■ロバート・ダウニーJrが出てるんで借りてみたのですが・・・。こういうのを大人の恋というのですか?(疑)。マックス(ウェズリー・スナイプス)はそこそこ成功しているCM監督。今はロスで奥さんと二人の子供に恵まれ幸せな生活を送っています。(CMディレクターってそんな儲かるのか!と驚くくらいの豪邸です。)ところが、かつての仕事のパートナーであり、親友だったチャーリー(ダウニー・Jr)がHIVに感染していることを彼の恋人から知らされ、仕事がてらNYまで会いに来たところからマックスの人生は変わってきます。5年前に喧嘩別れして以来、会うこともなかったマックスとチャーリー。最初は「何しにきたんだよー」とそっけないチャーリーもマックスが自分の息子に”チャーリー”と名づけたことを知り、あっという間にほだされます。(ここの二人のやりとりがかわいくて好き/笑。ダウニーはお人形さんのようです。)素直に彼の援助を受けると言う、親友の思ったより元気な姿を見てマックスも一安心。記念にパチリと写真を撮ってあげます。
■気分もよくロスへ戻ろうとするマックスは、ホテルのロビーで美人のカレン(ナスターシャ・キンスキー)と出会い、これまたあっという間にいい仲に。ここら辺、簡単すぎて恥ずかしいくらいです。後のシーンでもよく分かるのですが、このマックスという男、仕事も真面目だし、他人に対しても誠実だと思うのですが、なんせ積極的な女に弱い。断り知らずというか、なし崩しというか(笑)。結婚も女の方に押し切られたんだろうなと容易に察せられます。この時は一夜限りの相手だったはずなのに1年後、いよいよチャーリーが危ないというので、彼を見舞いに訪れた病室で二人は劇的な再会。なんと彼女はチャーリーの兄、ヴァーノンの妻だったのです!(そんな偶然あるか。人口の少ない過疎の村だってんならともかく、NYですよ)久しぶりに会った二人はそれぞれの伴侶の手前、初対面の顔を貫き通しますが、未明に訪れたチャーリーの病室で二人っきりになったのをいいことに熱い抱擁をかまします。あんまり激しいので気配で目覚めたチャーリーびっくり!慌てて帰る兄嫁を呆然と見送ったあと、「ちょっとキミ、来なさい」とマックスを呼びます。(このシーンでの、チャーリーの”???”な目線が最高におかしい/笑)親友には黙っていられないと(ていうかバレバレだ)、洗いざらい吐くマックスに、「人生はオレンジだ。思うままに生きろ」と言うチャーリー。そして、自由に生き過ぎた彼はこの後永眠。合掌。
■マックスが撮った写真が飾られたチャーリーの葬儀。仲違いしていた親友と5年ぶりに和解でき、リラックスして微笑んでいる顔がキレイでしんしんとくるシーンです。「生きたことを祝って欲しい」という彼の遺言により、葬儀のあとはレッツ・パーティ!。みんな泣いたり笑ったりと忙しい中、最高に忙しないのがマックスとカレン。頭の中にチャーリーの言った「思うままに生きろ」という言葉が鳴り響いてしょうがないマックスは彼女を連れて離れへ。大騒ぎで抱き合う二人は、とても葬式帰りとは思えません。が、ふと人の気配を感じて硬直する二人・・・。見るとそこにはマックスの妻、ミミとヴァーノンの姿が!!(実の弟の、または親友の葬儀のあとに何をハッスルしとるんでしょうな、このひとたち。)
■それから1年。この二組の夫婦が選んだ道は・・・。まぁだいたい予想がつくと思うのですが、そんなうまいこといくかよ!というのが正直な感想。ハッピーエンドなんだろうけどね〜。実にアメリカ映画的っす。
最初は、なぜあえてチャーリーをHIV患者にしたのか分からんかったのですが、(ダウニー・Jr氏がゲイっぽいから?)兄のヴァーノンがマックス夫婦に「チャーリーは自分勝手過ぎた。自ら地雷原に飛び込んだようなもんだ。避けようと思えば避けられた運命だったのに・・・」とこぼすシーンがあり、これが彼の最後の言葉「思うままに生きろ」と絡んでくるのかなと思ったり。「思うままに生きるということは、その分、リスクも大きいんだよ」てことなんでしょうかねい。(考えすぎ。ただのW不倫の話ですなこれは。)
■話はいまいちですが、役者は上手いです。ヴァーノン役のカイル・マクラクランが妙に老けてて最初、誰か分からんかったけど。ちょっと薄情な雰囲気がハマってました。(ひとりだけチャーリーに触れる時、外科用の手袋とかしてんの。)スナイプスはね〜。とてもCMディレクターには見えませんでしたが、チャーリーが「いつまでいれる?」と聞いた時に、何も言わずに時計を外してみせるシーンや、夜明け前が一番怖いと言う彼のために毎日、まだ暗い中尋ねてきてくれるところにマックスの誠実さが見えてよかったです。ダウニーはあいかわらず上手いねーこりゃ。自由で繊細。しかし、彼ら以上の怪演を見せてくれるのが、ミミ役のミンナ・ウェイ。(ERのジン・メイ・チェンです。)いやもう動物かと思いました(笑)。あと、看護士の役でジュリアン・サンズが出てたんですけど、額が!スヴェン・ゴラン・エリクソン級の激しさでした・・・。顔はキレイなのにねぇ。惜しい。
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