MESSAGE
−2004.4〜6−
『切実』
福永泰 2004年5月27日(木) 23:48:13 ご無沙汰してます。
気候も暑くなりそうな気配で膝にとっては助かりますね、梅雨時期に入るとどうなるかわかりませんが気温が高ければ問題ないでしょう。 ここ2ヶ月ほどいろいろありまして、書き込みできなくてすいませんでした。僕の事をまだ気にして頂けると思うだけで嬉しいです、皆さんの気持ちが大きな力になります。 さて、この最後の挑戦も大詰めというところです、どのようになるか、僕には自分で出来る事をやるしかありません、今まで通り最善を尽くすしかありません。 この挑戦にはいろいろな方々の協力なくして出来ませんでした、その方々と一緒に笑顔になれたらなと切実に思います。 残された時間を大切にしたいです。 |
『勇気』
福永泰 2004年6月12日(土) 11:58:37 みなさん、長い間お待たせしました。時間を掛けて考え、結論を出しました。
引退します。
これ以上続ける事は誰も幸せにならないと感じ、決断しました。よって、現役復帰を目指すリハビリをきっぱりやめます。
膝は四月に入った頃には筋力測定で左右差なしで高い数値を出すまでに至り、ドクターも「完璧だよ。」と言ってもらい、雲の切れ間から日差しが射してきたような気持ちになりました。
緩やかながらも順調にきて、ある程度自信がついてきた中、そろそろどこかのチームへ話をと具体的に動き出しました。 外での練習を土のグランドでしてきた僕にとって、持っている不安を少しでも取り除くべく、芝のグランドで、そして11人対11人のゲーム20分×3本という機会に参加させてもらい今出せる力を把握できるチャンスに恵まれました。 その中で2回強い痛みを覚えました。
次の日起きると歩くことさえままならない状態になっていて、射していた光を全く感じる事が出来なくなってしまいました。
まず、そんな強い痛みを感じた事にショックを受け、更に次の日の状態に大きな絶望を感じずにはいられませんでした。 気を取り直し、「様子を見よう、こんな時もあるよ、これだけやってきたんだから。」と言い聞かせました。 それから一ヶ月が経ち思うように回復せず、残された自信は完全に消え去りました。 今まで多くの人に支えられ、励まされ、ここまでやってきましたが、ここで幕を引きたいと思います。
ドクター、そして直接リハビリに関わってくれた人達の事を想うとこのような決断を下した事は本当に心苦しく、又、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになります。
しかし、この現状を僕にはどうする事も出来ない、すいませんでしたとしか言葉が出ない。 また、大きな期待を持って良い報告を待っていたみなさんにもなんて言っていいのか・・。 今までありがとうと言うべきなのか、期待に応えられなくて申し訳ないなのか。。 今は周りの人に対して気持ちの整理をつけることで精一杯です。 ここ10日間掛けて今までお世話になったいろいろな方々に挨拶に回りました。
反応は様々でしたが、僕にとっては「今までよくやったね、お疲れ様。」という言葉が一番胸に染みます。 「どうしても無理なの?」と言われれば、残念がられてこの世界から去れる事に嬉しくも思います。 しかし、もう決めた事です。 いつも思う事ですが、何かを始めればいつか終わりが来る、その終わりが早いか遅いかの違いはあるが、何かを終わりにすることには大きな勇気がいるし、また何かを始める事にも大きな勇気がいる。 プロサッカー選手としての僕はここで終わります、多くの声援を受けここまでやってこれました、本当に本当に感謝しています。 今後の事は未定です、今は自分が何が出来るのか可能性を探りたいと考えています。
またどこかで出会うこともあるでしょう、気軽に声を掛けてもらえれば幸いです。 僕はこれまでいろんなことがありましたが恵まれた選手生活を送ってこれたと思います、あの緊張感のある場所を離れるのは寂しいですが、新たな一歩を踏み出さなければなりません。 この先も自分らしい生き方をしたいと思います。
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『想像』
福永泰 2004年6月21日(月) 3:39:52 HP上で発表してから一週間経ちました。今はいろいろな方々と会って食事をしたり、話をしたり、合間を縫って週1、2度のリハビリに通ったりと多忙な日々です。
公表してからの大きな反響に驚きを隠せません、こんなにも沢山の人達が僕を気に掛けていてくれたんだと思うと素直に嬉しく思っています。それだけに決断を下した結果が残念でなりませんね。。
本格的に夏に近づいてきたような気候で、少し前はもっと暖かくなればなんて言っていたのに、暑くなればなったでもう少し涼しくてもなんて思ってしまいます。
運動量が大幅に落ちたことで、膝に対するストレスは軽減しています、まぁその分ハリもなくなってもきていますが・・。 昨日、仙台スタジアムでの試合前に「福永コール」があったことを知りました。ちょうど「コール」が行なわれているであろう時に仙台方面から電話やメールが一気に殺到して、何事かと・・。聞けば皆その「コール」についてのことでした。
感激の一言です。
その状況を想像するだけで感情が揺さぶられます。 思えば仙台に在籍した2年間のほとんどをリハビリに費やし、公式戦出場はわずかに十数試合、得点もアシストも記録出来ずに仙台を去った自分にスタジアムでそんな「コール」をしてもらえるなんて。。。
残念ながら僕はその場に居ることができませんでした、、、
よく考えると、居ないのにそんなことが起きた事実をどう受け止めていいのか。Jリーグが1993年に開幕してから今まで、そんなことが起こった事実があったのか、、過去にはないと思われます。
考えれば考える程、その場に居なかった事が悔やまれる。スタジアムで聞く事が出来たならばどれほど気持ちが高揚しただろうか、今まで自分がやってきた事にどれだけ誇りを持てただろうか。
スタジアムでその「コール」をして頂いた皆さんの気持ち、しっかりと受け取りました。
これまでの事にまた少し整理がつけられた気がします。それとともに新しい一歩を踏み出す勇気も頂けたと思います。 この怪我をしたことで、どことなく「仙台」に対して負い目というか引け目というか、自分は何をしたんだろう、、何か貢献出来たのか、、と考えてしまう毎日でした。そんな自分はこの「コール」で救われたと思います。
今後観戦する機会があった時はゆったりとした気持ちで試合を見れそうな気がします。 僕は確かに「存在」したんだ。
そう思えるだけで今は充分です。
僕はいつも自分の「存在」価値というものを感じていたいと考えてきました。 今後も皆さんの記憶に留まって居たいです。
心温まる「コール」に本当に感謝しています、ありがとうございました。
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