第1回 三大神話神楽祭り
 


第1回 三大神話神楽祭り 

 平成20年8月30日(土)淡路島のいざなぎ神宮(伊弉諾神宮)特設舞台で出雲、高千穂、淡路島の三つの神話のふるさとの神楽の第1回競演が開催されました。

いざなぎ神宮のご祭神は日本を産んでくださったいざなぎ・いざなみさまですが、残念ながら余り一般的に知られていません。神社の場所は平成7年の阪神淡路大震災の震源地津名町のすぐ傍と言ったほうが判り易いかもしれませんね。

いざなぎの命が天照大御神にすべてを任して使命を終え、隠居された幽宮が最初に産んだ淡路島のいざなぎ神宮の場所なのです。

いざなぎ神宮の本名宮司はよく「娘のほうが有名(伊勢の天照大御神)だからなぁ〜〜(^o^)丿」と冗談を言われますが、芸能界でもこのパターンの親子関係はちらほら・・・見受けられますね。

本名宮司は昨年、伊勢でダライラマ法王をお迎えして、第一回の世界宗教者会議を開いて大成功させるなど、とてもエネルギッシュな宮司さまです。みなさんもいざなぎ神宮に参拝された時には気さくに声をかけてみてくださいね。

大震災の時には、この神社も石垣が壊れたり、大鳥居が倒壊したりと、かなりの被害を受けたのですが、まず、人々の住居の復興が先ということで宮司様は神社の再建を後回しにして地区の復興に走りまわられたそうです。

地震から13年経ち、ようやく島の人たちも落ち着きを取り戻したので、今年、兵庫県の淡路大震災復興基金「まちのにぎわいづくり一括助成金」の補助金の援助を申請。そして、神話をキーワードにして町おこしを図っている三つの地区(出雲市、高千穂市、淡路市)の三大神楽の第1回競演を企画実現されました。

写真上は淡路に伝わる淡路神楽を舞う本番前のかわいい巫女さんたち。本物の巫女さんが、拝殿で最後のお稽古(リハーサル)をつけているところです。

近頃の都会では失礼ながら? かなり年配の巫女さんや時には茶髪の巫女さんさえも珍しくありません。

淡路島の祭礼では、今でも小学校低学年の子女が巫女として淡路神楽を舞っているそうです。全員が神妙にかしこまってお話を聞いている姿は本当に初々しくて、本番の舞台では神々しささえ漂っていました。

 
本番前の空模様

ところで、氏子さんたちの話によると、このいざなぎ神宮の祭礼は必ずといっても良いぐらい雨、昨年の薪能では終盤に大雨となったそうです。

チラシにも雨天時は拝殿で上演と明記されていました。
この日も朝から怪しい雲行きでしたが・・・やはり午後四時半の開場前に雨が降り始め、写真のように開演前の場内には傘の花が埋め尽くしました。

しかし、開演後は舞台(神楽)が見えないので携帯用のレインコートを配布しますからそれを着てご覧下さいとのアナウンスにひょっとして今回もかなりの雨になるかも? と誰もが覚悟はしたのですが・・・・。

いよいよ上演時刻が迫り、みなが傘を閉じてレインコートを羽織り始めたと同時に五時ぴったりに雨が止まり、西の空には薄く太陽が差し始めたのです!

上演に先立って神楽の解説をしてくださった民俗学の先生が早朝に「雨を午後五時ぴったりに止めてください」と、霊妙なあるご神事をしてきましたのでどうぞご安心下さいと言われたのですが、本当にその通りになりました。
きっと三大神楽の里の神々たちも力を合わせて雨を止めてくださったのかも?

ところで、いざなぎ神宮は北緯34度27分23秒の緯度上にあり、ここから見て出雲は夏至の日の入りライン。高千穂は冬至の日の入りラインに当たるそうです。また、真東に線を引くと明日香の藤原京ー伊勢神宮ー二見浦に行くそうです。

なんらかの霊ラインスポットに守られている場所なのかも?(ちなみに近つ飛鳥の我が家は(北緯34度27分)にあり、いざなぎ神宮と藤原京の間に位置しているのです)

さてさて、このようなわけで本名宮司や神社のボランティアさん、国生み太鼓を奉納された氏子さんたちもほとんどの方が雨天を覚悟していたにもかかわらず、第1回の三大神楽大会は遠く関東や九州、四国などからたくさんの観衆が参集し、最後まで雨に降られること無く大成功に終わりました。


淡路神楽・鉾の舞


いざなぎ神宮の特別の祭礼の時にのみ舞われる舞。

四人の本職の巫女がそれぞれ鉾を手にして舞う。

いざなぎ・いざなみの国生み神話を伝承する場面、鉾で泥海をかき回す所作がみられる。

 
出雲神楽・大土地神楽

天照大御神の勅命により、たけみかづち神とふつぬし神が出雲の国を譲り受けるために大国主を訪ね、いなさの浜で談判する場面。

その後、たけみなかた神が二人の神に力比べを迫り、負けて長野の諏訪まで逃げるまでの神話を神楽で勇壮に演じます。

 
高千穂神楽・岩戸開きとご神躰の舞

天照大御神が閉じこもっている岩戸を探す、たじから男の舞。岩戸の前で面白おかしく舞いを舞う、うずめの舞。岩戸をこじ開けて戸をほおり投げる、戸取りの舞。

いざなぎ(男神)といざなみ(女神)が登場し会場に下りてきて観客とじゃれあいながら面白おかしく神楽を舞い、最後には二人なかよく舞台で神酒を醸し、そのわらの中から子どもに見立てた紅白のお餅を場内に投げる、ご神躰の舞。


いずれの神楽も素朴で地元の人々の神様への感謝と愛情に溢れたものでした。
私は最前列に座っていたので、最後のいざなぎ、いざなみのご神体の舞の後に、お餅を場内に配りに降りてきたいざなみ神=おたふくさんが、にこにこした可愛い顔のお面で傍に来て私に「餅、もらったか?」とびっくりするような野太い声で聞いてくれたので、思わずのけぞってしまいましたぁ〜〜(^o^)丿

高千穂の地元ではお酒も入るので、かなりエロチックな場面があるよと真後ろの席のおじさんがそっと教えてくれました。
今年は春に出雲の石見神楽大会を一日中堪能させてもらったので、次は本物の高千穂の夜神楽を朝まで見たいなぁ〜〜!


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