田中浩也さんを囲み建築あそびその6

         2001年 8月 4日 BOX1 にて
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t:今までの話とはチョット違って、サイバー三宅島プロジェクトとご存じの方いらっしゃいますか・・

s:絵が噴火してんの・

t:一年前に全島避難になったんですよ。
i:インターネット上で住んでた人が話したりするとですか・・

            

t:そうなんですよ・・確か通産かな、三宅島の住人にラップトップコンピューターを全員に配ったんですよね・・で、そこでメールの利用方法とかも全員にしっかり教えた。・・たんですよね・・そのプロジェクトに僕は関わっていたんですけども・・。インターネット上にもう一個三宅島を作ってしまえという話だったんですよ
 メーリングリストをたてて、そこでお互いに、最近こうだとか・・最近こんなことやってるという情報交換が出来るような体制というのを、日本国が率先して作ったんですね・・これはまー今までの震災の対応の中では極めて優れていたと思っていて、結局日本のいろんな所に三宅島民が・・バラバラになってしまったんですよ。普通だったらお互いになんにも連絡を取れなくなってしまうモノを、全員にパソコンを配って、メールの使い方まで、週一回ぐらい教えてあげたと。おじいさんとか・・年寄りが多かったンですけど、それでお互いに連絡がとれるように成って。ずーっと三宅島という存在は今でもそのまま生きていると。で、お互いに連絡を取っていると。
 
もう避難から一年経ったんですけども、ジャいまから三宅島をどうやって復興しようかみたいなことを考えを・・みんな色んな意見をドンドンドンドン連絡を送ってくれていて、これは今までになかったなと思うんですよね。こういうような使い方って・・いいなーと僕は思ってまして。
 阪神大震災の時はまだインターネットが普及してなかったので、ここまではやってなかった。こういうことを無償で日本国がやり出してということに感銘を受けましてですね。率先してジャこのプロジェクト参加させてくださいと、いいに行ったんですね。
               
 今日の話のマトメは【コンピューターの空間には2種類の意味がある】と。一個は人間の右脳をコンピューター内にもう一回再構築するための空間で、右脳とはイメージの世界であって、そういうものをコンピューターの中にもう一回作り出すことによって、逆にフィードバックされてた人間の認識をチョトづつでも置き換えていくことができるのではないかと。

もう一個は左脳性と言うことで、これが言いたいがために最後にサイバー三宅島の話を出した。【イメージの世界ではなくて実際に人間同士が付き合って行くような社会性も・・徐々に変わっていると・・その両面なんだ】と今日の僕の話では言いたかったんです。

ずれにしてもインターネットがいいなと思うのは、【そういう風なイメージをみんながそこで表現出来る様になったと】そこでみんなが発信するようになると、今までのように設計者と消費者という対立項はないんじゃないかと・・思うんですよね。利用者側も「俺はこう認識した・・こう認識した・・こう認識した」というのを出してくれれば、それはほとんどもー・・空間を作ってるのと変ん無いんじゃないかと・・言う感じがします


キーワードとしては【作る建築から使う建築へ】なんてね・・

  佐藤笑う  会場笑う

これは今日、日中住宅に招待されて、皆さん10年ぐらいですかーね。家をすごい育てるなーと感じがすごくしました

 育ててることまではすごくよくて、で次のステップというのが存在すると・・するとなんか、【もっと一般にも流通させて欲しい】と思うんですよ。だから一般のユーザーがどう建築を使っているかという情報は、ほとんど専門誌には・・もうなにも流れて来ないですね。そういう情報が流れて来ると建築のおもしろさとかですね・・そいうものが再認識されるだろうし

s:その通り

t:一般の人にたいして建築というのは面白いんだと。いうことが伝わるんだと・・
今日僕はここに来て皆さん建築好きで・・建築のことを分かってんのは佐藤さんの・・あれなんですけど、今まで僕が経験した世界の中では、どうも一般の人とは・・単に住戸としてしか思ってない・・大して建築になんか興味がないぞ、が大部分なんじゃないかと思うんですよね。

 でもそうじゃ無いんじゃないですか・・。面白いところ沢山有ってですね。そのおもしろさがまだ、今の時代社会に普及していないのですね。そこを僕は一番どうにかしたいと。それは数年で出来る問題ではないですけど。結構僕の根元的なテーマですね

空間情報科学とか空間認知科学とか・・

i:佐藤さんの、誰でもいいですけど建築を・・一年一年毎になにか・・変容ぶりをインターネットで流すとおもしろいですね・・

t:それは是非やって欲しいんですよ・・それも僕のシステムでも・・

s:・いいねー

t:例えば養老もですね・・

s:建物にカメラ何台か付けて・・   会場笑う

t:で、まー色々建築写真て問題があるんですよ。人間が写ってないとかね・・いろいろあるんですよ。この写真は1997年2月20日の竣工当時なんですよ。竣工当時の写真から、いきなり2001年に吹っ飛ぶと・・。いろんな時間の間を行き来すると。いう様な体験もこのシステムを使って、することが出来ると・・・いうもう一個の体験をする。

s:いいねー

t:ここで僕が言った、この(破次元)葉次元にはいろんな 意味を引っかけていて・・色んな時間、色んな空間、色んな人間と。色んな人間が撮った写真を撮ったものを全部ガーッとくっ付けてると。いろんな意味を込めてこの名前を付けましたと。いうことがありますね。

 それで最後だったかな・・ココから先はホントに皆さんに聞きたいですけど・・【一般のユーザーの方々の空間認識っていうものを、モットモット流通させて行くような枠組みを作るためにはどうすればいいかと・・という僕のテーマです】
 

                  

s:取りあえずおわりましょう。今度は明るくして呑みながら、その辺に付いてお
話しましょう。


            


深夜までワイワイと語り合いその場で雑魚寝
翌日は喜多方の酒蔵見学から会津観光 をへてBOx11に立ち寄り須賀川インターから東京へ田中浩也さん栗原誠さんは帰って行きました。

その後田中さんはmyHPに2の掲示板をつけてくれました。全国からの書き込みありまして、私の生活の経験(時空・空間体験)多いに変化しているのであります


田中浩也 たなか ひろや http://www.spacetimedesigns.org/

1975年 札幌市生まれ
1998年 京都大学・総合人間学部・社会環境デザイン論講座卒業
          卒業論文「建築形態の4次元デジタルデザインに関する
          研究」(日本建築学会・優秀卒業論文賞受賞)
2000年 京都大学大学院・人間環境学研究科・修士課程修了
                修士論文「高次元図形を媒介としたデジタル
                デザイニングの研究-建築・情報空間への
                応用を前提として-」
2000年 東京大学大学院・空間情報科学研究センター(博士課程)
                                  在学中
東京芸術大学・多摩美術大学・非常勤講師

専門は、空間情報科学、空間認知科学で、「人間がどのように空間
               を把握するか」という観点から、建築、
                コンピューター、認知科学、デザイン
               などの諸領域を横断的に活動。
               渡辺誠「地下鉄大江戸線飯田橋駅
               など、建築家とのコラボレーション多数。

また、ジャズ・サックス、フルート奏者としても演奏活動を展開している。

最近のプロジェクトは、現実都市とインターネットを連携した
              新しい都市記述地図作成のプロジェクト
「時空マップ」(http://www.spacetimedesigns.org/light_shadow/)

写真から3次元空間の記憶を再統合する試み
  「多次元フォトコラージュ」  (雑誌「建築文化」連載中)など。



6で終わりです
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