■ 愛する妻の死を境に神に背を向けたひとりの元牧師が、再び信仰を取り戻すまでの日々を恐怖と感動で描いた稀に見る傑作コントです。
妻の事故死がきっかけで神を信じられなくなったグラハム(メル・ギブソン)は、牧師を辞めて農夫になります。専門はとうもろこし。だだっ広いとうもろこし畑を、どうやら弟メリル(ホアキン・フェニックス)と二人きりで切り盛りしているようです。そんな働き者の彼らの畑にある日、ミステリー・サークルが現れます。最初は誰かのいたずらだと思われていたそれは瞬く間に全世界に出現。なんということでしょう・・・ミステリー・サークルはUFOの道標だったのですーーー!!!!(←怖がるところですから)
次々と飛来するUFOの映像が映し出されるTVを食い入るように見るグラハム一家。「今日から科学が変わるんだ・・・」と好奇心いっぱいの息子・モーガンは、メリル叔父さんの大切な水着特集のビデオテープの上から重ね撮りです。あとできっと怒られます。「地球はこれで終わりかも知れない・・・。」ともう想像するだけで発狂しそうな恐怖の一夜。しかし気がつけば爆睡のグラハムがようやっと起き出したのは翌日の11時過ぎです。意外と呑気です。
TVではさらに「笑撃衝撃の映像」として、メキシコの住宅街に突如として現れた宇宙人の姿が映し出されます。小さな子供の誕生日会にうっかり迷い込んだ様子の宇宙人。気のせいかオロオロしているようにも見えます。おまけにその姿は、「宇宙人の絵を描いてみて」と言われた人の約8割は間違いなくこう描くだろうというようなベタさ。しかもそれが家庭用のビデオに・・・・・・。これを怖がれという方がムリです、シャラマン監督。瞬間、世界規模のドッキリ?と思ったひとも多いことでしょう。しかし、しかし違うのです。奴らはなんと人間を食料としてテイクアウトしようと企んでおったのです!!(失神←嘘)
その夜。ついに宇宙人たちの一斉攻撃が始まります。地下1階地上2階の木造住宅にセコムなんて洒落た防犯機能が備わっているはずもなく、やれることといったらひたすら家を内側から板で打ちつけることくらい。まるで台風でもやってくるような按配です。ところがこれが意外と効果大!!!奴らは何万光年もUFOに乗って移動する知恵はあっても、がっちりと釘で打ち付けられたドアや窓を破るのは苦手のようで(指がほっそいから?)、ひたすらガリガリと壁を引っかくのみです!!!なんかもう楽勝ムードさえ漂ってきました。
ところが、ここでアクシデント発生です!息子モーガンが喘息の発作をーーーー!!!クスリは上の部屋にしかありません。早く取りに行かないと!ところで今何時ごろ?えっ!うっかり12時間も眠っちゃったの?ならもう朝じゃん!ラジオはなんて言ってる?急に何かに怯えたように撤退してるって?じゃあじゃあ行ってみる?!
「朝陽が目に染みるぜ・・・」そうです。我々人類はどういうわけかエイリアンどもに打ち勝ったのです。あいかわらず何に怯え逃げていったのかはわかりません。(というか分からないという気持ちで見なければなりません。大方の人間は予想ついてると思われますが)「ヨカッタ・・・これでひとまず安心だ。さてTVでも見るか!」
あれ?なんかTVに変な人影が映ってる。しかも、モーガンを抱えてない?
・・・・・・・・・・・・なんという能天気な人達でしょう!昨夜あれだけオソロシイ思いをしたというのにあっと言う間に気が緩みきっておるのです!!普通、もっと警戒するだろう!!もうあほらし過ぎます、このうっかり家族・・・。
しかし、ご安心あれ。ここまではただの前フリ(長いな)。この映画のテーマはここからですから!
凶悪な(には見えないけど)宇宙人相手に、手も足も出ないグラハムとメリル・・・。そうこうしているウチにもモーガンにはしゅうしゅうと毒が吹きかけられています。もう絶対絶命です。とその時、グラハムの脳内にまさに天の声が聞こえてくるのです。それは亡くなった妻が今際の際に残した言葉。
「メリルに伝えて≪打って≫」と・・・。(補足:メリルは元マイナーリーグのホームラン王なのです)
ゆっくりと振り返った目線の先には壁に掛けられたバット。その側で固まっているメリル・・・。 まさかと思いましたね。まさかこの宇宙人をバットで殴り殺す気なのではなかろうなと・・・。しかし、そんな困惑気味のこっちの気持ちにはお構いなしにバットを手に取るメリル。そして案の定!!!!。思い切り殴られよろける宇宙人(激弱)。よろけた先には部屋中に娘のボーが置きっぱなしにしていた水の入ったコップが!!!ばしゃーーん!!!ぶしゅぅぅぅぅぅぅ・・・・。
今さら言うのも嫌なんですが、この宇宙人たちが最大に恐れているもの、それは水だったのです。えへ。
これで本当に終わりなんだ(歓喜)。嗚呼だけど、モーガンが!!いやいや待てよ。喘息の発作で肺は閉じていたはず!ということは・・・。パッチリと目を開けたモーガン・・・。「誰かが助けてくれたの?」
オオ!!モーガン!!喘息の発作はこのためだったのかー!!それにそれに、自分が繰り返し妻の最期の時の夢を見たのも、ボーが「このお水ヘンな味がするのーー」と部屋中にグラスを散らかしまくったのも、全てこのときのための伏線だったのか!!!これって奇跡だよね。そうだよね。お父さん、もう一度神様を信じてみるよ!!(信仰ってこんな感じでいいんすか?)
ここで泣けた人はやっぱり、奇跡とかそういうものを信じてる人なんでしょうなぁ・・・。(ていうか、泣いた人いる?)私は全然ダメでした。それよりさっきの宇宙人だけど・・・ってもうそっちの方が気になってしょうがないっすよ。しかしスゴイなぁシャラマン監督は。一人の牧師が信仰を取り戻す話に、宇宙人出してくるんですから。なぜ宇宙人?!しかもあんなベタな。別に宇宙人のルックスが話に影響あるわけではないのですが、いくらなんでもあんまりかと。いい年こいたグラハムやメリルが盛大に怖がるのが不思議でしょうがない。あれはむしろ笑うとこではないのデスカ?。
見終わった後、思わず半笑いになってしまうこの映画。案の定、かなり叩かれてます。でもそんなに悪い作品ではないと思うんですよね。コントとしてはかなりの出来ですよこれ。あとシャラマン監督、今回出すぎ。それと、リバーに比べてどうにも繊細さに欠けるわ!と思っていたホアキンが、意外にも弟役をかなり愛らしく演じています。甥っ子や姪っ子と一緒になってアルミホイルで作ったお帽子を被るメリル。(
キスチョコか思いました/yuka・Bさん)「これで心の中を読まれることはないはず!」と本気で信じていたと思われます。バカワイイ。
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