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ゲームレビュー

 
 
 
Trois(トロワ)   機種:Win95/98/Me/2000  開発:Remain
 
あらすじ Trois(トロワ)"はオムニバス形式のアドベンチャーゲームです。 

しかし従来のオムニバスとは違い、時間、場所、登場人物は同じですが、 
それぞれの少女たちの特殊能力を、超能力か、妖精等のファンタジックなものか、 
魔女としてとらえるかで3つの独立した物語が進行します。 
ちなみに、どの物語からでも自由にプレイ可能です。 

*超能力編
世界征服をもくろむ悪役たちが、主人公の隠された強大な力を覚醒させ、 
それを利用しようとします。 
世界征服すれば世界中の女が自分のものになると聞き、 
簡単に敵のなすがままになる主人公。 
その事態を回避すべく主人公の妹(はるの10歳)が立ち上がります。 
彼女を援護すべくメインキャラの3人の少女達がそれぞれ、しもべとして主人公と 
闘いを繰り広げますが、プレイによっては主人公の毒牙にかかってしまいます。 

*ファンタジー編
三人のそれぞれの少女たちが、実は妖精や妖怪等の生まれ変わりということが 
ゲーム進行につれてだんだんと主人公に分かってしまい、 
主人公が彼女らに惹かれつつも、お互いの葛藤等を中心に色々な恋愛模様を 
描いていくしっとり系のストーリーです。 

*魔女編
中世の魔女狩りをモチーフに、彼女達の力を魔法とみなし、一般の人と違う 
能力を持つ人間への迫害、疎外感等を描いていくダーク系のお話です。 

(c)Remain  オフィシャルページより転載

シナリオ オムニバスの形式のゲームですから別々に評価します。 

超能力編 
え〜! 面白いです。 プレイヤーは何も考えず、“おバカ”になる必要ありますが(笑) 
トロワのデモ版を見た人は、バビル2世のパロディーと思われてるかも知れませんが 
登場人物の設定などは、パクッてますが、ストーリーは、まったく違います。 
緊張感の欠片も無い、アニメネタ、しもネタ、格闘技ネタのラッシュです・・・ 
おバカゲームとして、充分楽しめます。 *注 若い人にはわからないネタが多いかも?

ファンタジー編 
何故、小さな子供の姿をした妖精は、主人公達の元へ来たのか? 
何故、彼女は妖魔に身体を貸しているのか? 
何故、彼女は自分の感情変化を押さえ様としているのか? 
ヒロインが、『妖精』 『妖魔』 『妖怪』と繋がりを持っており、人とは違う能力が 
主人公と彼女を思い悩ませながらも、一つの道を見つける物語です。 
せつない系のストーリーで、中々の力作です。 オススメは妖怪、妖精のお話。 
オムニバスゲームなので、若干短い所が残念です。 

魔女編 
ストーリーは、あらすじに書いてある、そのままです。 ゲーム形式は一本道。 
ヒロイン3人のお話を、順番にプレイして行く事になります。 
かなりダークなお話で、最終エンディングを見ても・・・・・・ 
魔女編は、デマなどに踊らされる集団心理を、もっと煮詰めれば、 
1本の作品になりうる題材なので、残念な気持ちもあります。  
オムニバスゲームとして見れば充分ですが・・・

キャラクター/CG 幼なじみで、口より手が早い『天沼 あおば』 
あおばのクラスメートで、のんびりやさんの『中川 ななり』 
一人暮しで、アルバイトで生計を立ててる『宮前 みらい』 以上3人が攻略対象。 

3人ともルックスは可愛いのですが、『天沼 あおば』は前代未聞のヒロインです。 
幼なじみキャラと言えば『いぬチック』がお約束ですが、あおばは、まったく違います。 
まぁ 性格に嫌味は無いけど、引いてしまうユーザーさんも居るかも? 
私は新しいタイプとして好評価しますが(笑) 

CGは、立ちキャラの表情が多彩で、良いですね! 
キャラが大きく描かれていますから、目の動きなど良くわかります。 
残念なのはイベント絵が少ない事でしょう。(オムニバスはCGが沢山いる) 
1本の作品なら充分な枚数かもしれませんが、オムニバスゲームの弱点が出てます。 
キャラが可愛いだけに、ちょっと痛い所です。 

背景の出来は普通でしょうか・・・ 可も無く不可も無くです。 
出来は、まぁ良いとしても、枚数は少ないです。 これもオムニバスの弱点。 
いくら、登場人物などの設定を同じにした、オムニバスでも、お話が沢山ある以上、 
背景も沢山要りますから・・・  背景の使いまわしで、気になるところ有りです。

音楽 全24曲で、ボーカル曲は3曲です。 オープニングのメドレー曲も含めれば4曲。 
ボーカル曲の出来は、とても良いです。 心に染渡る感じがします。 
特に『so long goodby』はお気に入り。 
『SUMMER TIME WALTS』は、千と○尋の神隠しの主題歌に、わざと似せた曲で 
こちらも中々良い歌です。 

BGMは、ホーンセクションを使った曲が、良いですね! 
ゲームのBGMでは、余り使わないけど、シーンによっては良い雰囲気を出します。 
BGMは及第点以上。 ゲームに良くあってます。

システム Clearさん、Cadathさん、などが使ってるシステムと同じものです。 
キーボードでも、全てコントロールできます。 
またフォントデザイン、スピード等の細かい設定も有ります。 
読み返し機能有り、既読判定有り、オートモード有り(スピードコントロール有り) 
セーブ&ロードは、セーブした場面と台詞が残りますから、ロード時便利です。 
ほぼ至れり尽せりのシステムです。 ボイスは女性のみフルボイス。 

攻略後のおまけモードとして、音楽鑑賞、CG鑑賞、シーン鑑賞があり 
そのほか、ミニシナリオが追加されます。 これ面白いです。

総評 普通のオムニバスゲームと違い、登場キャラ、時代設定等が同じですから 
目新しい所は有ります。 作品の出来は充分ユーザーを楽しませる物ですが、 
しかし、どうしてもシナリオの短さは拭いきれません。 超能力編を、少し短くして 
その分、ファンタジー編と魔女編に振り分ければ、もっと良くなったと思います。 
特に魔女編は、勿体無い気がしてなりません。 

オムニバスゲームもいっぱいプレイしましたが、その中でも良い出来の作品です。 

笑いと、せつなさ。 そしてダークなシナリオを一度にプレイしてみたい。 
そんな欲張りさんにオススメなゲームです。

 

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