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2005年9月1日発行 No.447

今が一番                                           永本 慶子

 この夏で58歳になった。あと2年で還暦である。いつの間にこんなに齢(よわい)を重ねたのか、誰より自分が驚いている。体のあちこちが痛み、無理がきかなくなり、物忘れがひどくなると同時に物覚えが悪くなった。無理もないと思う。これまで、若さに任せて、ずいぶん手荒い使い方をして来た。もう少し自分の体を労(いたわ)るべきであったと思うが、「後悔先に立たず」である。
 しかし、それでもわたしは、心底「今が一番」だと思っている。若い日の焦りや不安から解放され、日々平安の今日を、何より感謝だと思う。
 確かに、体力も能力も若い人は比べられない程落ちた。だが、その代わり、その弱さを受け入れる強さを得た。物覚えや能力がどうでも、今のまんまのわたしを神様は愛していてくださる。いや、今のわたしのすべてが神の恵みの中にあると知ったとき、わたしは強められた。今の私を神は良しとしてくださる。ならばわたしも、今のまんまのわたしを愛し、楽しもう。主にあっては、いつも「今が一番」である。