古舘 美紀 | R7.1 | |
北島 亮 | R6.10 | |
和田 壮平 | R6.10 | |
山田 秀典 | R6.7 | |
𠮷田 恭子 | R6.7 | |
森 昌朋 | R6.4 | |
石関 布美江 | R6.4 | |
茂木 健太 | R6.1 | |
笛木 直人 | R5.10 | |
田中 芳樹 | R5.10 | |
土橋 邦生 | R5.7 | |
山田 秀典 | R5.4 | |
髙嶋 美希 | R5.4 | |
中島 弘明 | R4.10 | |
片桐 マミ | R4.10 | |
桑原 武夫 | R4.7 | |
糸井 祐介 | R4.7 | |
茂木 健太 | R4.4 | |
横堀 健弥 | R4.4 | |
笛木 直人 | R3.10 | |
山田 秀典 | R3.7 | |
土橋 邦生 | R3.4 | |
中島 弘明 | R2.7 | |
桑原 武夫 | R2.4 | |
土橋 邦生 | R1.10 | |
笛木 直人 | R1.7 |
「睡眠時無呼吸症候群」という疾患をご存知でしょうか。
治療中の芸能人がいたり、交通事故との関連が話題になったりもしたので、聞いたことがあるかもしれません。30歳以上の成人では、10人中1人か2人くらいに睡眠時無呼吸症候群があると推定されています。しかし睡眠中のことなので本人が気づかず、必要な治療をしていない患者が約400万人隠れているとも言われています。
『どういう病気?』
睡眠中に気道が閉塞し、呼吸が止まる疾患です。呼吸のない時間は数十秒〜長いと数分に及び、睡眠中に何度も繰り返します。
誤解されがちですが「呼吸が止まってそのまま死んでしまう病気」ではありません。「呼吸が止まって酸素が足りないことで体に負担がかかり、ダメージが少しずつ蓄積して別の重大な病気を招く」という疾患です。実際、睡眠時無呼吸症候群の方はそうでない方に比べて、糖尿病・高血圧・心筋梗塞・心不全・脳卒中になりやすく、これらの疾患により突然死するケースもあります。
また、呼吸が止まると深い睡眠にならないため、日中の過度の眠気を来し、仕事上のミスや交通事故につながることもあります。
『どういう人がなりやすい?』
原因として多いのは肥満です。舌や首についた脂肪が気道を圧迫するためです。ただ、アジア人の頭部骨格は欧米人と比べて気道が狭くなりやすい造りのため、肥満でない患者さんもいます。
加齢や寝酒も原因になります。のどには気道が塞がらないよう支える筋肉がありますが、加齢や飲酒によりこの筋肉の力が落ちるためです。一部の睡眠薬もこの筋力を弱め無呼吸を招くことがあります。
また、女性より男性のほうがなりやすく、女性では閉経後のほうがなりやすいです。これは女性ホルモンの働きが関係しています。
『受診のめやすは?』
次のような場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
・睡眠中のいびきや呼吸停止を指摘されたことがある
・夜寝ているのに日中もひどく眠い
・十分な睡眠時間をとっても、朝起きたときに頭痛や疲労感がある
・不注意による仕事上のミスや交通事故を繰り返している
当院では検査や治療を行っています。心配な症状がある方はご相談ください。
※この記事は睡眠時無呼吸症候群の中でも大多数を占める「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」について記載しています。神経疾患や心不全などが原因の「中枢性睡眠時無呼吸症候群」には当てはまらない部分もあります。
胸の中で肺を包む胸膜腔という場所があり、正常ではごく少量の液体があります。気胸とは、この胸膜腔中に空気がたまる状態です。気胸になると、胸膜倥にたまった空気に肺が圧迫され、息を吸っても肺が広がりにくく呼吸がうまくできなくなります。レントゲン検査を行うことで診断します。
気胸の症状としては、突然の胸の痛みや呼吸の苦しさが一般的です。ただし、個人差があります。胸の痛みの強さも激痛のことから無症状のことまでありレントゲン検査で初めてわかることもあります。息苦しさ強さに関しても、気胸の大きさや発生速度などにより変わり、無症状のこともあります。
最も多い原因は自然気胸であり、肺の表面から空気が漏れ出すことにより起こります。自然気胸は、健康な人に突然起こる原発性自然気胸と、肺にある何らかの基礎疾患により起こる続発性自然気胸に分類されます。自然気胸は10-30歳代と60歳代の二峰性で多く発症します。
原発性自然気胸は、典型的には10-30歳代の背が高く、やせ形の若年男性に多く起きると言われています。原発性自然気胸は、肺の上の方にブラと呼ばれる空気のたまった袋ができ、破れて肺の表面に穴が開き、肺の空気が胸膜腔に入ることが原因と考えられております。
次に60歳代の人に多く発症し、高齢の方の場合は喫煙者に多く見られ続発性自然気胸が多くなります。 続発性自然気胸は、慢性閉塞性肺疾患、肺癌など様々な原因により起こります。これらの疾患により肺に穴が開き、空気が肺の外に漏れることにより気胸になります。肺の基礎疾患によっては、難治性になることがあります。
また、女性の方では、稀ですが月経随伴性気胸となることがあります。閉経前の女性で月経に伴って気胸が発生します。原因は胸腔内子宮内膜症であり、子宮内膜組織が胸腔に移動することや、血管を詰まらせることによるものであると考えられております。
自然気胸の治療についてです。軽度の気胸なら安静にしているだけで肺に開いた穴は自然と閉じて改善することが多いと言われています。漏れた空気は血液に溶けて次第に消失しますので、通院してレントゲン検査で経過観察のみを行います。
漏れた空気が多い場合は、胸の外から胸腔内に針を刺すことや、胸腔内にチューブを入れて胸膜腔内の空気を抜く必要があります。この場合、気胸の再発率は高いと言われており、注意が必要です。再発時や空気の漏れが止まらない場合は、チューブから胸膜の癒着を起こす目的で血液や薬を入れて胸膜を癒着させる治療、手術で穴を塞ぐ治療が行われます。患者さんの状況と治療法の特徴を総合的に考慮して治療の選択はされると思われます。
当院では金属系器具類(鑷子、ハサミなど)、布類(術衣、鑷子カバーなど)、樹脂・ゴム製品を使用後、滅菌を行っています。
滅菌とは…全ての微生物を対象として、それらを全て殺滅または除去する方法です。理論的には微生物の生存確率をゼロに近づけることです。
種類…「エチレンオキサイドガス滅菌(EOG)」と「高圧蒸気滅菌(AC)」があります。EOG滅菌は低温で滅菌できるため、加熱による材質の変化がありませんが、滅菌時間が長く残留毒性の強いガスであるため、安全な値まで低下させなければなりません。AC滅菌は高圧下で高温の水蒸気を使用して滅菌します。水蒸気を用いるため毒性がないというメリットもありますが、滅菌対象が熱に耐えられなければなりません。機種によっては液体の滅菌も可能です。院内で実施しているのがこちらです。
確認方法…「化学的インジケーター(CI)」と「生物学的インジケーター(BI)」という2つの指標を使います。CIは工程により、変色・変質し肉眼的に滅菌できたかを判定します。BIは滅菌に対して抵抗性が強い細菌芽胞を使い、滅菌物が滅菌保証されていることとオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)の性能確認のために使用されます。
有効期限…滅菌物をより安全な状態で使用するために、あらかじめ設定した期限のことで、当院は3か月で表示しています。
また消毒とは、人体に対する病原微生物を殺滅、または目的とする対象微生物だけを殺滅することです。対象微生物の感染性を選択的になくし、他の微生物は感染を起こさないよう菌数を減少させることです。
当院では、1日4回滅菌を実施しています。1回の滅菌に機械の冷却時間を含め2時間弱かかります。滅菌を始める前に、消毒、洗浄、乾燥、パック詰め等準備をした後、ようやく滅菌にかけることができます。機械相手なので何があろうが待ってはくれない、1日座る事のできない事務仕事です。
そんな地下住人のはなしです。
「はしか」という名前は誰しも聞いたことがあるとは思いますが、インフルエンザや新型コロナウイルスのように普段特別意識することはない感染症かと思います。本年3月に国内で麻疹感染者が出たことがニュースになりましたが大きな感染拡大には至らず、4月以降はニュースになることもなく経過しています。数年に一度はこのようなニュースが散発的に聞かれますが新型コロナウイルスのように全国に感染拡大しないことは幸いです。そのためか、特に若い年代の方々には麻疹は怖い感染症であるという認識はないと思われますが、歴史上麻疹は天然痘と同等かそれ以上の恐ろしいウイルスとして、人類に大きな影響を与えてきました。
麻疹は紀元前3000年以上前に中東で定着したことが起源とされ、1492年にコロンブスが新大陸に到達、16世紀にスペイン人らがカリブ海、メキシコ、中米に移住したときに麻疹ウイルスを持ち込み、免疫のない先住民の間で広がり多くの人を死亡させ人口を激減させたと言われています。また日本でも江戸時代には13回の大流行で多数の人間が命を落とし、かの徳川綱吉も麻疹で亡くなったとされています。そのため昔から「疱瘡(天然痘)は器量定め,麻疹は命定め」と言われてきました。近代日本でも1980年代までは毎年100人弱の方が死亡していました。
麻疹は空気感染でも広がるためインフルエンザの6~7倍の感染力があり、約10日間の潜伏期を経て発症します。強い感冒様症状(咽頭炎、気管支炎、結膜炎症状)とその後の特徴的な発疹を経て10日程度で回復期となりますが、肺炎、脳炎、中耳炎、心筋炎などの合併症を発症する方が一定数おり、医療が発達した現代でも麻疹に対する特効薬はないため対症療法をしながら治癒を待つしかありません。現在でも麻疹を発症するとおよそ1000人に1人は命を落とすといわれています。
ある程度の年齢以上の方は直接感染して自然免疫を持っている方もいますが、現在麻疹にかからない対策としては、感染する前にワクチンを打ち免疫を獲得しておくしかありません。麻疹ワクチンを2回接種することで99%以上の人に免疫ができるとされています。日本では定期接種として1歳時期に1度目、小学校就学前の1年間に2度目のワクチン接種をしていますが、この定期接種制度は1978年から開始されたため1972年以前生まれの方は1度も接種していない可能があります。また現在の2回接種となったのは2006年以降であるため2000年4月以前生まれの方はワクチンを1度しか接種していない可能性がありますが、特例措置として2回接種している方もいるため一概には言い難く、御自身の母子手帳で接種歴を確認してみてください。2回のワクチン接種歴がなく麻疹に対して免疫があるのか、追加でワクチン接種を行う必要があるのかどうかは、自己負担にはなりますが血液検査で抗体価を確認し判断しますので、心配な方は御相談ください。麻疹ワクチンを希望される方は、感染拡大のニュースが出てくると、希望いただいても納入困難となることが多いため、予め落ち着いている時期に接種しておくことをお勧めします。
“側弯症とは、背骨が横に曲がるのみでなく、ねじれもともなう変形のことをいいます” (日本側彎症学会HPより)
“立った姿勢で後ろから見て、肩の高さに左右差がありますか?”
新学期に行う学校検診で、このような項目があったのを覚えている方もいると思います。
私は学校検診ではなく、風邪で小児科を受診しレントゲンを撮り、側弯症が分かりました。進行予防の為コルセットを着ける必要がありましたが、予想以上に硬くて重く、学校生活を送る上でとても不便でした。
その後、大きな進行も自覚症状も無く経過。成長期を過ぎ、コルセットを着ける必要や定期的な受診も必要無くなり、肩の高さの左右差が分かる位で、それほど気にせず生活していました。
ところが30年経過し、腰や背中に衝撃が走る程の痛みが出てきました。仕事柄、腰痛は仕方ないと思っていましたが、足も痛いことや、腰より背中の痛みの方が強いこともあったので他の病気も心配になり受診。脊椎専門の医師に診てもらうと、痛みの原因は側弯症で「こんなに角度があるのに、(側弯症の)手術をしなかったんですか?」と言われました。
昔は、思春期特発性側弯症は成長期が過ぎれば進行しないと聞いていましたが、今は、成長期が終わっても脊柱変形の進行が止まるとは限らないことが分かっているそうです。私の場合は、成長期が終わった頃は手術が必要な程ではなかったのですが、いつの間にか必要な程に変形が進んでいました。医師に手術を勧められましたが、リスクを考えると「手術します」とは即決できず、近くの整形外科で経過観察することになりました。痛みの原因が分かり、少し安心しました。
側弯症は、特発性という原因不明のものが80~85%。進行する時期や程度も様々で、歩けない程に進行することもあれば、コルセット着用の必要もない程軽度で経過する場合もあります。
側弯症と分かった方は、専門の医師から最新の情報を得て、その人にとって良い選択ができ、前向きに生活できるようにしてほしいと思います。
《 Q, 質問 A, 答え 》
Q-1:成人で発症するDMはどんな状態からおこることが多いのですか?
A-1:DMには1型DM(小児期発症でインスリン枯渇)と、2型DM(インスリン欠乏からインスリン抵抗)があります。成人で発症するDMはほとんどが2型DMであり、過食と運動不足による肥満(特に内蔵脂肪型肥満)や脂肪肝を認めます。つまり、2型DMは軽度の耐糖能低下を示すprediabetes (前糖尿) から発症する事が多いので、運動と適切な食事指導はDM治療の根本です。
Q-2:DMの合併症について教えてください。
A-2:DMの合併症には細小血管合併症と大血管合併症があります。DMの治療を怠っていると、前者では透析を行うことになるDM性腎症や、失明となるDM性網膜症、左右対称の下肢抹消のピリピリ感を伴い下肢指が腐ってしまう末梢神経炎があります。また、後者では半身不随となる脳血栓症が起こり、浮腫が来る心筋梗塞、及び下肢切断に至る大血管閉塞症が起こってきます。つまり、DMが発症しても、治療せずに放置していると、全身の血管機能がダメージを受ける、全身病となります。
Q-3:細小血管合併症として、DM性腎症が話題を呼んでいますが、その治療の目安となる値などがあったら教えてください。
A-3:DMがあり、推算糸球体濾過量(eGFR mL/min/1.73m2)の値だけが低下する群、蛋白尿が顕著な群、並びに両方が存在する群があります。 eGFR は70~80 以上が好ましいのですが、最低60以上を目指します。60未満では慢性腎臓病となり、心臓や脳血管の合併症のリスクが高くなります。また、蛋白尿は尿中アルブミン値で示し、その値が 30 mg/g・Cre を超えると腎臓組織に障害がある事を示しており。これらの値が治療の目安となります。
Q-4:DM性腎症の人で薬物に依存しない生活環境について教えてください。
A-4:食事療法として、eGFRが慢性に低下する場合では食塩を取りすぎない様にします。また蛋白尿が目立つ人では、低蛋白食とします。 また、注意が必要なDM性腎症には2種類あります。 まず発症が急激に起こり、eGFRも急激に低下する場合です。それは、インフルエンザなどに罹患した後に起る高熱時や、嘔吐下痢でおこる急性胃腸炎などがあり、また炎天下での長時間に及ぶスポーツの前後などで水分補給をしない場合(熱中症の一部です)などで起こります。この際は、確実な水分補給をするために、通常の飲水量に加えて、点滴で補給する場合があります。 一方、慢性に経過しeGFRが徐々に低下する場合があります。この様な方では通常の飲水に加えて毎日1.0~1.5 Lの飲水量を増やしても、eGFRの低下を抑制できないことが最近の大規模臨床試験からわかってきました。もっとも、飲水量を増やすことで食事を摂取する量の減少に役立ち、体重減少を目指す、肥満関連腎症の治療の一部に役立つ可能性はあります。 慢性的にeGFRが低下するDM性腎症の人では、まずDMの治療の目安であるヘモグロビンA1c が7.0 %未満となる様に治療の工夫をし、高血圧の合併する腎硬化症では血圧の管理を厳密におこなう事が重要となります。
Q-5:DM性腎症の人に対する現時点での、薬物療法を教えてください。
A-5:新しい薬物を服用する前に、腎機能障害を起こす薬物を中止する事が大切です。例えば、高脂血症治療剤のフィブラート系薬や胃酸分泌低下を示すPPI剤では腎機能障害が起こることがあります。また抗DM剤であるメトフォルミンはeGFRが30以下では、その副作用の発現頻度が増加するので、服用を中止します。一部の鎮痛薬も腎機能を低下するので、服用は中止です。 DM性腎症で、eGFRが著明に低下していても、eGFR が治療開始時点で20以上を示す際は、抗DM剤であるSGLT-2阻害剤を服用することがあります。また尿蛋白が顕著なDMでは、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬があります。
Q-6:お医者さんは、日本はおろか、世界中の医学情報に常に目を光らせて勉強して行くのは大変ですね。
A-6:医学の進歩は日進月歩であり、より良い診療を行うために、医師は常に one step up を心がけて医学の情報を得ています。幸い、本病院には、その道を専門とする専門家が集まっているので、お互いの医学情報の交換などを盛んに行なって、常に自己の診療のレベルアップを心がけています。
より良き診療を行う上では、患者さんと医師との信頼関係が重要です。
DMの合併症の克服にむけて、一緒に頑張りましょう。
私たちが、病気や怪我をして医療機関に受診するとき、必ず保険証の提示をします。提示することによって医療費の自己負担が1割~3割になります。また、お住まいの自治体によっては高校生以下のお子さんや体の不自由な方などは医療費がかからなかったりするでしょう。それ以外にも手術などで入院加療が必要だったりする事もあります。そんな時私たちは医療保険を使います。
約6年前、私に卵巣嚢腫が見つかり、薬を飲んで腫瘍を小さくする治療をしていましたが、中々効果が得られず将来の事を考えて手術で取り除く決断をしました。約2週間の入院でその間は仕事ができませんでした。
その時に役にたったのが限度額適用認定証です。この認定証を医療機関に提示することで自己限度額を超える分を窓口で支払う必要がなくなります。私は、加入している保険者に申請をして事前に限度額適用認定証を発行しておいたことによって2週間分の入院費を抑える事ができました。今ではマイナンバーカードを活用する事で認定証を用意する必要がなくなっています。
それに加えて生命保険の保険金を受け取ることができたので2週間働けなかった分と入院費の出費をかなり軽減できました。
その後すぐ実家の祖母が自宅で転倒し大腿骨を骨折。救急搬送でそのまま入院になり、骨折部にボルトを入れて固定する手術と数カ月のリハビリを重ね無事に自宅に戻ることができましが、以前のように生活するのが難しく、介護保険の申請をする事になりました。ケアマネージャーさんの協力のおかげで介護認定を受け、生活に必要なベッドや手すりを借りることができて週3回のデイサービスにも通いながら88歳の祖母は元気に生活しています。
このように振り返ってみると私自身や家族に何かあった時に活用できる保険が色々ある事を医療事務として働いていて身近に感じるようになりました。今後もさまざまな保険に触れていきながら今の生活を負担なく過ごして行ければいいなと思います。
先日、歌手の大橋純子さんが亡くなりました。食道癌でした。
年配の方ならご存知かと思いますが、「たそがれマイラブ」や「シルエットロマンス」などのヒット曲があり、紅白にも何度か出場されています。
他にも食道癌になったことを公表した有名人は、桑田佳祐(サザンオールスターズ)、なかにし礼(作詞家)、中村勘三郎(歌舞伎役者)、立川談志(落語家)、やしきたかじん(歌手)、秋野暢子(女優)、など多数います。
食道癌は年々増加しており、日本全国で毎年26000人以上(2019年)が罹患し、10000人以上が亡くなっています。男女比は4:1と男性、特に60歳以上の男性に多く見られます。
1)食道癌の原因
食道癌の最も大きな原因は、飲酒と喫煙と言われています。アルコールが体内で代謝されてできる「アセトアルデヒド」が発がん性物質として知られています。少しのアルコールで顔が赤くなる人は、この「アセトアルデヒド」を分解する酵素の働きが弱いため、このような人が無理して飲酒を続けると食道癌のリスクが高くなります。また、タバコの煙は発がん性物質をたくさん含んでいます。タバコの煙を周囲の人が吸い込んでしまう受動喫煙も注意が必要です。
2)食道癌の診断と治療
初期の食道癌はほとんど症状がありませんので、早期に発見するには健診や人間ドックで内視鏡検査を受けることが重要です。ただ、初期の食道癌であれば内視鏡治療で治すことができます。
癌が進行すると、熱いものを飲み込んだ時にしみる、痛みが出る等の症状が出るようになります。さらに進行すると、食事がつかえる等の症状が出てきます。
進行した食道癌の治療としては、手術や化学放射線療法などがあります。
手術は、食道を切除してしまうため、胃を引っ張り上げたり、腸を切り取ってきたりして食道の代わりにしなければなりません。(食道再建術)また、頚部食道癌の場合は声帯を切除することがあり、声が出せなくなります。食道癌の手術は負担が大きいので、抗癌剤と放射線照射を組み合わせた化学放射線療法を選ぶ人も多くなっています。
前橋市の健診による上部消化管内視鏡検査は、これまでの毎年から1年おきになってしまいました。上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は楽な検査ではありませんが、2年に1回5分程度(1051200分のうちの5分)我慢すれば食道癌・胃癌を早期に発見することができます。日本内視鏡学会の指導医・専門医のいる病院なら安心して検査を受けられますので、皆さんもぜひ受けてください。
『コロナ増えていますね』
2023年9月の時点でこの文章を書いていますが、COVID19の患者数がかなり増えています。地域のコロナ病床も逼迫してきました。でも、その割に報道ではあまり騒がれない印象です。直接的にコロナ肺炎で亡くなる人が少なくなったためでしょうか。みなさん慣れたのか、落ち着いて日常を過ごしているように思います。病院以外でマスクをしている人は少なくなりました。感染対策は時と場所に応じて適切に行うこととなり、各人の判断にゆだねられました。このまましばらくの間COVID19が社会に蔓延した状態になりそうです。そうなると、多くのワクチン接種済みの健常者はかぜ症状程度で済むでしょうが、高齢者や乳幼児、基礎疾患のある人は合併症の重症化に注意が必要です。またワクチン未接種の人はウイルス性肺炎の出現が心配されます。
『コロナウイルス性肺炎』
新型ウイルスの初回感染時の最も危険な症候としてウイルス性肺炎があります。レントゲン写真では淡い影が主体ですが、重い呼吸不全となります。COVID19でも流行初期にはウイルス性肺炎~呼吸不全で大勢の方が亡くなり、人々を恐れさせました。当院でも当時はこの肺炎に遭遇することがしばしばありましたが、ワクチン接種のおかげか、最近ではほとんどみかけなくなりました。このままコロナウイルスが致死的な疾患ではなくなることを願っていました。しかし、先日久しぶりに典型的コロナウイルス性肺炎の患者さんに遭遇しました。コロナワクチン未接種の患者さんでした。幸い抗ウイルス薬とステロイド投与で軽快されました。
『ワクチン接種』
コロナウイルスは変異を繰り返しながら流行が続いていますが、オミクロンXBB株に対してこれまでのワクチンによる感染予防効果は不十分になっていたそうですが、今後はオミクロンXBB対応ワクチンが使用されるので感染予防効果もある程度期待されます。秋・春のシーズンごとの接種になるそうです。
ワクチン接種による効果は、
①初感染特有の致死的なウイルス性肺炎を起こさなくなる
②感染を防ぎ流行を抑える
ということであると認識しています。②の効果はウイルス株の変異などにより不確実ですが、①の効果はある程度の変異があっても有効であると思われます。
ワクチン未接種の人が初回感染したときはウイルス性肺炎になる危険性があり、注意が必要です。一方でワクチン接種後に重い副反応が生じることがあるため、接種はあくまでも任意となっています。未接種でまだCOVID19に感染していない人は今からでも接種を検討されてはいかがでしょうか。
医療機関から発行される処方箋には使用期間があるのをご存知でしょうか?
近年、国民から行政相談を受け付けている総務省行政相談センター(全国50か所)において、処方箋の使用期間に関する行政相談が寄せられています。
行政相談の概要としては、処方箋の使用期間について知られていないケースがあるため、周知してほしいとのことです。
処方箋の使用期間については「保険医療機関及び保険医療養担当規則」(昭和32年厚生省令第15号)第20条において、原則として4日以内と規定されており、併せて、長期の旅行等の特殊な事情がある場合には、この期間を延長又は短縮できる旨が規定されています。
「4日以内」でご留意して頂きたいことは、発行日を含めての4日間であることです。
例えば1月1日に発行された処方箋は1月4日まで有効ということになります。また、4日間の中には土日・祝日、年末年始やゴールデンウィークなども含まれています。4日間では薬を受け取れない場合には、診察時に事前に医師に相談して頂くことで使用期間を延長することも可能です。(※長期の旅行等特殊な事情があり、医師や歯科医師が処方箋に別途使用期間を記載した場合には、その日まで有効になります。)
処方箋に使用期間が定められている理由は、4日あれば土日をはさんでも薬を受け取れる可能性が高いことと、診察を受けてから時間が経過すればするほど必要な治療が変わってくる可能性が高くなるためだと考えます。
処方箋の使用期間が原則として発行日を含め4日間であることについてご理解いただければ幸いです。
非結核性抗酸菌症と聞くと何か難しそうな名前ですが、非結核性抗酸菌により起こる病気です。抗酸菌には、皆さんのよく知っている結核菌が含まれますが、結核菌とらい菌以外の抗酸菌が非結核性抗酸菌です。この病気は、肺におこりやすく、進行が通常はゆっくりしていて、症状もほとんどありません。咳や血痰などの症状が出た時には、かなり進行していて、肺組織の破壊が進んでいることがしばしばです。今回は、肺の非結核性抗酸菌症についてお話します。
病因
非結核性抗酸菌は土壌や水中(貯水槽や浴室など)や塵埃などの自然環境中に広く存在しています。菌を含んだ埃や細かい水滴を吸い込むことにより感染すると考えられていますが、まだ十分わかっていません。ただ、ヒトからヒトへ感染することはないとされています。非結核性抗酸菌症の約90%を引き起こすのは、非結核性抗酸菌のうちのマイコバクテリウム・アビウムとマイコバクテリウム・イントラセルラーです。この2つをまとめてマイコバクテリウムアビウムコンプレックス(MAC:マック)と呼びます。
かかりやすい方
病気や免疫を抑える薬で免疫力の落ちている人、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)やじん肺など肺に病気がある人です。一方で、基礎疾患のない中高年女性(特にやせた方)の発症が、最近増えていて大きな問題となっています。
頻度
近年、我が国でも世界的にも増加しています。わが国では、2007年には、人口10万人当たり5.7人でしたが、2014年には、14.7人と2.6倍に増え、結核を抜きました。
症状
多くは症状がなく、健康診断や人間ドックの胸部X線検査で異常を指摘されて発見されます。進行すると咳、痰、血痰が出現し、発熱、全身倦怠感、寝汗などがみられることもあります。さらに進行すると呼吸困難、体重減少をきたします。
検査
胸部のX線検査やCT検査で、特徴的な画像を確認することができ、さらに痰の検査で菌が2回以上検出されるなどすれば、確定します。その際、症状の有無は問いません。MACであれば、PCR法が有用ですし、MACに対する血中抗体を測定する補助診断も用いられています。
治療
診断してもすぐに治療になるとは限りません。個人差があり、短期間で進行する例もあれば、長期間安定して変化のない場合もあります。治療開始時期の明確な基準はなく、年齢、症状、画像、臨床経過などから総合的に判断します。また、菌種によって治療方針が異なるため、どの菌か確定することが重要です。薬による治療の目標は、肺結核と同様に、痰中の菌の陰性化、胸部画像上活動性を示す所見の消失です。治療は、多種類の薬を長期間(1年以上)内服しますので、副作用のチェックも必須で、定期的に検査を受ける必要があります。痰中の菌の陰性化後、1年以上は治療を継続します。いったん菌が陰性となり治療終了した後に再発することもまれではないので、治療後の経過観察も長期に行います。再発すれば、再治療となります。なお、2021年、難治性の肺MAC症に対して従来の薬物療法で効果不十分な方に対してリポソーム化アミカシン吸入療法が新しく使用可能になりました。この病気は、数年から10年以上と長い年月をかけてゆっくり進行する病気ですし、治療期間や観察期間も長期にわたりますので、主治医とよく相談しながら、長く付き合っていく心構えが大切です。
早期発見のため
初期には、ほとんど症状がありませんので、健康診断や人間ドックを定期的に受けることが、早期発見につながります。
日常生活での注意点
どこで感染したか経路が分からない場合がほとんどなため、今のところ確立した予防法はありません。非結核性抗酸菌は身の回りに普通に存在する菌で、特にMACは温水中や土壌に多く生息し、風呂場や加湿器、園芸で使用する腐葉土などから検出されます。水源の衛生状態をきちんと管理し、風呂掃除や園芸をする際にはマスクを着用し、微細な水滴を吸い込まないようにしましょう。また、過労など無理が続くと病気が悪化しますので、この病気をお持ちの方は、食事、睡眠、運動を十分とり、強いストレスなどは避けましょう。
ここ1年の間、鳥インフルエンザの発生とそれに伴う家禽(かきん:肉・卵・羽毛などを利用するために飼育する鳥の総称)の殺処分のニュースを聞くことが多くなりました。「家畜伝染病予防法」という法律があり、養鶏場などで1羽でも鳥インフルエンザ感染している鶏がみつかるとその農場で飼われているすべての鶏を殺処分しなければならなくなり、群馬県でも今年になり数十万羽の採卵鶏が殺処分されています。何故鳥インフルエンザはこのような大がかりな対応をしなければならいのでしょうか。また我々が感染することのある季節性インフルエンザとはどのような違いがあるのでしょうか。
鳥インフルエンザは高病原性と低病原性に分けられ、高病原性インフルエンザは感染した鶏の75%が10日以内に死亡し、また周囲に広がりやすいという特徴があります。他の養鶏場に蔓延してしまえば鶏肉や卵の安定供給に影響がでてしまい、感染した鶏の糞や唾液からヒトを含めた他の動物へ感染が広がる可能性もでてくるため警戒が必要となります。低病原性でも高病原性に変異する可能性があるため、病原性にかかわらず全て殺処分することとなっています。
そして高病原性鳥インフルエンザはヒトへ感染した場合は致死率が非常に高く、新型コロナウイルス感染症と同様の指定感染症2類に位置付けられています。H5N1タイプの高病原性インフルエンザは2003年11月から2023年1月までの約20年間の間に世界全体で869人感染し52.6%にあたる457人が死亡しています。季節性インフルエンザの致死率は0.01~0.05%、新型コロナウイルスも当初は5%を超える致死率でしたがオミクロン株では0.1%程度まで低下していますので、それらと比較するといかに怖いウイルスかということが分かるかと思います。感染した場合はインフルエンザ症状から重症肺炎に移行し、呼吸不全で死亡するケースが多いとされています。ウイルスを持つ鳥と濃厚接触した場合に感染することがあるとされていますが、幸い日本ではまだ高病原性鳥インフルエンザに感染した人はいません。しかし、これだけ周囲で鳥インフルエンザのニュースがでてくる現在では注意するべき感染症の一つとなります。
自治体も緊張感をもって鳥インフルエンザの対応をしているため、鳥インフルエンザが発生した飼育農場の鶏卵がスーパーに並ぶことはなく、もし鳥インフルエンザに感染した鶏肉や卵を摂食したとしてもそのことで感染した事例はないとされていますが、感染予防として以下のことが推奨されています。
私達は新型コロナウイルスでパンデミックを経験しましたが、これからも種々の感染症の脅威にさらされて生きていく時代となるのかもしれません。病気やウイルスを正しく理解し、正しく恐れ、対応していくことが必要となります。
病院には、法律上設置することが義務付けられているものも含めて、多くの委員会が設けられています。そのため当院にも委員会が設置されています。各部署より職員が配置されているので、多職種で構成され、横のつながりのある組織として位置づけられています。
私は医療安全管理委員会に所属しており、配属部署である外来で医療安全に関する情報を職員に共有してもらう役割の一部を担っております。
医療安全とは、医療におけるトラブルを未然に防止し、安全な医療サービスを提供できる状態を作る取り組みのことです。その最大の目的は、患者さんの安全・安心を確保することにあります。それと同時に、医療従事者の安全を守ることも含まれています。医療現場だけの話ではありませんが、事故はいつでも起こり得ることです。また、人はミスをする生き物であることから、ヒューマンエラー(人の行為により、意図しない結果が生じること)が起きる可能性があります。誤認識、失敗、不注意などでエラーが起こった時にどのように対処するか、また今後はどのように防止していくかの対策を講じる必要があります。そのため医療安全管理委員会では各部署で発生したエラーの情報を集め、対策を検討しています。一度発生したエラーを今後起こさないように、新しいルールの作成や、それに沿ったマニュアルの変更の提案を行っていますが、毎日様々なことが起こるのが現実です。重大な事故が起きることは少ないものの、何かとエラーは起こりがちです。定められたルールから逸脱することもその一因となっています。
「重大な事故の陰には29件の軽い事故があり、さらにその背景には300件のヒヤリ・ハットが存在する可能性がある(ハインリッヒの法則)」と言われています。軽微なエラーでも大きなことにつながる可能性がありますので、必要な手順は惜しまず、確認を重ね、安全に日々の業務にあたりたいと思います。
従来、慢性肝疾患の主因であったウイルス性肝炎は、抗ウイルス薬の進歩等により急速に克服に向かっています。一方で、全世界的な肥満、生活習慣病人口の増加に伴い、非アルコール性脂肪性肝疾患 (non-alcoholic fatty liver disease : NAFLD)/非アルコール性脂肪肝炎 (non-alcoholic steatohepatitis : NASH)が急増しています。本邦において、成人検診者の約30%に脂肪肝がみられ、さらにNAFLD/ NASHを背景とした肝癌の割合が着実に増加しています。
NAFLD/NASH診療ガイドライン2020:日本消化器病学会 によると、以下の証拠(エビデンス)があります。
NAFLD/NASHの治療の基本は、食事・運動療法による減量療法で、薬物治療に関しては、十分なエビデンスを有するものが乏しい現状にあります。
そこで、運動療法について簡単に述べてみます。
運動療法とは、運動を行うことで障害や疾患の症状の改善や予防を図ることです。
身体をよく動かし、運動を行っている人は、総死亡率が低く、虚血性疾患、糖尿病、高血圧、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどにかかる割合も低いことがいわれています。
運動療法の種類には、有酸素運動、無酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチングなどがあります。
運動療法の目的として、以下のことがあげられます。
運動療法にはリスクも伴い、疾患によっては禁止・制限される場合もありますが、医師との相談の上で適切な運動療法を始めてみることをお勧めします。
今日、退院後も身体麻痺や認知機能に障害を残したまま療養生活を余儀なくされる人も少なくありません。国や地方自治体が在宅療養を進めるなか、自宅での生活を望まれる方も増えています。在宅療養のメリットとしては、ご自身の住み慣れた環境で家族と一緒に生活し、衣食住のリズムを整えながら、治療を受けたり療養することで、精神的な安らぎを持てるようになることがあります。
それには療養者ご自身がどこまで自立した生活ができるか、ご家族がどこまで支援できるかを把握し、互いに協力しあいながら生活して行ける環境を整える必要があります。そうした人々の在宅生活がうまく行くためには、十分な介護力があるかが重要なカギとなります。
ご家族は、療養者の在宅生活を支えるために様々な介護を行っています。例えば、昼夜を問わない排泄介助、三度三度の食事介助、定期的な入浴や清拭の介助、日々の整髪や洗顔の介助、更衣の介助等々です。ともすればこれらの介助によって、ご家族が心身疲労を来したり、生活のリズムを崩す場合もあります。
そこで、在宅療養者はもとより介護するご家族も支援が受けられるサービスの1つに、地方自治体や地域が中心となって実施される「地域包括ケアシステム」があります。このシステムは地域における「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを一体的に提供できるケア体制を構築しようというものです。
また、医療保険制度や介護保険制度による経済的負担を抑えたサービスが受けられるなど在宅医療の選択の幅も広がってきています。実際に、人工呼吸器を使用されている親を自宅でみながら仕事に通われているご家族もいらっしゃいます。それらの方々はいかにして介護と仕事の両立をしているのでしょうか。いかにして自分達の休息時間を確保し、経済的な負担を減らしているのでしょうか。
在宅療養を望まれてもご家族に気兼ねしてしまう方、先々の親の介護に不安を募らせている方も多いと思います。先ずは市町村の介護高齢課や地域包括支援センター・病院や介護施設の相談員・居宅支援事業所のケアマネに相談されてみてはいかがでしょうか。ぼんやりとした不安を相談することで、具体的な問題が明確になるとともに必要な援助の手段を知る手掛かりが見つかると思います。
アルツハイマー型認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態であり、発症を予防することができる要素すなわち危険因子があるといいます。
これには以下にあげるように、8つあり、この8つの原因によって認知症になった方は世界で1700万人を超え、実に認知症患者全体の50%にも上るそうです。
意思伝達装置は、発音・発語だけでなく、書字等の動作も困難な状態にある方を対象としたコミュニケーション支援用具です。手指や目の動きなどの限りなく小さい身体動作でスイッチを操作し、日常的なコミュニケーションや学習リモコンを利用してテレビやエアコン、照明器具の操作等の環境制御、インターネット環境があればメールの送受信やWEBサイトの閲覧が可能です。
さまざまな入力方式に対応していて、スイッチ入力(接点式、圧電素子式、空気圧式等)から視線入力まで身体状況に合わせて変更できるので、その時々に応じて途切れることなくコミュニケーションを続けることができます。今まで人の手を借りないと出来なかった文字盤等でのコミュニケーションや身の回りにある家電製品の操作が自分で行えるようになるのでストレスが減り、双方の負担軽減に繋げることができます。
重度障害者用意思伝達装置の購入には補装具費支給制度があります。支給対象は、重度の両上下肢及び音声・言語機能に障害のある方で、重度障害者用意思伝達装置によらなければ意思の伝達が困難な方となっていますが、最終的には支給判定で決定となります。
当院では、パソコンやiPad等を利用した意思伝達装置をデモ機として導入しています。これから導入を検討されている方や興味があってお試しになりたい方は、是非リハビリテーション課までご相談ください。
皆さんはピロリ菌という細菌をご存じでしょうか?
ちょっとかわいい名前ですが、実は胃癌を引き起こす怖い細菌なのです。
正式には、Helicobacter Pyloriといい、人の胃の中に住んでいます。人の胃の中には胃酸が分泌されており、胃酸は強酸性 (pH 1~2)、すなわち強力な塩酸(HCl)なのです。食物と一緒に胃に入ってきた細菌を殺菌し、人を感染症などから守っています。ピロリ菌はこの胃酸を中和して胃の内部で生息することができる数少ない細菌です。ピロリ菌の感染は、5歳以下の乳・幼児期に、主に家庭内で感染すると考えられています。母親からの唾液などによる感染が主な経路と考えられていますが、まだよくわかっていません。欧米諸国に比べ、日本や発展途上国での感染率は高く、特に1940年代以前に生まれた中・高年の人に高い傾向(70~80%以上)が認められています。ピロリ菌に感染すると、慢性胃炎を発症します。この慢性胃炎が徐々に進行すると、胃癌のできやすい胃になってしまいます。大部分の胃癌にはピロリ菌が関与していると考えられています。ですから、胃癌にならないために、なるべく早くピロリ菌を除菌することをお勧めします。現在、ピロリ菌の除菌療法が保険を使って行えるようになっており、日本では年間150万人が行っています。3種類の薬を1週間内服することで、80%以上の人が除菌に成功します。ただ、治療の前には胃の内視鏡検査が必要です。当院でも治療を行っていますので、ご希望の方は消化器内科を受診してください。日本では胃癌はまだまだ多い病気です。罹患者数では、大腸がんに続いて2番目(2018年)、死亡者数では肺がん・大腸がんに続いて3番目(2019年)です。ピロリ菌の除菌治療をたくさんの人が行うことで日本人の胃癌が徐々に減少すると考えられています。さあ皆さんもピロリ菌とおさらばして、胃癌ともおさらばしましょう!
胸部・腹部・骨などの撮影を行う一般撮影検査(レントゲンと呼ばれる検査)や、身体の断面を画像化するCT検査には、エックス線という放射線が使われています。病院で通常の検査に利用される放射線の量は少なく人体への影響はまずありませんが、より安心して検査を受けて頂くために、放射線を受けた際に現れる人体への影響について簡単に説明いたします。
放射線を受けた際に現れる人体への影響は、以下のように二種類あります。
(1)確定的影響
一定量の放射線を受けた場合に必ず生じる影響のことで、受けた放射線の量が多くなるほどその影響度も大きくなります。障害としては不妊・脱毛・白内障などが現れますが、受ける放射線の量をしきい線量(同じ線量を多数の人が被ばくしたとき、全体の1%の人に症状が現れる線量)以下に抑えることで防ぐことが出来ます。当院の検査はしきい線量よりはるかに低い放射線の量で行うため影響はありません。
(2)確率的影響
確定的影響のようなしきい線量はなく、受ける放射線の量が多くなるほど障害が発生する確率が大きくなります。確率的影響についてはガンや白血病などがあります。一般的に100mSvの放射線を受けるとガンによる死亡率が約0.5%高まるとされていますが、これ以下の放射線の量では発ガンの心配はほとんどないと考えられています。当院のCT検査で受ける放射線の量は、撮影部位や撮影手法により異なりますが、1回あたり1~27mSv程度(胸部CT検査6mSv程度)になります。
当院では、患者様に安心して放射線検査を受けて頂くため、被ばく線量低減を考慮し、撮影条件・撮影方法等を調整しています。放射線や放射線検査に関して不安なことや疑問等がありましたら、放射線課に遠慮なくご相談ください。
COVID19が世界にひろがり、この先どうなっていくのか想像してみました。
『COVID19はこの世からなくなるのか?』
インフルエンザや一般のウイルス性のかぜと同様にCOVID19がなくなることはないでしょう。ウイルスが細かい変異を繰り返しながら、少なくとも今後数年間は発生し続けるでしょう。最終的には我々人類が免疫を獲得することによって、コロナウイルスによるただの「かぜ」となって残るのではないかと思います。
COVID19ウイルスのない世界に逃げることができないとすれば、誰もが数年の間に一度は感染する可能性があることを覚悟しなければなりません。一生かぜをひかずに過ごすということがほぼ不可能なのと同様に一生COVID19ウイルスに感染せずに過ごすということは不可能であるかもしれません。
『我々人類は抵抗力(免疫力)を獲得できるのか?』
COVID19ウイルスに感染すると、急激に重症化して不幸にも亡くなる危険性がありますが、生還した人には抗体ができて免疫力を獲得し、次に同じウイルスに感染しても前より軽い症状で治癒する可能性が高くなります。また変異株によって次の感染が起きやすくなったとしても、ある程度の免疫力は働き、重症化の可能性は低くなると思われます。そういった感染の経験を繰り返して、生還した人に免疫力が獲得されます。
『ワクチンは有効なのか?』
重要なのは、COVID19に対する免疫力を持たない状態で、初めて感染したときが最も危険で、亡くなる危険性が高いということです。
ワクチン接種により免疫力が獲得されますが、今のところ強制ではなく自己責任で受けることとなっています。ワクチン接種によって免疫力を獲得することと、実際にウイルスに感染して生還することにより免疫力を獲得することと、どちらがより安全でしょうか。よく考えて判断されることをお勧めします。
また、半年~1年後にはほとんどの人がワクチン接種済みで、「新型コロナのかぜ」を恐れることなく活動しているかもしれません。しかし未接種の人にとっては、その中にはいって活動することは大変危険であるかもしれません。
インフルエンザワクチン同様に、接種を繰り返すとか、変異株に対応した成分のワクチンを追加接種することにより、より完全な免疫力の獲得を目指すことになるのだろうと予想しています。
1日も早く、安全に社会活動のできる日々が戻ってくることを願っています。
新型コロナウイルスによるパンデミックが始まり1年半近く経過していますが、一向に終息の兆しがみえないばかりか変異株が猛威を振るい厳しい環境となってきており、日々感染の恐怖を感じながらの生活が依然と続いています。
感染対策としてワクチン接種が現在のトピックではありますが、ワクチンと同等に重要なのはやはりマスクの着用になります。コロナ以前の時代には、咳やくしゃみなどの症状のある人にマスク着用が推奨されていたのに対し、このコロナ時代には症状の有無にかかわらず屋内や人との距離が保てない環境では全ての人がマスクを着用する「ユニバーサルマスク(Universal Masking)」という概念が急速に普及しました。現在マスクの購入は容易となりマスクを着用しないで出歩く人はほぼ皆無でユニバーサルマスクは実践された生活様式となっていますが、マスクの種類によっても効果がだいぶ違うことを御存じでしょうか。マスクの効果については昨年豊橋技術科学大学がスーパーコンピューター富岳を使った実験データを公表しています。
まずマスクの役割として①飛沫の吐き出し抑制、②飛沫の吸い込み量減少、③手を介して口や鼻を直接触れることを防止(接触感染予防)があげられますが、この実験では①と②について評価されました。結果は下記の通りとなります。
【マスクなしの時の飛沫量を100%としたときの各マスクの効果】
吐き出し | 吸い込み | |
---|---|---|
マスクなし | 100% | 100% |
不織布マスク | 20% | 30% |
布マスク | 18-34% | 55-65% |
ウレタンマスク | 50% | 60-70% |
フェイスシールド | 80% | 効果なし |
マウスシールド | 90% | 効果なし |
上記の結果を見ると不織布(ふしょくふ)マスクは吐き出し飛沫マイナス80%、吸い込み飛沫マイナス70%となり不織布マスクの効果が際立っていることがお分かりいただけるかと思います。私達が日常診療で使用しているサージカルマスクも不織布マスクです。
一方芸能人が大好きなフェイスシールドやマウスシールドの効果はほとんど無いこともわかるかと思います。最近のテレビの出演者はマウスシールドすら着けていませんが大丈夫なのでしょうか(大丈夫とは思えません)。
またこの大学ではマスクなしでの大声や歌唱、飲食時の飛沫量も調べており、大声で話す、歌うと飛沫量は通常会話の10倍、飲食時は30-40%飛沫量アップという結果となりました。実際クラスターが出ている通り、カラオケや会食は感染については高リスクな行動と言うことができます。
マスクを装着していれば感染を100%防止できるわけではありませんが飛沫感染が主要感染経路と考えられており、やはりマスクをしっかりと着用することが重要と思われます。これから暑くなりマスク着用することが苦しい時期とはなりますが自分自身の安全確保、周りの大事な方への感染予防のためにも公共の場ではマスクを着用するようにしましょう。その際のマスクは『不織布マスク』を是非選ぶようにしてください。病院受診の際も『不織布マスク』着用をお願いします。
新型コロナウイルス対策として、当院でも面会制限、受付時の問診、マスクの着用などのお願いをしております。皆様からは感染対策へのご協力をいただき誠にありがとうございます。2月17日よりワクチンの接種が始まりました。今後、高齢者、基礎疾患を持つ方と順次行われていく予定です。接種対象者には、自治体よりクーポン券が届きます。当院では行政の指示に従いながら、対象者にワクチン接種を実施して参ります。今回は、主にファイザー社のワクチンについて、日本感染症学会や日本アレルギー学会や厚生労働省などから執筆時までに発表されている資料を参考に記載します。
最後に、根拠のない情報に惑わされず、正しい情報を適切な情報源から得ることが重要で、特に基礎疾患を有する方は、かかりつけ医とよくご相談のうえ、接種するかどうかを判断することが大切です。私たちも皆様に適切な情報を提供していく所存ですので、ご不明な点はお尋ねください。ワクチン接種を契機として、新型コロナウイルスが克服されることを願っております。
日本における超高齢社会は2025年問題として大きく取り上げられている。団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、死者数が年間160万人を突破する多死社会となる。
以前は一病院のみで完結する「治す医療」が中心だったが、今は治し・支える、さらには看取る医療が必要になってきた。CureからCareへの医療ニーズの変化がもたらされている。患者の臓器だけに焦点を当てていたのでは現在の患者の医療ニーズは満たされず、患者を一人の人間、地域社会の一員としてとらえ、全人的な医療を提供していかなければならない。「全人的な総合医療」が求められている。
そして厚生労働省は「病院完結型医療から地域完結型医療」という考え方を推進している。地域包括ケアシステムの推進である。最近は、急性期病院からリハビリ病院、あるいは療養型病院、老健、在宅医という、ダウンストリームの方がより重要な方向になってきた。これは高齢化率の高い過疎地のみではなく、都市部でも起こる問題である。
超高齢社会において高齢者の診察にあたる医師は、多疾患併存(マルチモービディティ)・多薬剤処方(ポリファーマシー)・処方カスケード(薬剤有害事象をそれと気付かず薬剤で治療すること)の問題、心理社会的問題、社会的脆弱性、介護・福祉との連携など、総合的な視点から患者の問題を整理し対応する必要がある。高齢者総合的機能評価(CGA)は膨大な時間と手間を要するが利用価値は高い。また生物学的アプローチで解決できない時は、心理社会的問題の評価も進めていくことが重要である。家族志向のケアを行うことで共感的理解が得られる。「かかりつけ医」マインドを持つ姿勢が重要である。
患者の医療情報の要約(患者サマリー)も重要な役割のひとつである。
予防医療の重要性を理解し、がん検診の啓発を行うことも求められる。
終末期医療、エンドオブライフ・ケアも重要で、がん患者だけではなく今後は心不全やCOPDなどの非がん患者の緩和ケアも必要となる。人生の最終段階についての話し合い、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は一般国民で2.6%、医療従事者でも10%程度しか経験されていないという。今後の検討課題である。
これら「全人的な総合医療」を行うには、ケアマネージャー、介護、看護、リハビリテーション、歯科医師などの多職種連携・チーム医療に働きかけを行い、地域でのより良い専門職連携協働を行わなければならない。
2019年12月に中国湖北省武漢市において、昨年12月以降、病原体不明の肺炎患者が発生し、急激な勢いで感染者数が増加し、後にそれが新型のコロナウイルス感染症(COVID-19)と判明しました。現在は、中国国内に限らず海外にも広がっています。その臨床像については1月下旬以降、中国や日本国内の医療者からの迅速な臨床情報の提供などによりおおむね分かってきました。
世界保健機構(WHO)は3月11日「新型コロナウイルスはパンデミックとみなすことができる」と述べ、世界的な大流行になっているとの認識を示しました。
日本国内でも感染の契機のわからない事例がみられるようになり、今後は流行の立ち上がりに向けて、個人で、家庭で・・・ それぞれに必要な備えをとることが必要となりました。
パンデミックとは、地理的な拡がりによって決まります。アジアのみならず、ヨーロッパにおいても市中感染の継続的な拡大を認めるようになったことが、今回の決断の根拠になったと思われます。
これにより、世界は、新型コロナウイルスを封じ込めようとする段階ではなくなりました。これまでは、国際的に連携しながら、何とかこのウイルスを人類の前から消し去ろうと努力してきました。しかし、今後は、流行の拡がりをなるべく遅くして、被害を最小限にすることが世界の主たる目標になります。
日本国内では指定感染症に指定されて対策が取られていますが、現時点ではまだ感染が収束する兆しが見えません。我が国の医療機関においても帰国者・接触者外来が設置され、一般の医療機関でも感染例や疑い例が受診する可能性を考慮せざるを得ない段階に入っています。
私たちは、自分が感染することを警戒するだけでなく、感染拡大を防ぐために協力しあう必要があります。みんなに協力する気持ちを持つことは、恐怖や不安をやわらげ、疾病リスクを減らすことにもつながります。
Ⅰ 新型コロナウイルスの感染様式は、飛沫感染と接触感染の2つが考えられます。
上海市民政局が「エアロゾル感染」の可能性があると発表しましたが、「エアロゾル感染」とは、「飛沫が空気中で混ざり合ってエアロゾルを形成し、これを吸引して感染する」というもので、空気感染ではなく、飛沫感染に相当すると考えられます。国内の感染状況を見ても空気感染に特徴的な現象は確認されていません。
飛沫感染
感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つばなど)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
➡ 主な感染場所:劇場、満員電車などの人が多く集まる場所
接触感染
感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスが付きます。他者がその物を触るとウイルスが手に付着し、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。
➡ 主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど
Ⅱ これから私たちは何をすべきか。
Ⅲ 急速な感染拡大を防ぐために、日常生活の中で行うべきこと。
①換気の悪い密閉空間
②多くの人が密集するところ
③近距離での会話や発声すること
①スポーツジム
②屋形船
③ビュッフェスタイルの会食
④雀荘(じゃんそう)
⑤スキーのゲストハウス
⑥密閉された仮設テント
①換気を行う(可能であれば2つの方向の窓を同時に開ける)
②人の密度を下げる(互いの距離を1~2メートル程度あける)
③近距離での会話や発声などを避ける(やむを得ない場合はマスクをつける)
以上、新型コロナウイルス感染症の流行の立ち上がりに向けて、個人で、家庭で・・・ 我々がそれぞれに注意しなければならない必要な備えについて述べましたが実のところ、上で述べた3つの条件が同時にそろう場所や場面を避ける行動をとれば、皆さんが普通に暮らしていて、新型コロナウイルスに感染する可能性はほとんどありません。市民一人が感染して発症するリスクは、それほど高いものではありません。交通事故や転倒事故で大けがをするリスクのほうが大きいかもしれません。
高齢者の場合には、肺炎や誤嚥性肺炎を患うリスクのほうが高いでしょう。ただ唯一リスクある場所があります。それは病院です。病院はインフルエンザを含む感染症に感染している可能性のある人が多く集まる場所であり、感染症への感染リスクが高い場所です。だから、いまの段階で最も実効性のある感染予防とは、「行かなくていいなら病院に行かないこと」です。
昨今、マスクがドラッグストアの棚から消失して、皆さんは少々パニックになっています。マスクはどの程度に有効なのでしょうか?
WHOによると、マスクは人々が病気を他人に広めるのを防ぐのに役立ちます。ただ、ほとんどの人が病気にかかっていなければ、マスクを着用する必要はありません。 ただし、COVID-19の人をケアする人は誰でもマスクを着用して、その原因となるウイルスに感染しないようにすることが必要です。
最後に・・・、とくに持病のある方々へのお願いです。どうか、いまこそ医師の指導を守って内服し、規則正しい生活を送り、生活習慣病のコントロールを保ってください。これは新型コロナウイルスに感染したときの重症化予防にもなりますが、そもそも基礎疾患の合併症を予防することで医療現場への負荷を軽減することにも繋がります。
【令和2年3月25日時点の状況です】
喘息は、呼吸をするときに「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と音が聞こえ、咳や痰が増え、呼吸が苦しくなる病気です。息苦しさは特に夜や朝方に横になっていると強くて、起き上がったほうが楽になります。また、風邪をひくと強く症状が出ます。喘息患者は、寄生虫やばい菌感染などの少ない先進国を中心に大変増加しております。中にはゼーゼーやヒューヒューが聞こえなくて、咳痰だけ出る咳喘息の方も増えています。以前は1年間に7000人以上の方が喘息で亡くなっていました。治療の進歩で減少してきましたが、今でも毎年約1500人の方が亡くなる怖い病気です。
喘息患者の気道には、慢性的に炎症があります。炎症があると刺激に対して敏感になり、天気や気温の変化、風邪などの感染症、タバコの煙、大気中の化学物質(汚染物質)、ストレス、激しい運動などに反応して発作を起こし、気管支が狭くなり呼吸が苦しくなります。
気管支に慢性に炎症がおこる理由は、子どもや若い人の場合は、アレルギーが原因です。つまり、もともとアレルギー体質を持つ人が、ハウスダスト(室内のダニ、髪の毛、食べ物のくず、ふけ、チリ、ほこりなどの総称)、ペットの毛やフケ、花粉、化学物質などを持続的に吸入し、その中の特定の物質に対してアレルギー反応を起こすようになったためです。ただ、高齢者の喘息の中には、アレルギーの関与のない喘息もあり、この場合は気道に炎症を起こす原因が不明なため、治りにくい喘息となりがちです。
治療は、ステロイドの吸入が主体です。ステロイドは、アレルギー性の炎症を抑え、咳痰や呼吸困難を劇的に取り除きます。ステロイドというと高血圧、糖尿病や骨粗鬆症などを引き起こす強い薬と思いますが、吸入ステロイドは、気道に吸入されるため、吸入後よくうがいして口に残ったステロイドを洗い出してしまえば、全身にはほとんど吸収されず、上記の副作用も心配ありません。吸入ステロイドを始めると症状は、早々に良くなりますが、気道の炎症はしばらく残るので、すぐに中止しないで、しばらく吸入を続ける必要があります。吸入ステロイドだけで不十分な場合は、アレルギー反応を抑える薬や気管支を広げる薬などを追加します。命にかかわるような発作の場合は、点滴や内服で全身性のステロイドを使用しますが、こちらは症状が治まれば中止します。また、アレルギー性の場合、原因物質の吸入が続くと気道の炎症も続きますので、原因物質を知り、それをなるべく除去する努力が大変重要です。
喘息は苦しい上に命にもかかわる病気です。長引く咳やゼーゼー・ヒューヒューを伴う呼吸困難があれば、ぜひ受診して検査を受けてください。喘息と診断されたら、その原因を知り、適切な治療を受けてください。ご不明の点があれば、お尋ねいただければ、詳しくご説明いたします。
スギ花粉症に対する減感作療法ってご存知でしょうか?花粉症が軽くなり、人によっては完全に治ってしまうという治療です。スギ花粉のエキスをごく少量から繰り返し投与するという昔からあった治療法ですが、以前は注射による方法しかなかったため、痛い注射を受けるために長期間にわたり繰り返し外来受診する必要があり、なかなか大変でした。ところが最近スギ花粉エキスの錠剤が登場し、継続して行いやすくなりました。方法は簡単で1日1回舌の下に錠剤を入れるだけです。
私は最近までまったく花粉症はありませんでした。ところが2018年春、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水など突然、花粉症の仲間入りを果たしてしまいました。抗アレルギー薬をがっちり使っても、ちょくちょく症状が出現しました。
そんななか2018年スギ花粉の舌下免疫療法の錠剤が使えるようになりました。アレルギー学会指導医でもある自分としては、自ら治療効果を体験してみるよい機会です。2018年10月から「スギ花粉症舌下免疫療法」を開始しました。
まず錠剤ですが味のないラムネのような錠剤で、ベロの下に入れるとすぐに溶けてしまいます。そのまま1分経過したら唾液を飲み込んでもOKです。たったこれだけ。これを毎日行います。たまに忘れる日もありましたが問題ありません。(一応スマホに専用アプリがあり、毎日服用したかどうかの日記や花粉飛散情報がみられるようになっています。)
10月から続けること4か月、春の花粉症の時期が楽しみでしかたありませんでした。そしてついに2019年2月、やってきましたスギ花粉の飛散です。私の花粉症の症状は?出ました。鼻水と目のかゆみがあります。でも去年よりだいぶ軽いです。抗アレルギー薬を一つ使えば完全に症状が抑えられる程度です。花粉飛散量は今年のほうが去年よりかなり多いそうですが、今年のほうが症状はだいぶ軽く済みました。舌下免疫療法は自分にはある程度の効果が出ていると感じました。さらに継続すればもっと軽くなるだろうと期待して、現在は治療継続中です。
最後にスギ花粉症舌下免疫療法の一般的な知見を記しておきます。
【 スギエキス錠剤名「シダキュア」 】
スギ花粉症のある方で舌下免疫療法を受けてみようという方はご相談ください。