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ゲームレビュー

 
 
 
ONE2 〜永遠の約束〜』   機種:Win95/98/Me/2000/XP  開発:BaseSon
 
あらすじ 俺――貴島和宏は夏休みの終わりに単身赴任中の父親の元に引っ越してきた。 

訪れたことのない町、名前も知らなかった学校。 
誰ひとりとして知り合いのいないクラス。 

俺はそこで新しい生活を始める。 

初めてのことばかり 
――だけど、ありふれたどこにでもある学校生活の中で、俺は思いもしなかったことを 
経験することになる。 

――人を好きになり、そしてその相手を失うことを。 

(c)株式会社ネクストン(tactics.co.jp)

シナリオ まずは、ONEをプレイした事が無い人へ・・・ 
ご存知でしょうが、タイトルがONE2となってますが、ONEの続編ではありません。 
案外ONEを知らない人のほうが面白くプレイ出来るかも知れません。 

ここでは、シナリオについて書かせて頂くわけですが、名作 ONE〜輝く季節へ〜 の 
世界感とタイトルを受継いだわけですから、少し比較させて頂きます。 

まず、ONE2は、ONEの世界感を受継いだとなってますが、私がプレイした印象では、 
ONEの世界感である、“永遠”を表現できた、ヒロインのお話は、1本(1話)でしょう。 
それをアレンジして比較的良い方向へ持っていけたのが1本だと思ってます。 
あとの3つのシナリオは、Kanon風味の印象を持ちました。 

私は、ONEのお話の本当に良い所は『癒し、癒される』所だと思っています。 
心に深い傷を持った主人公が、彼女を心の闇から開放する事により、自分も癒され、 
やがて心の闇の世界から抜け出す日が・・・ 

しかし、ONE2のシナリオは、ONEの世界感に囚われ過ぎていて、一番美味しい所を 
ハズシしてる気がしてなりません。  ONEの世界感より基本概念を重視して、新しい 
ONEの世界を作った方が、もっともっと楽しめたかも知れません。 

でも、ONEとの比較無しで、単体のゲームとして評価すると、そこそこ良い作品です。 
シナリオが一部読みづらかったり、日にちを飛ばすシーンの構成のしかたがイマイチ 
ですが、悪い作品では決してありません。 絆を強く感じさせるシナリオです。

キャラクター/CG 小菅 奈穂:転入してきた主人公の面倒をなにかとみてくれるクラスメートの女の子。 
素直に他人のために行動でき、屈託のない性格をしている。 
ただ真っ直ぐ過ぎるため、利用されやすいが、本人は気にしていない。 
成績が良く、執行部活動などもしているため、先生からの受けがよい。 

望月 綾芽:主人公のクラスメート。どこか現実味を欠いた物静かで神秘的な雰囲気を 
纏った少女。 他人と距離を取るような無愛想な態度を取っているため、殆どの人間は 
彼女を敬遠するようになってしまっている。 
そのためクラスでは浮いた存在となっていて、いつもひとりでいる。 

香咲 乃逢:陸上部に所属する、明るく活発な後輩。天真爛漫でマイペースな性格をし 
ている為、周囲の人間をよく置いて行ってしまうが、それが彼女の持ち味となっている。 
長距離走をしているが、記録や成績にはこだわらず、ただ好きだからと言う理由で走り 
続けている少女。 

深月 遙:主人公の副担任となった音楽の先生。 仕事に対して真剣で、常日頃から 
教育について考えているが、押し付けがましいところがなく、茶目っ気のある性格をしているので学生に男女問わず人気がある。 ピアノを弾くことが趣味。 

芹沢 心音:朝の通学路で出会う、どこか寂しげな目をしている女の子。 子供っぽい 
外見通り無邪気で純真だが、育ちが良いらしく、意外としっかりしている。 

以上5人が攻略対象です。 

原画家を公募して選ぶと言う、思いきった手法を用いたゲームです。 
キャラデザインには、少し癖もありますが、比較的好き嫌いが別れないタイプです。 
キャラの性格付けは悪くありませんが、少々押しが弱いですね! 

CGに関してですが、立ちキャラのクオリティーはかなり高いです。 
表情も豊かですし、特に気になる所も無く、良いと思います。 

イベントCGもクオリティーがかなり高いです。 枚数も適度にあります。 
構図なども良いですし、光の使い方も良かったです。 

背景のCGは、緻密なものとは違いますが、必要にして充分で、雰囲気は出てます。

音楽 全25曲  OP曲がボーカルありです。 
OP曲でもある主題歌“夢幻譜”ですが、ONEのエンディング『輝く季節へ』のイントロ 
をイメージさせる始まり方です。 最初聴いた時は???と思いましたが何度か聴いて 
ると、耳から離れなくなりました。 

また、BGMの方ですがONEの曲をアレンジして使ってる物が数曲あります。 
これには、ビックリすると共に嬉しくもありました。 ONEは名曲多いですから・・・ 

それで、肝心なBGMの出来ですが、かなり良いです。 
とくにピアノ曲は秀逸です。耳に残ります。 管楽器を使ってる曲も良い雰囲気です。 
曲調もONEのイメージにピッタリだと思います。 

サウンドに関しては、文句ありません。 
初回版にはアレンジCDが付属してます。

システム ゲーム進行のシステムは、オーソドックスな選択肢を選ぶAVGです。 

シナリオはメッセージウインド無しで、画面半分より下に表示されます。 
ノベル系のゲームでは良く使われる手法ですが、画面半分より下のみにシナリオが、 
表示される為、キャラの表情が隠れませんので、とても好印象をうけました。 

ただ、キャラ名表示が無いのに、別のキャラの台詞になる時、改行がありませんから、 
最初はちょっと戸惑いました。 この辺は、改善の余地ありでしょう。 

ゲーム基本システム 
セーブ&ロード(30・何処でも可)  メッセージスピードコントロール  BGMのON/OFF 
SEのON/OFF  画面効果コントロール  メッセージスキップ(既読判定無し) 
読返し機能  フォント切替(明朝/ゴシックのみ)  CDドライブ切替 
最近のゲームにしては、設定項目が少ないです。 
せめてBGM/SEのボリューム調整は欲しいです。 

オマケモードは、CG鑑賞/BGM鑑賞/Hシーン鑑賞です。

総評 ONEと比較してしまうと、辛い所もありますが、ゲームとして充分楽しめます。 
CGも良いし、シナリオも絆を強く感じます。それに、ONEの難解な部分がわかり易く、 
ストレートな表現となってる為、受け入れ易いシナリオになってます。 
その分、難解なゲームが苦手な方にもオススメ出来るゲームに仕上がってます。 
・・・・うす味ではありますが(苦笑) 

余談 
私はONEに結構な思い入れがありますから、それを汚すようなシナリオなら途中で、 
プレイを止めていたでしょう。 しかしONE2は、そんな気は起きませんでして。

 

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