モロー

　モローは、生前はサロンで成功をおさめ、美術学校の要職にもついていた。没後には大規模な回顧展が開催されたほどの名声があったのである。しかし、やがて忘れ去られていき、一部の画家が注目するに過ぎなくなっていった。
　だが、1961年にルーブル美術館回顧展が開催された頃から次第にこの画家に対する評価は高くなっていく。
　発表した作品は少なかったが、７２歳で死の床につくまでスケッチブックを話さず、残された油彩画やデッサンなどをの全てを見られるように展示して欲しいとの遺言を残した。その遺言通り、パリでの彼のアトリエが現在のギュスターヴ・モロー美術館として公開されている。