く   孔 雀 王 と ア ダ ム

 最初に創造された天使は神に服従しなかったため、地獄に投げこまれたが、七千年の後許され、今度は神の一番のお気にいりとなった。この天使は孔雀王と名づけられ、すべての天使の上に置かれることとなり、後に孔雀王は神と二つの火が一つになるように合流したと言われている。

 これはイスラムの異端宗派イェージド教の聖典に書かれた創世神話であるが、そのなかに、孔雀王と、アダムのことについての記述がある。それによれば、アダムをそそのかして、禁断の実を食べさせたのは、神の全権を持った孔雀王だったというのだ。理由は、アダムが働かないために、大地が荒れ果てているからだということだ。ちなみに禁断の実とは、ここでは小麦のこと。それにしてもいろいろな解釈があるものだ。

 禁断の実を食べさせたのは、神か悪魔か?