ろ ロ ボ ッ ト
チェコの作家、カレル・チャペックが、戯曲で「ロボット」という単語を作り出す前から、働く機械というものは存在した。ヨーロッパのある辞典では「自動人形」の項目に、「十八世紀はじつに自動人形の時代である」と書かれているほどである。この自動人形。もちろんまともなものが大半であったが、なかには結構いかがわしいものがあったようだ。
そのいかがわしいもののひとつに「メルツェルの自動チエス人形」というのがある。これはおよそ半世紀にわたって人々の話題をさらったものであるが、実はこれは中にいる人間を巧妙なしかけで隠したものであったという。
しかし狭い箱のなかでチェスをさせられるのは相当に辛かったそうで、中の人間がストライキをやったこともあるらしい。
ちなみに「ロボット」の語源は、辛い労働、労働者といった意味だそうである。