木更津キャッツアイ 日本シリーズ

【監督】 金子文紀
【出演】 岡田准一/櫻井翔/岡田義徳/佐藤隆太/塚本高史/酒井若菜/阿部サダヲ/古田新太/薬師丸ひろ子/小日向文世

■ 木更津ファンで満員の映画館で見たせいか、最初から異様なムードでございました。とにかく何が出てきてもウケるし嬉しくてしょうがない(笑)。映画を見てるというよりライブ会場にいるみたいな雰囲気でした。オープニングはすっかり年を取ったキャッツのメンバーが出てきて、そこから「ぶっさんの思い出話」として本編へなだれ込むわけですが、この場面でウッチー役をやっているのが、本編ではウッチーの父親役の渡辺いっけい。これが仕草から話し方までそっくり!さすが役者だわ〜。爆笑だったのがバンビ役の中尾彬。急に出てきて「バンビだよ」の一言であれだけ笑いを取れる人も他にはいないだろうと思われます(笑)。 内容はTV版を見ていた人にはたまらなく面白い、見ていなかった人にはちとわかり辛いお約束事の連続でしたけど、この作品をわざわざ劇場まで見に行く人はTVからのファンだろうから、それはそれでいいんでしょう。実際、私はバカ受けでした。特にオジー(古田新太)絡みのエピソードは最高っす。どう面白いかはもう見てもらうしかないんだけど、一緒に行った同僚は思わず手を叩いて喜んだくらい。←ウケすぎ。

木更津ってキャッツのメンバーはじめ、阿部サダヲとか山口先輩とかキャストが絶妙なんですよね。他には考えられないところまできてる。準レギュラーの哀川翔(本人役で出演)がこれまた素晴らしくて、やはり哀川翔を演じられるのは哀川翔意外に考えられないと確信しました。いやもうカッコヨカッタっす。映画館出る頃には自然に「翔さん」なんて言ってて、もうちょっとでテアトル梅田が企画した「哀川翔祭り」のチケットまで買っちまうとこでした。危ない危ない。

TVシリーズのお約束をきっちり押さえつつ、映画だからと張り切ってちょっとお金かけたりなんかして、それがまた中途半端に安っぽかったりしてと、とほほなところまで含めて非常に面白かったです。欲を言えばもう少しぶっさん(岡田准一)と公助(小日向文世)の絡みが欲しかったところだけど、多分これまだまだ続きそう(ぶっさんまた余命が延びてたよ)なので次に期待したい。それにしても、余命半年の友人とあれだけ雑に付き合えるキャッツメンバーが羨ましい。(そうそう、ゲスト出演のウッチャン。中身はともかく外見はあれ「無間道」のヤンを意識してますか?)


ラストサムライ/THE LAST SAMURAI

【監督】 エドワード・ズウィック
【出演】 トム・クルーズ/渡辺謙/真田広之/小雪/福本清三/ティモシー・スポール

※ネタバレしてます。

■ ハリウッド制作のサムライ・ムービーでまさかの号泣。時代考証的におかしいところ、外国ロケによる風景の違和感もあるにはあるんでしょうが(私も勝元の村がホビット庄に見えてしょうがなかったさ)そんな些細なことはどうでもよろしい。とにかくカッコイイのよこれに出てくる日本人が!どれくらいカッコイイかと言うと「これホントに日本が舞台なの?」と疑うほど(非国民)。勝元(渡辺謙)を筆頭に、ラストサムライたちの生き様死に様の潔さに、トムでなくったって惚れずにはいられないっす。冷静に考えると美化されすぎな気もする演出もあるんだけど、確かにこういう人達もいたんだろうなと思えるのは、渡辺謙さんをはじめ日本人キャストが説得力のある素晴らしい芝居をしてるからなんですな。

いやもうとにかく勝元萌え。異人のトム相手に英語で話しますよ。その英語がまた「疑問形は必ず語尾をあげるように」と教えられたあの中学英語のような生真面目さでなんとも可愛らしいのです。でもトムと一生懸命英語で話す時以外は激シブ!特に馬に乗るシーンのカッチョヨサにはくらくら〜。氏尾(真田広之)や他の侍もそうなんだけど、みんな片手で手綱を握ってるのね(一応トムも)。その凛とした姿が死ぬほどかっこよくてウキウキしました。しかしウキウキしてるのはこっちだけで、勝元はどんどん西洋化していく日本では浮いた存在になりつつあり、ついには天皇に楯突く者として大村(原田眞人)とかいうおっさん率いる最新式の大砲を備えた軍と戦うことになるんですよー。殿と陛下は相思相愛なのにさ!大村、ホントに嫌な奴ーー!!もうこのラスト30分は涙なくして見れませぬ。村人総出の戦いに挑む前のひととき、ひとり扇を手に舞う氏尾の姿や、なんの義理があってか一緒に行くというトムに「死なないで」と泣く子供とのやりとりとか、演出効果満点でここで泣かなきゃいつ泣くんだってくらい。そして最後に大村と向かい合った殿のあの笑顔!!これから死のうかって時にそんな顔で笑われたひにはーー!(号泣)!!渡辺謙も真田広之もここまでカッコヨカッタっけ?なんのメリットもないとしか思えないのに、こんな映画作ってくれたトムには心から感謝したい。いやメリットはあったかな。少なくとも私の中ではこれまでのトムの映画の中で最高でした。予告の印象だけで「日本人を相手に金儲けをたくらむゲスなアメリカ人将校の役」だと思い込んでいてごめんね。サムライだったわ〜、オールグレン(いまさら役名)。

殺陣も日本語も努力のあとがひしひしと伺えるのに、なにかっちゃ「謙に食われてた」と言われる彼があまりに気の毒なので(実際そうなんだけど)、ここはひとつ日本アカデミー賞でもあげたい気分です。いらんか。でも賞なんかいらんよね。だってトムは勝元に「きみは日本で名誉を取り戻した」と言ってもらい(彼もまぁいろいろあるのよ)、最後には彼から最高の名誉を与えてもらうんやもん。(←この件に関しては人それぞれ思うとこあるだろうけど)それで充分よね、きっと。

とにかく見てよかったと思える作品でございました。最後に感動的なシーンだろうけど、思わず笑ってしまった場面。勝元の村でのオールグレンのお目付け役で、斬られ役専門俳優、福本清三先生が出てらしたんだけど、英語を一切解さない役なのでトムに適当に「ボブ」と名づけられちゃって、最後にトムを庇って死んでいくシーンでも「ボブーー!!!」の絶叫(笑)。先生が死ぬのは必ずトムを庇ってのことだろうとは思ってたけど、さすがにあれには笑っちゃいました。誰がボブやねん。


ファインディング・ニモ/FINDING NEMO

【監督】 アンドリュー・スタントン
【声の出演】 アルバート・ブロックス/エレン・デジェネレス/アレクサンダー・グールド/ウィレム・デフォー

最初がえらいシリアスだったのでどうなることやらと思いましたが、めっちゃ可愛かったです。なにがってニモが。ニモは過保護のパパ、マーリンにそれはそれは大事に育てられた箱入り息子なんですが、最近ちょっとそんなパパをウザく感じるお年頃。学校にまでついてきてしまうパパに反抗するつもりで、ボートにぺたんとタッチ(ここがもう死ぬほど可愛い。食うたろかつうくらい可愛い)した途端、人間に捕まってしまい、あっという間に連れ去られるニモ!追いかけるマーリン!!ふたり(二匹?)は無事に出会えるのか!出会えます。だってディズニーだもん。

ハッピーエンドは目に見えてるんだけど、ニモを追って長い旅をするマーリンが途中で出会うドリー(キャラ最高!)や、亀の親子、いぶし銀のペリカンに助けられるシーンはぐっとくるし、捕まったニモを可愛がってくれる水槽仲間の歓迎式が強烈に笑えるしでどれもこれも上手いことできてるんだなぁ。特に好きなのは「魚は友達。食べ物じゃない」が合言葉の三匹の鮫。彼らの人間で言う「断酒会」ならぬ「断魚会」の場面は爆笑でした。「まずは自己紹介からだ!」なんて言うホオジロサメのブルースがピーター・ミュランに見えて仕方なかったっす。ここは大人向けのシーンですな。子供に深い意味はわかるまい。ふふふ。それと、以前英会話を習ってた時にアメリカ人の先生が「飼ってる魚が死んだらトイレに流す」と言ってたのがホントだったのには驚いた。埋めてやってよ〜。


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