宇宙はたのしい! ―体感できる教材作りからの学び―

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 4月18日と19日、京都大学総合博物館で、第20回インクルーシブデザインワークショップ「『月・地球・木星 触れて学ぶ天体』-インクルーシブデザインでつくる理化学教材-」(京都大学GCOEプログラム(知識循環社会)主催)が開かれました。
  両日とも、講師は筑波大学附属盲学校(今は視覚特別支援学校)で25年以上理科を教えておられる間々田和彦先生です。

 18日は、午後6時から「大宮市宇宙劇場での挑戦〜目の見えない人と音でみるプラネタリウム〜」と題する座談会でした。大宮市宇宙劇場(現・さいたま市宇宙劇場)で、10年余前に一般の方々とともに視覚や聴覚に障害のある人たちも楽しめる番組を作ろうということで、間々田先せい等の協力を得、また何度も視覚・聴覚障害の方々に確認してもらいながら、「天球のハーモニー」という番組を作りました。
  実際にその番組がどんな風に体感できる番組なのか残念ながら体験はできなかったのですが、大きな文字サイズでの字幕、光源の照度を上げる、声のポインタによる星座解説、音の移動による星の動きの再現、低音域を強めたマルチステレオによる臨場感ある効果音などの工夫がされているようです。とくに天球の回転については、私は回りのいくつかのスピーカの音を順次調整すれば体感できるのだろうと単純に思っていましたが、それだけでは回転の感じはせず、頭の上のスピーカから常に音を出し続けた状態で回りの6個のスピーカの音を調整すればうまくいくそうです。
  この番組は一般の人たちからも好評だったようで、3年間くらい定期的に上映されましたが、残念ながら今は定期上映はしていません(さいたま市宇宙劇場に問合せてみたところ、障害者団体の要請があれば特別に上映することはできるそうです。今も同劇場では視覚・聴覚障害者のための上映を定期的にしていますが、それは字膜と補助的な音声の解説があるだけのものです)。
  大宮市宇宙劇場での試みの紹介の後は、間々田先生が盲学校の理科教育をとおして感じておられることなどのお話し、さらに会場を暗くした状態で各参加者のいろいろな発言がありました。
  間々田先生は見えない人たちのための理科教材の原則として、拡大、モデル化、比較のための基準、単純化、感覚代行を挙げておられました。また、一般に一つの教材は一つの目的・用途にかぎってそれが十二分に果されれば良い、けっして多目的・多用途をねらわないこと、それからもちろん低価格であることも強調しておられました。
  参加者の中には京都・大阪・兵庫県の科学館や天文関係の方々もおられて、それぞれの館の取り組みも紹介していましたが、字膜や弱視者への配慮くらいで、全盲の人のための取り組みはほとんどなされていないようです。また座談会中には、アメリカで出版されている、サーモフォームを利用した天文の教材が数冊回覧されましたが、これはなかなかのすぐれものでした。
  参加者の中では全盲は私くらいのようでしたので、私の場合について発言しました。私の中学・高校時代は1960年代で、盲学校の理科の授業でどんな天文関係のことを教えてもらったかほとんど記憶はありません。星座の形も学校時代はもちろん成人になってからも知らず、仕事で理科の教科書の校正をするようになってからオリオンとかサソリ座などの形に触れるようになりました(そして、ばらばらの光点にすぎないものを結び付けて動物の形などをイメージできる視覚の特徴にも改めて気付かされました)。ただ、中学3年の終りころ、理科の先生が『数式を使わない物理学入門』という本を読んでくれて、原子や宇宙、量子論や相対論にとても興味を持つようになりました。これらの世界はいずれにしても目には見えない世界で、私も頭の中で自由にイメージし想像できました。当時はいわゆるビッグバン説はまだ確立されておらず、ホイルらの定常宇宙論も有力で、膨張宇宙という観測事実と矛盾しないように真空から一定割合で物質が生まれてくるというような話を聞いて、その割合をなんとか計算してみようなどとしたりもしました。とにかく私にとっては宇宙は頭の中でそれなりに想像できる世界で、今でも天文関係のニュースには興味をもっています。

 19日の午前中は、間々田先生が盲学校の理科の授業で行い、また今は全国各地の小学校などでも行っている、地球・月・木星・太陽の大きさの違を体感する実験教室を体験しました。
  まず、紙粘土を使って地球・月・木星を作ります。地球は直径1cmの球とすれは、月は地球の1/4で約3mm、木星は地球の11倍で約10cmの球になります。地球と月は、厚めのボール紙に開いた1.2cmと4.5mmの穴を丸めた紙粘土が通るようにして作ります。木星は、まず30cm余の細長い紙で直径10cmくらいの輪を作り、新聞紙を丸めて適当な大きさにしたものの回りを紙粘土でおおってこの紙の輪を通るくらいの大きさにします。次に太陽はでかいボールに空気を入れていって直径110cmくらいまで膨らまします。この大きさは私が両手を回しても半周にも届かないほどです。
  この大きさで距離を考えると、月は地球から30cmの所、太陽は地球から110mの所に位置することになります(木星までの距離は大きすぎるようでこの時はまったくふれられなかったように思います。木星と太陽間の距離は地球と太陽間の距離の約5倍です)。学校などの実際の場ではこの110mもちょっと体感しにくいので、地球を直径3mmの大きな砂粒程度としてみます。そうすると月は直径1mm、木星は直径3cm、太陽は直径30cm余のビーチボールくらいの大きさになります。そして位置は、月は地球から10cmくらい、太陽は地球から34mくらいの距離になります。この距離だとどの学校でも廊下の長さにおさまるようです。
  実験教室の最後には、間々田先生から参加者全員に直径3mmの地球、1mmの月、3cmの木星(これは木製!)のセットがプレゼントされました。木製の木星がこの実験教室の一番のウケのようでもありましたが、この教室をとおして、大きさについて教科書的な記述と視覚的な実感、さらに触覚的な体感との違いが際立ったように思います。大きさの違いは教科書ではふつう長さの違として書かれ、例えば惑星の大きさの違いは赤道半径の違いとして教えられます。木星は地球の約11倍の大きさと書かれていますが、それを視覚によって実感すれば長さの違は平面的な面積の違となり(長さの2乗、この場合は百倍以上)、さらに実際に触って体感すれば立体的な体積の違い(長さの3乗、この場合は千倍以上)となります。触覚による観察がもちろん一番実際に近いことになります。

 午後は30人ほどの参加者が5班に分かれ、それぞれ自由に天文にかかわる教材をつくってみるというワークショップです。まず、各班ごとに何を作ってみるか話し合います。そして主催者側が事前に東急ハンズで買い集めたいろいろな素材を見て回りながら、手ごろな材料をさがして製作に取り掛かります。
  私の班は、私の提案で、午前中の実験教室では地球や月・木星の大きさを体感できたので、それらの内部構造も体感的に分かるようなものを作ってみようということになりました。岩石を主とする地球型惑星の代表として地球の、水素やヘリウムのガス中心の木星型惑星の代表として木星の内部構造を触れて分かるようにしてみようということです。材料さがしではとくにガスの層の感じをどんな物で表すかが問題でしたが、直径3mmくらいの発泡スチロールの球がたくさんあって、これはふわふわ浮いた感じで、ガスの層を表すのに使えそうでした。
  地球の内部構造は、半球の断面上に同心円的に示すことにしました。まず太い針金で直径30cmくらいの半球の枠を作り、その枠に薄いネットを縫い付けて笊のようなものを作ってそれに8割くらい詰め物を入れます。そしてこうしてできた水平の断面の中心に直径5cmくらいの木製の半球を上向きに置いて内核とし、その回りに湿った紙粘土を貼り付けて液体の外核を表し、さらにその外側に藁のようながさがさした感じの物を置いてマントルとし、一番外側の縁にはゴムホースのようなのを円形にして地殻とします。マントル部分を表している藁のようなのは、内側の外核部分にも外側の地殻にも一部はみ出していてちょっとしまらない感じでしたが、私としてはそれらはそれぞれコールドプリューム、ホットプリュームを表していると思えばよいということにしました。
  地球はこのように水平の断面の上に内部構造を触れられるようにしたのに対し、木星の内部構造は表層から中心に向って手を入れて垂直的に体感できるようにしました。私は、木星は表層はガス、その下は液体水素、そして中心に小さな岩石や金属のコアがあると思っていましたが、木星について調べてもらうと、表層と中心の間の大部分は「液体金属水素」らしいということがわかりました。「液体金属」(下の注参照)とはなんとも矛盾的な言葉でどんな物か想像しにくいのですが、地上ではほとんどできない状態だろうし、だれも体感した人はいないのだからと、自由に作ってみることにしました。
  まずダンボール紙で直径15cm余、高さ30cm余の円筒を作ります。その一番底には、木星の中心部はかなり高温だろうということで、懐炉を置きその上に小さな金属球を置きます。その上には、液体金属水素の層を示すものとして、ストッキングに直径5mmくらいの発泡スチロールの球をたくさん入れたものをおきます(クニャクニャとした感触です)。さらにその上に、ガスの層を示すために、先ほどの材料さがしで見つけておいた直径3mmくらいの小さな球をたくさん入れます。この円筒に実際に上から手を入れ底の金属球まで順次触れてもらいます。感触については皆さんにけっこう好評でしたが、腕の回りにガス層を示す小さな発泡スチロールの球がたくさんくっついて球があちこち散らばり、後の掃除がたいへん、ということになりました。

(注)液体金属水素について後で調べてみました。数百万気圧のような超高圧化では、水素の分子はばらばらになって原子になり、さらにその原子も電子が陽子から離れて金属の自由電子のようになり、金属と同様伝導体になるそうです。木星の強い磁場の原因の一つも木星内部が液体金属状態になっていることにあるようです。水素の金属状態についてはすでに1930年代から理論的に予測され、10年余前には百万分の1秒以下というわずかな時間ですが実験でも液体金属状態が確認されているようです。
   木星について私がもう一つ疑問に思ったことは、表層はガスなので木星の半径など大きさはどのように決めるのだろうかということです。惑星の半径は1気圧が基準になっていて、1気圧の部分が表面、それ以上の部分が内部ということになるそうです。 (注終わり)

 他の4班もそれぞれ独自の教材を考案しました。私の隣の班は、見える太陽の模型を作りました。直径30cm弱の球の真ん中に本物の電球を入れ、上の半球はX線で見た太陽表面、下の半球は可視光線で見た太陽表面を表現するものです。触ってみると、X線で見た方はスポンジのようなのが凸凹していましたし、可視光線で見たほうはけっこう滑らかで所々にコロナなどがぶら下がっていました。
  もう一つの班は、わずか5分余のプレゼンテーションの時間内に、地球の誕生から現在までの地球の歴史をレビューするという、すごい企てでした。微惑星の衝突で地球が成長していく様子を、磁性を帯びた粘土上の物同士をぶっつけたり、さらにそれに回りからクリップを投げつけたりして見せました。また、パンゲアが各大陸に分裂していく様子は、紙の下から磁石を働かせて紙の上の各大陸を示す小片を動かすという方法で見せたりしました。触ってみても、なかなか面白い工夫だと思いました。
  その他の2班は、偶然にもオリオン座の立体模型でした。でも、その方法はまったく異なっていました。オリオン座は、教科書に出てくる主要な7つの星を結んだような図を点図化したものしか触ったことはないので、立体模型はとても新鮮に感じました。
  1つの班の模型は、地球から水平方向に1光年の距離を1mmとして各星を正確に配置してあります。そうすると、下のオリオン座のデータからもわかるように、一番近いベラトリクスは地球から24cm、一番遠いアルニラムは地球から134cmも離れた所にあることになります。もちろん角度や高さも正確に再現していて、これだけばらばらの星たちを一つの形にまとめて見ていることに改めて感心しました。
  もう1つの班は、地球を中心に半径10cm弱の半球を作り、オリオン座の各星を垂直方向に配置していました。2つくらいの星は半球まで届かず、他の星は半球を突き抜けて飛び出しており、それらを半球上に投影すればふつう見慣れているオリオン座の形になることが触ってもよく分かりました。さらにこの班では、地球から見たオリオン座の形のほか、地球とは反対の宇宙のかなたから見たときのオリオン座の形(左右が反対になる)、斜め上から見たときの形(角度によってはハート形に見えるそうです)など、宇宙のあちこちから見たときのオリオン座の形も示していました。とても面白い見方だと思いました。これについては、後でこの班のあるメンバーから点図と簡単な模型を作ってもらい、よく理解することができました。
*地球から見たときの配置:左上ベテルギウス、右上ベラトリクス、中央の三つ星は右からミンタカ・アルニタク・アルニラム、左下サイフ、右下リゲル
  宇宙のかなたから見たときの配置:左上ベラトリクス、右上ベテルギウス、中央の三つ星は右からアルニラム・アルニタク・ミンタカ、左下がリゲル、右下がサイフ

 後でオリオン座についてちょっと調べてみると、とても興味深い星座であることがわかりました。数百光年も離れていても肉眼ではっきりと見えているということは、各星が太陽に比べて格段に明るく(数千倍から数万倍)、それだけ質量も大きく、その寿命は太陽に比べてずっと短かい(たぶん千万年くらいから数億年)ことになります。ベテルギウスは早ければ数百年後には超新星爆発を起こすかもしれないということです。いっぽう、オリオン座付近は星間物質の濃度が非常に高く、次々に原始星、それも大質量星が誕生している領域だということです。あと数百万年もすれば、現在見えているオリオン座のいくつかの星はその一生を終えて姿を消し、それに代わって新しく生まれた若い星たちが輝いていることでしょう。そのころまで人類が存在しているとすれば、新しい星の配置に新たな星座名を付け、新たな星物語をつくっているかもしれません。

 今回の座談会とワークショップは、ふだんしている仕事などとはまったく別のもので、私にとってはなによりも良い気分転換になりました。回りの参加者も生き生きと熱中していたようです。ふだん見ているだけでは気付かないようなことに気付き、その気付きが学びにつながっているからでしょうか。
  図や写真を多用している教科書の点訳では、それらを触覚で判別し理解できるようにあるいは文章で何とか説明して分かるようにとしているわけですが、それには限界があります。本当は教科書や教材も、そして教育内容も、もっともっとユニバーサルで多感覚的(multisensory)にならなければなりません。せっかく特別支援教育の制度がスタートしたのですから、教科書や教材、教育内容もそれに見合ったものに変えてゆかなければならないと思います。

[オリオン座の主要な7つの星のデータ]
  「天文おまかせガイド」の「オリオン座」 http://astronomy.lolipop.jp/orionis.htmlより作成

(HP作成担当より:以下は晴眼者用の表です。視覚障害者は、<table border="1">から</table>まで飛ばしてください)

 名称  距離  視等級  直径  質量  タイプ  絶対等級  明るさ  表面温度
 ベテルギウス  427  0.58  650  5〜14  赤色超巨星*1  −5.14  9,500  3,600
 ベラトリックス  240  1.64  6  9  青色巨星  −2.72  950  23,300
 アルニラム  1,340  1.69  26  40  青色超巨星*2  −6.4  28,800  29,000
 アルニタク*3  817  1.76  60  28  青色超巨星  −5.25  11,000  30,000
 ミンタカ*4  916  3.2  60  21  青色輝巨星  −4.1  9,000  31,000
 リゲル*5  773  0.12  70  17  青色超巨星  −6.69  38,000  11,000
 サイフ  720  2.06  11  17  青色超巨星  −4.66  5,500  26,000

名称      距離  視等級 直径  質量  タイプ    絶対等級 明るさ 表面温度
ベテルギウス  427   0.58  650   5〜14  赤色超巨星*1 −5.14  9,500  3,600
ベラトリックス 240   1.64  6    9    青色巨星   −2.72  950   23,300
アルニラム   1,340  1.69  26   40   青色超巨星*2 −6.4   28,800 29,000
アルニタク*3  817   1.76  60   28   青色超巨星  −5.25  11,000 30,000
ミンタカ*4   916   3.2   60   21   青色輝巨星  −4.1   9,000  31,000
リゲル*5    773   0.12  70   17   青色超巨星  −6.69  38,000 11,000
サイフ     720   2.06  11   17   青色超巨星  −4.66  5,500  26,000

注:距離は光年、直径は太陽比(倍)、質量は太陽比(倍)、明るさは太陽比(倍)、表面温度はK
  *1 SRC型変光星。実視光度が5.8年周期で0.0〜1.3等まで大きく変化し、もっとも明るい時期はリゲルよりも明るい。
  *2 はくちょう座α型変光星。変光範囲がごく僅かで増光・減光を肉眼で確かめることは困難
  *3 3重の実視連星。データは主正のもののみを掲載
  *4 4重の連星。データは主正のもののみ掲載。4重の連星のうち1組は表に示した星と同程度の明るさの星と分光連星になっていて、その分光連星の視等級は2.23、絶対等級は−5.0
  *5 2重の実視連星。データは主正のもののみ掲載

[用語解説)
視等級(見かけの等級):肉眼(または望遠鏡)で見た時の明るさ。1等級の違いは2.5倍になる。すなわち5等級の違は100倍の明るさの違いになる。
絶対等級:恒星の本当の明るさが比較できるように、各恒星をすべて10パーセク(32.6光年)離れた所から見たとしたときの明るさ。太陽の絶対等級は 5(太陽の見かけの明るさは−27等)。
  *絶対等級の定義、および光の明るさは距離の2乗に反比例すること、5等級の違が100倍に相当することから、視等級と絶対等級と距離(R光年)の間には次の関係があることがわかる。
   視等級−絶対等級={log(R/3.26)−1}×5

実視連星:互いの星が実際にかなり近い位置にあり、互いの重力束縛を受けている場合をいう(これにたいして、地球からみてほぼ同じ方向にあって一つに見えているが、実際は互いの星が遠距離にあって重力による関係がない場合を見かけの二重星という)
分光連星:実際に連星系をなしているが、互いの星が余りにも近い位置にあるので望遠鏡からは確認できず、そのスペクトルタイプの相違によって連星であることが分かる場合をいう

赤色超巨星:質量が太陽の10倍前後あるいは明るさが太陽の数千倍以上で、スペクトル型がMまたはKの星(これらの星は超新星爆発を起こす可能性が高いと考えられている)
青色巨星:質量は太陽の数倍以上で、スペクトル型がOまたはBの星
青色超巨星:青色巨星の中でも、質量が太陽の10倍以上、明るさが太陽の10,000倍以上の星
青色輝巨星:明るさが太陽の数千倍の青色巨星

脈動変光星:恒星自体が膨張・収縮を繰り返し、 大きさや明るさが変化する星。星の特徴や変光の仕方により細分されており、表中のSRC型変光星やはくちょう座α型変光星もその1タイプ。なお、変光星の一種である食変光星の代表アルゴルを詳しく観測しその変光のメカニズムを明らかにしたのはイギリスの聾のアマチュア天文家グッドリック(John Goodricke: 1764〜1786年)である。

恒星のスペクトル型(スペクトル型、表面温度、恒星の色、代表的な恒星の順)
  O型 50,000K 青白
  B型 20,000K 青白 リゲル、スピカ
  A型 10,000K 白 シリウス、ベガ
  F型 7,000K 薄黄 カノープス、プロキオン
  G型 6,000K 黄 太陽
  K型 4,000K だいだい アルデバラン、アークツルス
  M型 3000K 赤 アンタレス、ベテルギウス
  (各スペクトル型はさらに、各アルファベットの後に0〜9までの添え字をつけて細分される)

(2008年5月20日)