2008年7月1日発行 No.481
絶望の中の希望
永本 慶子
教区婦人会連合の修養会で、村上伸(ひろし)先生の講義を聞いた。多くのお話の中で最も心にとどまったのは、世に存在する「死の壁」についてのお話である。
『人を隔てる壁には見える壁と見えない壁がある。見える壁は過去のベルリンの壁のようなもの、見えない壁は人の中にある敵意という壁である。』
紙面の関係上詳しいことは述べられないが、聞いていて私が思ったことは、結局見える壁も、見えない敵意という壁が形として現れたものではないだろうかということである。パウロの、「わたしは、自分のしていることが分かりません。自分が望むことは実行せず、かえって憎んでいることをするからです」(ローマ7・15)という絶望の叫びが心を刺した。
しかしイエスは、十字架と復活によって「死の壁」を取り壊してくださった。ここに私たちの希望と救いがある。
「私たちの主イエス・キリストを通して神に感謝いたします。」(ローマ7・25)
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