シーズンチケット/PURELY BELTER
【監督】 マーク・ハーマン
【出演】 クリス・ベアッティ/グレッグ・マクレーン

■『プレミアリーグの地元チーム・ニューカッスルの熱烈なサポーターであるジェリーとスーネルが、憧れのシーズンチケットを手に入れるために奮闘する1年間を追ったお話。

チケット代金を貯めるために彼らが止めたものってのが『酒・たばこ・ドラッグ』・・・。中学生くらいだと思うんだけどねい。もちろん親がお金を出してくれるような環境ではないので、万引きした物を売ってお金儲けを しています。年下のジェリーは学校にも行ってないんだけど、2週間真面目に通学すればサッカーのチケットをあげると伯母さんにいわれて、教師のいじめに合いながらも(きっちり仕返しはしてたけど)通うんですね。

その時授業で『初体験』をテーマにクラスで発表するシーンがあるんですが、ここでジェリーは『はじめてお父さんとサッカーを観に行った時の話』するんです。

「小さかったのであまりよく覚えていないけど、すごく寒い日で、震えていた自分にお父さんが自分のジャンパーを着せてくれて、お父さんも寒いはずなのに自分を見つめる目がとても満足そうだったこと。ハーフタイムに買ってくれた紅茶が砂糖が二つにミルクがたっぷりでなんというかそれは世界一の紅茶だったこと。試合が終わった後も二人で最後まで残っていてそれからゆっくり歩いて帰る途中、公園で鳥が鳴いていたこと」などを。

ジェリーの父親はアル中のうえ暴力夫なんだけど、そんな彼でも昔はそれなりにいい父親だったのか・・・と思いきや! これはすべて相棒のスーネルの子供の頃の思い出話で、ジェリーはこの話がとても好きで何度も彼に話してもらっていたんです。 だけどスーネルのこのお話も父親とはいっても本当の父親ではなくおじいちゃんのことで。ようするに二人とも父親とはいい思い出が無いんですね。そんな二人が『自分たちは絶対にいい父親になる』とお互いに誓い合うシーンは切ない。

そして、やっとの思いで貯めたお金をジェリーの父親に盗られてしまった(もうどうしようもないですな、この親父だけは)二人が最後にとった行動・・・。 原作ではちょっと悲しい結末を迎えるようなのですが、(原作未読のためちゃんと知りません。すいません) 映画のラストでは親切なおばあさんのはからいでホームスタジアムの近くに建つマンションのベランダから、おばあさんの淹れてくれたミルクティーを片手に観戦する二人の2ショットで終わってすごく後味がよかったです。

お金もないし、家庭環境もよくないけれど毎日をタフに生き抜く二人に、ぬるい環境でこれといった苦労もせずに生きてきた分、ひそかに憧れたり(笑)、 どうしようもない父親なのに大事なお母さんが死ぬかも知れないとなった時、 思わず町じゅうを探し回り、結局余計に心に傷を負うジェリーの姿に涙したりと短い中でもいろいろ見所があってなかなかにいい映画でした。


猿の惑星/PLANET OF THE APES

【監督】 ティム・バートン
【出演】 マーク・ウォルバーグ/ティム・ロス/ヘレナ・ボナム=カーター

ティム・バートン監督で《猿の惑星》ときたからには、面白いに違いない(おまけにティム・ロスが出てるし)と期待していったわりにはいまひとつの感が否めません。

ところであのオチの意味がわからないんですけど。 「もしかしてエンドロールのあとにまだ続きがあるのでは?」といったん席を立ったものの気になって通路に立ったまま最後まで観たのですが、結局なんにもないし・・・。 どうにも気持ちが悪いのでネットで納得のいく答えを探し回ったけど、私の理解力が乏しいのかいまだに膝を打つような名回答には出会えていません。

それはともかく内容ですが、こんなにとことん主人公以外の人間が使えないとは思わなかった・・・。 特にあの男の子!猿相手の戦いに『俺も俺も』と参加したがったわりには、何の役にも立たず、挙句の果てに馬の下敷きになってみなの脚を引っ張る始末。けっこう凛々しい面構えだったので期待した私があほでした。(姉の方もなにしにでてきたんだかわかりゃしないし)

それに比べティム・ロスのチンパンジー将軍のかっちょいいこと!! ノーメイクなのに誰よりも猿顔だったレオ(マーク・ウォルバーグ)に宇宙船の中に閉じ込められ、さんざん大暴れするも脱出できずに最後隅の方にうずくまっている姿に涙。あの場に私がいれば開けて差し上げたところです(無念)

来日記者会見:Wティムのボケ合戦だったらしいです。(その場で観たかった)


ブリジット・ジョーンズの日記/BRIDGET JONES'S DIARY

【監督】 シャロン・マグワイア
【出演】
レニー・ゼルウィガー/ヒュー・グラント/コリン・ファース

■『 ブリジット32歳。独身。母親の薦める見合い相手はいつもどこかが気に入らない。 新年の誓い(ダイエット・禁酒・禁煙)も実行できず、『どうして私はひとりなの〜♪』と部屋で寂しく熱唱する日々。そんなブリジットの前に現れた二人のタイプの違う男・・・。

面白かった。もう一から十まで頷ける(涙)。ただ決定的に違うは会社にあんないい男の上司なんか絶対にいない!てところ。ヒュー・グラント扮する(あのたれ目具合がちょっとクドイとはいえチャーミングな男だとは思う)みるからに女にだらしなさそうな上司、ダニエルとの社内セクハラメールの応酬も相手がヒュー様だからこそ成り立つ話ですな。

もうひとりバツイチの弁護士、マーク。(コリン・ファース。強烈に懐かしい。一時すごい好きでした。特に声が!) 母親が買ってきたセーター(トナカイ付)を平気で着るわ一言多いわおまけに退屈だわのええとこなしですが、ひとつだけいえるのは誠実だってこと。 この正反対のタイプの2人の間で揺れるブリジットが正直羨ましい。 なんだかんだいってモテモテやんか。

最後はだいたい予測がつく方とくっつくんですが、このラストもいいんですよ。なりふりかまわぬブリジットも大好きだけど(えらいよ)男の方も大人の魅力炸裂です!(イギリス男はこういうときホント洒落てる) 一瞬、また振られるのかブリジット!!と思わせといて実は・・・て感じなんですよ〜。

この映画、カップルで観るよりも(観てもいいけどさ別に)やはりブリジットと似た境遇の女が連れ立って観た方が断然面白い。語り明かせますから(泣笑)

笑ったシーン: ブリジットが履いているデカパンをみたヒューが『すごい!もっとよく見せて』とせがむところ(笑)。いちおうラブシーンなんだけど、現実感あふれるセリフがおかしい。『俺が履いてるのと似てる』とまで言われりゃ女も開き直れますな。


London Dogs/Love,Honour and Obey

【監督】 ミニク・アンシアーノ/レイ・バーディス
【出演】
ジョニー・リー・ミラー/ジュード・ロウ/リス・エヴァンス

■『平凡な郵便配達員じゃ人生つまらんと親友のジュードに頼みこみ、彼の叔父が率いるギャングの一員に加えてもらうジョニー。憧れのギャングライフが始まるはずが実際の彼らがやっていることはひたすらカラオケで熱唱するか、コスプレしての強盗・・・。ひとりやる気が空回りのジョニーはジュードの忠告も聞かずついにはサウスロンドンのギャング、マシューを殺しに彼の自宅まで押しかける!そこまで勝手やられちゃ辛抱たまらんと、とうとうカラオケ大好き親父も本気をみせることに・・・。』

公開初日と翌日の二日間に限り、先着100名だけがもらえるというビデオ目当てで上映1時間前に乗り込んだのですが、さすがにタダで貰えるとなっちゃ出足が早いですなみなさん。 映画館に着いた時点でいつになく人が多く、『もしや出遅れたかッ!』と焦りましたが、なんとかビデオはいただくことができました。よかった。

さて、映画の方ですが。内容全然知らないで行ったもので冒頭のカラオケ大会からすでにどう理解していいものか悩みました。それにしてもジュードの叔父・ノースロンドンのギャングのボス(レイ・ウィンストン)の歌の上手いこと! それに比べてジュードはどうかといいますと、余りにフレーズが短く判断つきかねます。(でもひじょうに楽しそう) ギャング仲間のヒマさえあればカラオケやってるか下ネタ話してるかのお気楽ぶりに業を煮やし、次から次へとトラブルを起こしまくるジョニーを、ちょいちょいたしなめる
お兄さんなジュードというこれまでにない役柄もおステキでしたし、 ロンドン・マフィアってこんなもん?とのんびり構えていたところへガツンと裏社会のルールを示すラストまでけっこう楽しく観れました。

しかし、この映画の一番の見所はやはり
ジュードの衣装替えでしょうか。(結局そこか)スーツ姿からラフなセーター姿、最後にはロビン・フッドのコスプレまでまるで昔のアイドル映画のように次々と着替えては登場してくれるジュードにうっとりの連続です。それともうひとつ見逃せないのは仲間のひとりが入院しているシーン。『腹を刺され、変なクスリを飲まされ、最後に火までつけられてもなんでかこいつ死なないよね〜』とみんなが大爆笑している後ろで椅子に座って居眠りしているジュードの寝顔の可愛いこと!(絶賛)

ジュード・ロウのすごいところはこの人さえ観られれば内容なんかなくてもいい!と思えてしまうところですな(すいません)。 なんだよこの退屈な話!て時でもジュードがひとたび出てくればそこにはお花が咲いたようv。こんなオーラのある夫にくらべて、嫁のなんとつまらんことでしょう!今回はじめて動いているセイディを観ましたがぶっちゃけた話、ジュードが褒めちぎるほどには綺麗だとも思わなかったし、なにより華がなさすぎ。なにかっちゃ一緒に出たがるようだけど、ご自分のためにも控えた方がよろしいかと思います。

好きなシーン:やはり冒頭のカラオケ大会は外せません。特にお気に入りなのはサウスロンドンのギャングのボス、ショーン!Thank You London!とすっかり歌い手気取りっす。ジュードとジョニーの2ショットも目の保養ですが、この映画おっさんどもが可愛すぎですよ。


ロック・ユー!/ROCK YOU!

【監督】 ブライアン・ヘルゲランド
【出演】
ヒース・レジャー/ポール・ベタニー/シャニン・ソサモン

もともと騎士ものコスプレものが好きなので、ものの見事にハマリました。 話が進むにつれひとりづつ仲間が増えていくところとか(RPGぽい)、観た瞬間『あ!こいつ 悪者。最後に負ける人』とわかるその明快さとかもう迷いようがないストレートさでそこが好きです。登場人物もキレイなお姫様がいて、カッコイイ騎士がいて、彼を助ける仲間たちには喧嘩っ早いのと、それをなだめる役とその他に世渡り上手で世事に長けてるのがいて、かっちょいい女の子もいてと、子供の頃に読んだファンタジーを思い出して、久しぶりにワクワクする感じでした。

どのキャラもいちいち私のアンテナに触れてくるんだけど、特に好きなのがチョーサー(ポール・ベタニー)。いきなり真っ裸で登場した時から気になってました。(白人て肌が白いというよりピンクなんですな。)みぐるみ全部剥がれるまでやらなきゃ気がすまないほどのギャンブル好きで、口が悪い。けど頭の回転が速くて一度仲間となったからには絶対に裏切らない。そして権力に媚びることなく自由きまま。でもどこかうさんくさい(ここ重要)私はこういう男に本当に弱い

試合の前に従者が主人の経歴を朗々と謳い上げるシーンがあるのですが、そのときのチョーサーはまさに独壇場!自己陶酔の極み。さすがに文筆業をなりわいとしているだけあって表現が豊かといえば聞こえがいいが、紹介される方が思わず照れるくらいおおげさ。(しかもでっちあげだし全部)おまけに最後に巻き舌で『ウ〜〜〜〜ルリッーーーーク!』と絶叫!喉枯れてます。このマイクパフォーマンスを最後に敵の従者が真似してたのが微笑ましい。自分の主人が負けたのに拍手してるし。

身分を偽って馬上槍試合に出場する黒太子ことエドワード王子がこれまたいい男で、ウィリアム(ヒース・レジャー)が履歴を詐称していたのがばれてさらし者になっているシーンに颯爽と現れ、平民の出だけどその行いとか心根は充分騎士である!とかなんとかぶち上げてその場で貴族証明書を発行するのはやっててさぞや気分のいいものだろうと思いました。

好きなシーン:ウィリアムのためにみんなでジョスリン宛のラブレターを書いてあげるところ。もちろんチョーサーが代筆。いまひとつロマンティックな表現に欠けるウィリアムに代わり、それぞれが過去の恋愛話を交えながら考えてあげるのだけど、このカコバナ(略してみた)がいちいち辛い。あれは参考になったのでしょうか・・・。

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