大阪市立大学理学部附属植物園

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 6月29日、交野市私市(きさいち)にある大阪市立大学理学部附属植物園に行ってみました。阪急総持寺から高槻へ、高槻からバスで枚方市へ、枚方市駅より京阪電車の交野線で私市へ、そこから歩いて10分弱で着きました。 入ってすぐ、この植物園の沿革が記されていたので、読んでもらいました。前身は、満蒙開拓団の訓練施設として1941年3月に開設された大阪市立興亜拓殖訓練道場だとのこと(時代を感じますね。600人が宿泊訓練できる施設だったそうです)。戦後、1945年9月に大阪市立農事練習所、1950年に大阪市立大学へ移管され理工学部附属植物園、1959年に理工学部分離により理学部附属植物園となって現在に至るとのことです。生駒山のふもとにある起伏に富んだ土地で、面積は26ヘクタールだとのことです。今回は、暑かったこともあって、1時間弱、水生植物を中心にごく一部を見学しただけですが、簡単なメモを記しておきます。
 
コウホネ(スイレン科):花がちょうど開いていた。直径3cmくらい。回りは5弁(堅かったので萼片かもしれない)。真中に細かいつぶつぶのようなのがたくさん。葉は大きなのが1枚。(コウホネは、水底に白くてちょっとでこぼこした感じの根が横たわっていて、それが人の骨、とくに背骨のように見えるので、河骨と呼ばれるとか。)
ヒツジグサ(スイレン科):水面に水平に直径10cm余の葉が平たく広がり、葉の付け根あたりに直径3cm弱の小さな花。葉は付け根あたりで深く切れ込んでいる。
ハンゲショウ(ドクダミ科):葉は、先がとがった卵形で、長さ6〜7cmくらい。葉の下半部が白くなっていて、それで半化粧と言う。(半夏生(七十二候の一つで、7月2日ころ)のころに花を咲かせるからという説もある)。葉と向い合うように、葉の付け根から長さ10cm余、直径3cm弱ほどのふわふわした花序が出ていた。
タコノアシ:高さ120?cmくらい。茎の先から7、8本のかさかさした感じの長い花序?のようなのが出ていた。この幾本にも別れた形からタコノアシと言うらしい。
ヒメガマ:高さ2mくらい。直径1.5cm、長さ15cmくらいの細いソーセージのようなもの(雌花穂)の上に、直径5mm、長さ25cm以上ある細いふわふわの穂(雄花穂)が伸びていた。
ヒマラヤスギ:根本の幹の直径が2m以上はある。根本から1、2mくらいの高さで、太い幹から4、5本くらいこれまた太い枝が大きく横に広がっていた。だいぶ離れた所で、垂れ下がっている小枝の葉に触る。松の葉そっくりで、スギではないことが分かる。
イチョウ:これまた太さ1.5mくらいはある大きな木。幹の表面はコケに覆われていて、イチョウらしさは分からなかった。葉を触ってみると、かわいい扇形で、これはイチョウらしかった。
プラタナス(スズカケノキ科)の葉:20cmくらい。大きく5つくらいに裂け、さらにそれぞれの先が細かく別れ、葉の縁はぎざぎざ。
ネール蓮:花ハスの1つ。花は、全体は、直径10cm、高さ15cmほどの楕円形の球体のようなかたちで、花弁は2層になっていて、内側と外側それぞれ10枚以上の細長い花弁がきれいに内側にカーブしてまとまった形になっている。上端のすきまから指を入れてみると、中に、高さ5cmくらい、直径3cm弱ほどの堅い円錐台があり、その上面はつぶつぶになっている。この名は、インドのネール首相から贈られたことからだと言う。
シナアブラギリ(トウダイグサ科)の実:直径5cm、高さ4cmほどのやや扁平な形。とても堅そうで、表面には縦に10個ほどのわずかな窪みが並んでいる。
 
 今回は、園内のごく一部を回っただけですので、季節を変えてまた行こうと思っています。

(2021年7月6日)