■ ついに物語も完結。ある時はフロドやでぶのホビット(サムか)と共に旅をし、またある時は王と共にオーク軍と戦う。エンドロールを最後まで見届けながら「長い旅だったなぁ・・・」と肩の力を抜く自分はすっかりゴンドールの生き残り気分。充実の3時間30分でした。とは言っても作品としては二作目の「二つの塔」の方が好き。
普段、戦争なんか嫌!と思ってるわりに、合戦シーンになるとどうしようもなく血が騒ぐのはこりゃ一体どうしたことでしょう。特に、もうダメかも・・・と思った矢先に現れる大援軍!!!のシーンには震えるほど感動してしまう。二つの塔で一番泣けたのもハルディアが美しきエルフの大軍を引き連れて現れた場面だし、今回も狼煙が次々と上る場面でぐぐーーーっときました。そして自ら軍を率いて遠路はるばるやってこられたセオデン王。正味のとこ、来たくて来たわけじゃなかったと思うんですが、しかもあの狼煙はガンダルフとピピンが勝手に上げたもんだし(秘密)、おまけに当のゴンドールの執政殿は最初から戦う気なんかさらさらないときては、これはもう騙まし討ちではないかと。ホントにホントに申し訳なく思いました。今回はさらに「パイレーツ・オブ・カリビアン」が援軍だったりして、サウロン軍も「お前らなんでもありか!」とさぞや悔しがったことと思われます。が、予告を見た時、すっかり味方だと思いこんでいた象さん軍団がよもや敵だったとはーーー!!ビジュアル的に非常に好みだっただけに残念でした。また足をすぱーーーんと斬られたりするんだこれが。動物好きとしては辛いっす。せめて象牙だけでも持ち帰って・・・・(最低)。
原作未読者の勝手な意見としては、王が帰還したところ(戴冠式)で終わった方が盛り上がった気もするんですが、最後のホビット庄のあれこれまでやっての指輪物語なんでしょうな。(もしかしてあれから先がまだあったりするんでしょうか)
今回、なんといっても活躍されたのは最年長の白のガンダルフ様。いやもうかっちょよかったわーー♪すっかり腑抜けと化していたゴンドールの執政なんざあてにできんと(見切るのがものすごく早い。音速)自ら陣頭に立ち兵士たちを叱咤激励!その間にピピンの面倒は見なきゃならんわ、頭のおかしい執政はしばかにゃならんわで老人パワー炸裂!最後にデネソールを馬で蹴散らした時は「このクソ忙しい時に!!!」という言葉にならないイライラが満ち満ちてて爆笑でした。デネソールもせめて最後くらい人の役に立て!誰もいないとこに落ちてどうすんだ。敵の陣営の真っ只中につっこんでひとりふたり道連れにするくらいの気概を持て!バカ!
このバカ親父にさんざんな目に合わされるファラミア様がおいたわしくてもう(涙)。強烈なファザコンでブラコンのご本人にも幾許かの責任はあるとは言え、勇敢に戦って見事に散った兄上と比べ、気の狂った父親との無理心中なんてそれはもうあんまりあれ・・・。情けなさのあまりボロミア生き返るよ。その点、エオウィンは漢だったわー。最初は「アラゴルンの近くにいたいだけでしょ」なんて思ったせこい私を許して下さい。さすがは女の身で片腕一本でメリーを馬上に引きずり上げただけのことはありました。カッコイイのなんの。しかもあんな大役があったとは。でもあんなに王様ラブ!だったのが、なぜいきなりファラミア様の隣に?きっぱり「無理!」と言われたからか。見切りの早さはガンダルフ並。
メリーとピピンは初めて離れ離れになりながらお互いに健闘。ピピンてあんなキャラだったのね(笑)。メリーに怒られてしょんぼりしたり、後先考えずに物言ってガンダルフに怒られたりと子供みたいで可愛かった。レゴラスとギムリは今回あんまり出番なし。このふたりは前作が山場だったのかな。最後、すっかり身奇麗になってはんなり微笑むエルフの王子の浮世離れした雰囲気はありゃオーリィならではか。浮世離れといえばエルロンド様もそうなんだけど、今回は普通に父親らしかった。アルウェンを見送る顔なんか、愛娘を嫁に出す父親のそれだもん(笑)。王様、後々苦労しそう。
フロド、サム、ゴラムのトリオは最後まで気を揉ませましたな。もうサムが気の毒で気の毒で。「あなたの重荷は背負えませんが、あなたなら背負うことができます!」なんてこの実直ぶり。泣かせるじゃないですか。なのにフロドったらー!最後、「指輪と一緒に崖から突き落としたろか!」と思ったのは私だけではないはず!いっそ、最初からサムが持っててくれたら!とさえ思いました。すみません。しかし、あれだけ3人が苦労して辿り着いた滅びの山に、意外とあっさりアラゴルンたちが追いついていたのは何故?←そんな細かいことはつっこんではいけません。
どんな作品でも(それが大作ならなおさら)好き嫌いはありますが、この長くてスケールのどでかい物語を3部作のうちに見事に収めた手腕は認めてもいいのではないかなぁと思います。小さい人もエルフも人間も、みんな自分たちのできる限りのことをし、互いの友情に応えてみせた。それだけで感動。ひとつだけ、最後のあの場面にボロミアだけがいないのが哀しいね。この想いはデネソール様と同様でございます。
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