むずむず脚症候群


最近、70歳の男性で「むずむず脚症候群」の患者を診察した。今までに2例の女性患者の経験があるが、男性では初めてである。

その患者さんは気管支喘息があり、近くの先生にかかっていたが、1年ほど前より下肢の“痛痒さ”が出現した。ほどなく上肢にまで広がり、次第に“痛痒さ”が強くなり、夜間眠れなくなってしまった。別の開業医の受診を経て、「夜間覚醒」の精査の目的で紹介されてきた。その先生は気管支喘息に関連があるかと思い、当院に紹介してきたようである。患者さんのお話をよく聞くと、歩行などの運動で“痛痒さ”が改善するとのことで、神経学的な異常もなく、「むずむず脚症候群」と診断した。ビ・シフロールという薬を開始したところ、少量の投与で著明に改善した。

むずむず脚症候群は「レストレスレッグス症候群」ともいわれ、最近注目され新聞などにも時に取り上げられている。主として下肢に“むずむずする”“痛痒い”“ほてる”“虫が這う”“ちりちりする”などの奇妙な違和感を訴える。床についたり、体を安静にしていると症状が強くなる。そして体を動かすと症状が弱くなったり、消失したりするのが一番の特徴である。夜間に増悪することが多く、歩くと減弱するので徘徊する患者さんもおられる。

結果として不眠になり、昼間は眠く活動レベルが下がる。女性に多く高齢になるに従い罹患率が上がる。脳におけるドパミン機能障害や鉄代謝障害が原因ではないかと言われているが、真の原因は今のところ分かっていない。いろいろな薬が治療に使われてきたが、最近、ドパミンアゴニストのビ・シフロールという薬の保険適用がとれ、よく使用されている。

このような症状のある方やご家族がいる場合は、最寄りの医師にご相談ください。


副院長 富岡 眞一