宝くじ
SF作家の半村良氏の昭和50年くらいの作品に「邪神世界」というものがある。
主人公の不動産会社のセールスマン岩井は1000万円の宝くじに当たってしまう。しかし、そのときから少しずつ彼の周囲が変わりはじめ、次第に別な世界に足を踏み入れることとなった主人公は、そこでくりひろげられる神々の戦争に次第に巻き込まれていくことになる。と、内容はこういったものだが、この中で1000万円に当たった主人公がその使い道に悩むという場面がある。確かに1000万円の夢を買って宝くじを買った。だが、実際に当たってしまうと、どうやって使っていいのかわからない。無駄に使うのはばからしいが、そうかといってただ貯金するというのもなんだか情けない。と・・・。
僕も毎年年末には宝くじを買っている。もし10万円が当たったとしたら、どうせあぶく銭と、たぶんすぐに使ってしまうだろう。100万円となると実際に当たってみないとわからないけど、プラズマテレビでも買ってホームシアターセットを組むとか、とりあえず普通ならちょっと高くて自分で買いそうにないものを買うのではないだろうか。でも、10万円や100万円を当てるためなら最初から宝くじは買わない。確率が悪すぎるからだ。そりゃあ、当たればうれしいけどね。
やはり宝くじを買う以上は、一生手にすることはないであろう1億円、2億円といったところを狙いたい。でも、本当に当たったら悩むだろうなあ。今のところは家を買い換える気にはならないし、車は買い換える時期だけど、運転が好きというわけでないからスポーツカーなんかが欲しいとは思わない。かといって普通の高級な車は大きくて運転に苦労しそうなので、たぶん2億円が当たっても、買う車は今考えているものとはそう変わらないのではないかな。そうなるとしばらくはお金は銀行に置きっぱなしに・・・。ん?じゃあ、なんのために宝くじを買ってるんだ?
とりあえず運試し。当たればラッキー。でも、なんとなく当たったらそれで運を使い果たしてしまって、その後はろくでもないことが起こりそうな気もする。はずれたらはずれたで、まあいいか!と思ったりして。
・・・こういうことを考えるのもまた、宝くじの値段のうちなのだろう。
2003年12月13日