このゲームのストーリには心の『痛み』『恐怖』『切なさ』が非常に良く表されており 
ゲーム終了後には物凄く大きな感動が待ち構えております。 

とにかくシナリオの出来が素晴らしいです。 
プレイヤーには必要最低限の情報を与えながらストーリーが進行していきます。 
その情報量が実に絶妙ですから、お話の先読みが出来ず、ストーリーにどんどん 
引きこまれていきます。 
しかも、情報のコントロールが素晴らしい為、謎が解けたとき全てが明白になり 
あとから、いろいろ悩む事もありません。 
もちろん情報量だけで無く、シナリオ全体の擦り合わせが完璧で無理がありません。 
主人公、ヒロインの心象表現も、わかりやすく表されております。 
シナリオの完成度は今までプレイしたゲームの中でも１、２を争います。 

夏祭りＥＮＤとお土産ＥＮＤを見ると『閉幕』が選択できます。 
これによりタイトル『水夏』の意味が・・・ 

私は２章と４章が特に気に入っております。 
*４章後半では『やさしさ』に涙が止まりませんでした*

キャラクターですが、これがまた実に絶妙な設定です。 
キャラデザも性格付けも萌え過ぎず、引き過ぎずで、シナリオにピッタリです。 
その中でも特にキャラデザの一番は『アルキメデス』でしょうか（笑） 
冗談は置いといて、巫女さん、おっとり系、妹、不思議少女と各種取り揃えてます。 

ＣＧは立ちキャラがとても良く出来ています。 
表情が多彩ですし、クオリティーが高いです。　特にさやかの立ちキャラは満点です。 
イベントＣＧはクオリティーの高い満足出来るものです。 
気になるのは若干イベントシーンのＣＧ枚数が少ない所です。 
各キャラ１〜２枚は増やして欲しかったです。 
背景ＣＧは田舎町の雰囲気を良く表した若干淡い色使いで好感が持てますし 
手抜きなど一切感じられません。

ＢＧＭは当初あまり耳に残らない印象でしたが、プレイ終了後、音楽鑑賞モードで 
ＢＧＭを聴いた所、イベントシーンが目に浮かんで来ました。 
辺り障りの無いＢＧＭのようですがイベントシーンにピッタリマッチしてた様です。 
曲全体ではキャラ曲よりイベントシーンの曲の方が私は好きです。 

初回版には音楽ＣＤが特典で付いてます。

おまけモードは、ＣＧ鑑賞、音楽鑑賞、イベントシーンリプレイ、ＯＰムービー鑑賞で 
イベントシーンリプレイ（追憶）は、ほとんどのシーンをリプレイ出来ます。 

ゲーム中の音楽再生はＣＤ−ＤＡも対応してます。

私的評価だと２００１年のベストゲーム所か、歴代名作ソフトの中でも一気に 
上位進出したゲームです。 

今回のレビューでは、ネタバレしてでも水夏の良い所をもっと語りたいと思いましたが 
このレビューを読んで購入しようと思われた方に水夏を心より楽しんで頂けるよう 
シナリオの中身に付いては書きませんでした。 

とにかく、皆さんにプレイして頂きたい作品です。 
私は『水夏』を絶対の自信を持って超オススメ致します。