さん。 
のんびりマイペースで何故かイカ焼きと辛いものが大好き。 

夏野 文:主人公が住むアパート”櫻木荘”(さくらぎそう)の管理人さん、の妹。 
引っ込み思案?天然系のちびっこ。ある事があってから学校もあまり行けずに…。 

夏野葉子:主人公が住むことになったアパート”櫻木荘”の管理人さん。 
天然系のおっとりお姉さん。几帳面で、妹をとても大事にしている。 

以上4名が攻略対象。 

キャラは、可愛い事は可愛いのですが、絵柄に癖があります。 
目が離れてます… 俗に言う“ひらめ顔”ってヤツです。 

クオリティーに関しては、立ち絵、イベントCGとも中々の出来です。 
また、キャラの表情は平均的な数です。 
イベントCGは、若干少なめ… Hシーン数はキャラにより異なります。 

背景は、街中の絵はもう一つですが、郊外の絵はクオリティー高いです。 
背景枚数は平均的な枚数です。 ゲーム中、使い回しの手抜きは感じません。 

キャラの性格付けは、4人の内3人がおっとり系と片寄った設定です。 
癒し系ゲームって事で、おっとり系が多いのかも知れませんが、片寄りすぎ… 

ボイスは、キャラに声質は合ってますが、一部キャラの演技がもう一つでした。

音楽 全24曲  OP/EDが、ボーカルありです。 音楽はCD−DA再生です。

BGM全体の出来は、かなりのハイレベルです。
もちろんゲームにも良く合ってます。

特に生ギターを使ったサウンドは秀逸です。
また、ピアノ曲も良い仕上りです。
OP/EDの歌も中々良い歌で好印象。

BGMに関しては、レベルが高いので文句無しです。
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余談:OPムービーの雰囲気が非常に良いです。

システム ゲームの進行は、オーソドックスな選択肢を選ぶAVGです。 
特に変ったところは何もありません。 

プログラムは“ねこねこソフトさん”などが使ってる、NScripterです。 
安定して動くシステムですし、これを使えば、専属のプログラマーさんが居なくても 
ゲーム開発できますからね!  それが良いのか悪いのかは別にして… 

セーブ&ロード20箇所  メッセージスキップ  メッセージスピード変更 
フォント切替  オートモード  SE/ボイスのボリューム  CD再生ドライブ変更 

ゲームシステムは扱い易い物の設定項目は少なめ。 
不満はSE/ボイスのボリューム調整しか出来ない。 何故CD音量調整が無いの? 

おまけは、CG鑑賞 Hシーン回想 BGM鑑賞 
あと、真のエンディング“風ノ唄”(長いので、おまけシナリオじゃ無いかも)

総評 ゲームの全体の雰囲気は悪はありませんが、良いシナリオとそうじゃないシナリオの
差が大きいのと、絵柄が万人向けとは言えないので、評価難しいです。

あの絵柄に抵抗が無く、“あや”と“凛”が お気に入りの方は、プレイしても好感触を
えられると思うので、オススメ致します。

 

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