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2006年 10月1日発行 No.460 

歴史の現場に立って

                            金田 佐久子
 
 第53回こころの友伝道ソウル国際大会に、アンデレ会の兄姉と共に参加しました。ソウル日本人教会牧師の吉田耕三先生と教会の方々が、今回の大会開催にあたって特にご尽力くださいました。約30人が大会に先立ってオプションツアーで、歴史の現場に立ちました。吉田先生から、日本では知られていない、日本の植民地支配(1910年〜45年)の中で、1919年に起こった「三・一独立運動」を巡って詳しくお話を伺いました。
 8月26日(土)は、バスで一時間半ほどドライブして提岩里(チェアムリ)三・一運動殉国記念館を見学しました。1919年4月15日、日本憲兵は提岩里へ押しかけ、住民を教会に閉じ込めて焼き殺し、家屋28戸に放火しました。この地方の三・一独立運動において指導したキリスト者たちを根こそぎにするためでした。この惨事によって夫を失った女性は、苦難の生き証人としてこの地に教会に留まり、祈り続けてこられたと聞きました。
 28日(月)午前中はソウル市内のタプコル公園に出かけました。ここは、三・一独立運動発祥の地です。1919年3月1日に独立宣言書が朗読され、独立万歳と叫ぶ示威運動が急速に展開されていきました。ここには、三・一独立宣言記念塔や10枚の記念レリーフがあります。全国に200万人が独立運動に携わっていたこと。と数えられないほどの人たちが街にあふれて、階級、男女、貧富の差を問わず、人々は立ち上がったこと。日本の憲兵がやってきて銃剣で人々に危害を加えても、学生たちは屈せず独立万歳を叫んだことを。レリーフは伝えています。
 日本人キリスト者としてどうあるべきか、吉田先生のお話から受け止めたことを書きます。
「使徒言行録第7章のステパノの説教で、神がアブラハムにおっしゃった言葉『彼らを奴隷にする国民は、わたしが裁く』(7節)、それは後に、エジプトがイスラエルを奴隷化することを指している。しかし韓国に来て、これは侵略国・日本と被害国・韓国のことだと、御言葉が非常に現代的な響きとして迫ってきた。
 なぜ、歴史を知らなければいけないか。神がアブラハムに言われたように、他国を奴隷化したものを神は裁かれる。わたしたちの祈りの中に、国家・民族的な悔い改めが、戦後の日本の宣教の中で見落とされたという気がしている。キリスト者が罪を赦された恵みと感激があればこそ、悔い改めととりなしの祈りができる。南北統一と回復のために祈ってほしい。韓国との歴史を知るだけでなく、歴代誌下7章14節(『もしわたしの名をもって呼ばれているわたしの民が、ひざまずいて祈り、わたしの顔を求め、悪の道を捨てて立ち帰るなら、わたしは天から耳を傾け、罪を赦し、彼らの大地をいやす』)、その祈りが、日本のリバイバルにつながると信じている。」
 
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