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2012年 12月 1日発行 No534 

来てくれて ありがとう

                            金田 佐久子

 言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。 (ヨハネ1・14)

  被災地でのボランティア
 今年の10月10日から12日まで、休暇を使って、東日本大震災被災者支援のボランティアとしてワークをしてきました。日本基督教団東北教区被災者支援センター・エマオでお世話になりました。わたしは津波の被害を受けた仙台市若林区でのワークに加わりました。20人程の方々が集まっていました。数名のグループに分かれて、それぞれのお宅や畑など作業する場所に向かいました。そのときのワークの主な内容は、収穫の終わったトマトやキュウリやナスを片づけたり、雑草をとったり、堆肥を運んだりという軽作業でした。エマオのボランティアは効率ではなく「寄り添い」「スローワーク」を大切に、とのことで、不慣れで手つきもおぼつかなかったのですが、安心して作業し、交流を大事に過ごしました。

  「来てくれて、ありがとう」
 たった3日間のワークでしたが、ワークの間は、お宅の方との交流をしながら過ごせました。震災や津波の体験、その後の日々のことなども伺うことができました。ボランティアの方々との出会いもうれしいことでした。お互いに自己紹介をしました。川口から仙台は、新幹線を使えば仙台は遠くないと思いますが、中には、奈良、島根、また山口からいらした方があり、驚きました。
 迎えてくださったお宅の方が「そんなに遠くから来てくれて、本当にありがとう。自分が逆の立場だったら、ボランティアに行くかなあと思うと…。ありがたいね。ありがとう」と言ってくれました。さらに海外からも、台湾の方々が大勢来てくれた時のことなども分かち合ってくれました。
津波の被災がなかったなら、恐らく会うこともなかった人たちと出会えた不思議さと、共に楽しく過ごすことができた喜びをかみしめた3日間でした。

  神はわたしたちのところに
 クリスマスが近づいてきています。人となられた神、救い主イエス・キリストのお生まれを喜び祝うクリスマスです。
 ボランティアをしていたときに聞いたあの言葉「来てくれて、ありがとう」は、わたしたちが主イエスに告白する言葉ではないか、と思わされました。罪と死の闇の中でどうすることもできなかった人間を救うために、キリストはお出でになりました。神が人となって、お生まれになりました。キリストはわたしたちを愛し、わたしたちの罪のため十字架に命をささげてくださいました。キリストは死に打ち勝ち、今も生きておられます。わたしたちはこの方を信じることによって罪の赦しと永遠の命をいただけます。「ありがとう、イエスさま、来てくださって。本当に、ありがとう!」。

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