京都の水族館で里山にふれる

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 9月9日、京都水族館に行きました。京都駅から歩いて15分くらい、梅小路公園の中にありました。(もう10数年前ですが、この公園にあった梅小路蒸気機関車館に行ったことがあります。今は京都鉄道博物館となっています。)
 最近なんとなくオオサンショウウオの姿が気に入っていて、ほとんど想像ですが、木彫でオオサンショウウオを彫ってみたり。なにかオオサンショウウオなどについて知ることはできないかなと思って行ってみたわけです。もちろんオオサンショウウオには触ることはできませんし、いろんな大きさのぬいぐるみのオオサンショウウオに触ったくらいです(ぬいぐるみなのでデフォルメされているようですし、本当の姿とはかなりずれていたように思います。)鴨川の上流などにも生息していて、その環境を模した水のある岩場にたくさん展示されているようです。昼だったので、ただじっとしているだけのようです。
 オオサンショウウオのほか、クラゲとペンギンの展示が充実しているようで、それぞれ、見れば見るほど魅力あふれる「オオサンショウウオ」の特徴とは? 美しきクラゲ 〜ゼリーのような特徴的風貌と不思議な生態〜 ペンギンにも個性がある!京都水族館で暮らすケープペンギンたち でその生態や特徴が紹介されています。
 京都水族館はこの7月にリニューアル、とくにクラゲの展示が充実しているようで、20種 5千匹のクラゲが展示されているそうです。その中でもたくさん展示されているのは、ミズクラゲ。大きいものだと、カサ部分の直径が30cmくらいもある円盤状で、その縁には細かいヒゲのようなのが見えているとか(これはたぶん刺胞と呼ばれるもので、ミズクラゲの場合はここから毒が出る)。中央辺に口があり、その回りから足がいくつも垂れているようです(そんなに長くないとか)。
 ミズクラゲの展示で興味を持ったのは、10個近く水槽が並んでいて、その中にミズクラゲの各成長段階のものが展示されているとのこと。最初の2、3個目まではゴミのように小さくてよく見えず、4、5個目くらいからようやくミズクラゲ?かもと分かるくらいだとのこと。調べてみると、ミズクラゲは、プランクトンのようなプラヌラ幼生として生まれ出て、岩などに固着するポリプ、小さな皿を重ねたようなストロビラ、花びらがひらひら漂っているようなエフィラと変化し、それが変態して成体のミズクラゲになっていくらしいので、その段階が展示されているのでしょう。さらに、直径7メートルくらいでしょうか、リング状の水槽もあって、回りからその中のたくさんのクラゲを観察できるとともに、1メートル余のトンネルをくぐってリングの中の空間に入り、水槽の内側からも見られるようになっていました。
 その他、アカクラゲ(数えきれないほどの細い足(触手)が長く垂れている)、タコクラゲ(足が8本あることから名付けられたが、足の先は細かくいくつにも別れているようだ。また半球状のカサは褐色だが、それは褐虫藻が共生しているからだと言う)、サカサクラゲ(ひっくり返って足が上を向いている)、オワンクラゲ(発光性のクラゲとして有名)など、いろいろいました。なお、ショップでクラゲのぬいぐるみに触りました。種類は分かりませんが、半球状のカサで、縁には12個くらいややとがった所が並び、またカサの下には、中央にリボンのようにくしゃくしゃとした足?のようなもの、その回りに細い帯のようなのがたくさん垂れていました。
 
 京都水族館にいるペンギンは、すべてケープペンギンという種類だそうです。全部で60羽近くいて、歩いていたり寝ていたり食べていたり、それぞれ好きなようにふるまっているようです。ペンギンと言えば南極や氷とセットでイメージしてしまいますが、このペンギンはアフリカ南部の沿岸に生息していて、氷とは無縁だとか。温帯地域で暮らす珍しいペンギンで、脚やくちばし、目の周りには羽がなく、暑い夏には体の余分な熱を放出しやすくなっているそうです。(私がここで感じたのは、独特のにおい。磯、ないし磯で魚を干している時のようなにおいでした。ペンギンそのもののにおいなのか、あるいは餌にしている魚のにおいなのでしょうか。)
 その他、アザラシやオットセイ、エイや小さなサメなども展示されていました。
 
 水族館内を順路に沿って見学していたのですが、最後はなんと里山ゾーンになっていて、びっくり。京都の里山の風景・生態が再現されているようです。水の音がし、水辺には細長い葉の草が生え、なんと田んぼまでありました。川には、ヤゴ、メダカ、モロコ、カワハギ?などが、池には鯉などがいるようです。田んぼではちょうど稲が穂を垂れていて、田植えから収穫まですべて手作業でしているらしいです。水辺の草の中には、小さな実がたくさんついたものや、10cm前後の円筒形(ちょうどフランクフルトソーセージのような感じ)から細い棒のようなのが伸びたものなど触りました。このフランクフルトのような変なもの、以前にどこかで触ったような気がして、係員に尋ねてみると蒲の穂だとのこと。調べてみると、円筒形の部分は雌花穂で(筒の中にはごく小さな種がたくさん詰まっている)、上に伸びている細い棒は雄花穂。トウモロコシなどとだいたい同じようなものなのだと納得しました。
 
 帰りには、公園内に展示されているむかしの電車(車軸が径10cm余、車輪が径60cmくらいで、前に 2組、後ろに 2組あった)や、ペンギンとオットセイのブロンズの彫刻に触れました。ペンギンは、2羽が手を広げて仲良くつながっているようなかわいいものでした。オットセイのほうは、背を反らし後ろ脚を上に大きく上げたオットセイが、垂直に立った変った形の壁を貫いているなかなか面白い姿でした。
 今回の京都水族館の見学、思いがけなくも里山の自然にちょっと触れられて、けっこう楽しめました。
 
(2020年9月13日)