六甲山の上美術館のアフリカの彫刻たち

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 7月9日、久しぶりに六甲山の上美術館に行きました。
 本題から外れますが、2日ほど前まで、台風7号の影響、さらに梅雨前線の影響で、九州から四国、中国、近畿、中部地方まで1週間近く雨が降り続き、記録的な大雨となり、各地に大きな被害が出ました(私たちが住んでいる茨木でも避難指示・勧告・準備情報が出ました)。六甲山の上美術館までは、ロッコーケーブル、さらに山上バスを利用するのですが、ちょうどこの日から山上バスは運航していました。六甲ケーブルは前日から動いていたようで、ちょっとびっくり、改めて六甲ケーブルの車内で流されている放送を聞いて、その概要を確かめました。六甲ケーブルは、六甲ケーブル下駅(標高244.2m)から六甲山上駅(同737.5m)までの約1.7km(遭中に4箇所トンネルがある)を所要時間約10分(時速11km)で結んでいます。標高差約500mで、最大斜度は約26度だそうです(平均の斜度は約17度)。2両連結で、定員は200人、それを直径4.5cmのワイヤーで引っ張っているそうです(定員の8倍の重量に耐えられるとのことでした)。ケーブルはまったく雨の影響を感じませんでしたが、道路にはまだ水が流れたりしていて、車で走るとじゃばじゃばという音がしばしばし、一部崩落している所もあるとか。
 
 六甲山の上美術館では、最近、1970年の大阪万博関連でアフリカから集められた彫刻類などを寄贈してもらったそうです。まだ未整理の状態で、タイトルをはじめ作品についての情報はほとんど分からなかったのですが、一部を触らせてもらいました。そのうち整理して、「アフリカ展」をするとのことです。
 彫刻類はほとんど木彫で、その半分くらいは黒檀のようです。とても硬くて、表面はつるつるした感じの所が多いです。「made in Kenya」の表示が数点にありました。
 まず触ったのが、トーテムポールのような、男女が何重にも重なり合ったもの。高さ1.5m弱、直径30cmほど。一番下の10cm余は丸太の状態で木の皮も付いている。それから上は、いろいろな姿の男女がいろいろな物を持ったり支えたりして、上へと積み重なっている。頭の上に壺、ひょうたんなどを持った女性、薪の束を縦向きにかかえている人、下の人の肩に足を掛け両腕を横に大きく広げて両側の人を押えている人など様々。男女の区別がよく分からなかったが、身に纏っている衣が腰までの人が男、胸までの人が女性のようだ。(このような、人々が積み重なったような形式は、マコンデ彫刻ではウジャマと呼ばれる。)
 キリン:高さ50cm、長さ20cmくらい。
 牛:高さ20cm、長さ30cmくらい。角が2本上に向き、首から背にかけての部分が上にぼこんと盛り上がっている(牛とは思えなかった)。
 象:長さ20cm余。鼻を前に伸ばして上げ、口を開けてほえている?ような姿。耳はちょっと象らしいと思ったが、触ってすぐには象とは分からなかった。
 ライオン:長さ15cmほど。触ってはライオンと分からないほどデフォルメしてあるようだ。頭の回りのたてがみからライオンを連想はできた。
鴨のような鳥:長さ20cm余のものから6〜7cmくらいのものまで数点あった。上下に別かれるようになっていて、中が入れ物になっていた。
ガゼルの親子:高さ50cmくらいの親のお腹の下・後脚の付け根付近に、子どものガゼルが顔を入れている。親の角が2本、上に10cmくらい伸びてぐるぐると巻いたようになっている。
イエス・キリスト:幅30cm弱、高さ30cm強で、後面は丸太のままで木の皮が付いている。大きなきれいな顔、するうっと伸びた腕など触ってきれいだった。左半足に沿って高さ20cmくらい、幅10cm弱の十字架があり、その横木がイエスの首の後ろ辺に入っている。黒檀なので全体に黒くて、髪もざらざらした感じで短い。
赤ちゃんを背負っている女性:高さ40cm弱。右手で頭の上の壺を支え、左手は後ろに回して腰の辺を押えている。その上の背中の部分がふくらんでいて、その中に赤ちゃんが横向きに入っていて、顔ものぞいている。
バナナの房を持っているおばあさん?:高さ40cmくらいで、やや横にひろがっている感じ。右手で杖を持ち、左手で頭の上のバナナの房を持っている(バナナが5、6本まとまった房が3個ほど連なっていた)。乳房が垂れている。お腹から腰のへんにかけてゆるやかに窪んだ曲面になっていて、横に広がり厚さも薄くなっていて、表面全体が細かい皺におおわれていた(痩せさらばえたおばあさんを連想)。
男女の像:向って右が高さ50cmくらい、向って左が高さ45cmくらいの立像。髪を首の下・背中の上くらいまでのばして結んでいる(ちょっと独特の髪型)。手に穴が空いているので、たぶん何かを持っていたものと思われる。背の高いほうが男と思うが、ふしぎなことに、男のほうにしっかりと胸のふくらみがあった。
 
 木彫以外では、たぶん大きなヒョウタンに手を加えてつくった、直径50cmくらいはある大きな壺?があった。表面には何かははっきりとは分からなかったが、模様や動物?の形のようなのが彫られていた。中に手を入れてみると、5、6本鋭い針のようなのが突き出していて、それは表の植物繊維の縄のようなのを止めているようだ。
 また、大きな壺の中に、陶器製のカウベルのようなのが5、6個は入っていて、そのカウベルのようなのを取り出して鳴らしてみた。そんなに響きはしないが、そぼくなかわいた音がした。
 
 その他、アフリカのものではないが、いろいろな石でつくられたいろいろな姿・大きさの蛙にも触った。とくに、お相撲さんのポーズを連想するような、片手と片足を大きくひろげて前に向けて立てている姿が印象に残った。
 
(2018年7月13日)