ゴーストワールド/GHOST WORLD

2001年/アメリカ/111分
監督・脚本:テリー・ズウィコフ
出演:ゾーラ・バーチ/スカーレット・ヨハンセン/スティーヴ・ブシェミ

≪ダメに生きる≫

高校を卒業したばかりのイーニド(ゾーラ・バーチ)とレベッカはある日、「バスで出会った金髪美人さんへ。一緒にコンタクトレンズを探した、緑色のカーディガンを着た僕を覚えていますか?あれは運命の出会いではなかったでしょうか。シーモア。」という肌寒い新聞記事を見つけ、大喜びで「一度お食事でも。その時はあのセクスィーな緑色のカーディガンを着てきてね」とイタ電を入れます。当日、指定した店にやってきたシーモア(スティーヴ・ブシェミ)は期待以上のダサイ男で(特大のミルクシェイクなんか飲んでんの!ぎゃー!)二人はもう嬉しくてたまりません。とぼとぼと帰るシーモアを尾行して家まで突き止め、しまいには知り合いになります。古いレコードおたくで、ブルースのことを語りだしたら止まらない冴えない独身中年男シーモアを、レベッカは「キモイ!」と一刀両断。しかしイーニドは「あそこまでイモだと逆にいいわ」とマニア発言です。イーニドが傍若無人にシーモアを引っ張りまわすシーンが最高。「一度入ってみたかったの!」と、嫌がる彼を無視してアダルトショップに乗り込み、店の商品を片っ端から開けて大はしゃぎのイーニドと、それをいちいちキチンと元に戻すシーモア。もはやコントです。

■「高校を卒業したら一緒に暮らそう。」と約束していたイーニドとレベッカですが、レベッカの方がそのために就職し家探しも始めているのに対し、あいかわらずぶらぶらしているだけのイーニド。しょうがなく始めたバイトも一日でクビになり、レベッカとも大喧嘩。家では別れた両親がヨリを戻そうとしていたりともう行き場がありません。シーモアも新聞記事を見た例の金髪から連絡が入りいいムードになってきたため、イーニドと徐々に距離をおこうとします。ある夜、シーモアを尋ねてきたイーニドは勝手に冷蔵庫から取り出したシャンパンをぐい飲みしながら、「私ここに越してくるわ!」と爆弾発言。この時のシーモアのおろおろぶりが情けないやら滑稽やら。(ブシェミをキャスティングしてくれてありがとう!)しかし、なんとかして帰そうと焦っていたはずが、なぜか一夜を共にする二人。(酔うとったんでしょうな。)それまでひたすらイーニドを遠ざけようとしていたシーモアが、「で、ここに越してくる話だけど・・・」と言い出した時は、ワタクシ鳥肌立ってしまいました。なんかそれまでのシーモアとあまりに違う発言で。(若い娘に翻弄されて、オロオロハラハラの枯れ具合が絶妙だったのにー!)急につまらない男に見えてしょうがなかったです。

■そんなはりきりシーモアに言葉を濁し、彼が寝ている間に家を出るイーニド。その後も何度もかかってくる電話を無視し続けます。(怖いって)業を煮やしたシーモアが彼女を探し回る姿はいっそ哀れ。(他に聞きたいこともあったんだけどね。)尋ねてきた彼に事の発端を話し、イーニドの日記をみせるレベッカ。そこには≪バカ正直に緑のカーディガンを着て現れた惨めな自分の姿≫が描かれてあり、おまけに彼女達の友人ジョッシュ(ブラッド・レンフロ)にはハートマークが!すっかり逆上したシーモアはジョッシュがバイトしている店で大暴れー!。しかしあっという間に取り押さえられ逆に病院送りです。すっかり意気消沈のシーモアを見舞いに訪れたイーニドは優しく彼に言います。「バカね。最後までちゃんと見たの」と。 最初こそキモ親父扱いだったシーモアですが、日を追うごとにイーニドにとって大切な人として描かれている日記を見てようやく納得するシーモア。どっちが子供なんだか分かりませんな。(この絵日記がこれまた最高。ブシェミの特異な顔はイラストにすると、どんな表情してても結局怖いことが判明。

■話の中に、廃線になって来るはずのないバスをずっと待っているおじいさんが出てくるのですが、この人の扱いがちょっとわかりづらいのです。イーニドたちが「バスは来ないのよ」と言っても「キミたちが知らないだけ」というじいさん。しかし、ある日イーニドは目撃します。バスがやってきておじいさんを乗せて走り去るのを。私はこの時、「じいさん、ついにお迎えがきたのね」と思ったのですが、なんと映画の最後にイーニドもそのバスに乗り、どこへともなく消えていくのです。 これはあれですか。「イーニドは死んでしまったのですか・・・?」 正直いって、私は彼女の気持ちや行動の意味は理解しても、共感できるところはあんまりない。どっちかいうと自分はレベッカタイプだと思うしね。でもねー死ぬ玉にゃ見えなかった。だからやっぱり、彼女は自分の願い通り、誰にも何も言わないでぽっかりと町を出て行ったのでしょうか。 なぜかブス扱いのゾーラ・バーチですが、レベッカ役のスカーレットが整った美人顔なのに対し、実に愛嬌のあるお嬢さんです。もろフェチ向けとでもいいましょうか(笑)。クリスティーナ・リッチとか、ジュリエット・ルイス系。変に老けた高校生がわんさと出てくるアメリカ映画にしては、イーニドもレベッカも幼い感じがしました。いろんな意味でおたく向けかもこの映画。


ワン・ナイト・スタンド/ONE NIGHT STAND

1999年/アメリカ/103分
監督・脚本:マイク・フィギス
出演:ウェズリー・スナイプス/ナスターシャ・キンスキー/カイル・マクラクラン/ミンナ・ウェイ/ロバート・ダウニーJr



ロバート・ダウニーJrが出てるんで借りてみたのですが・・・。こういうのを大人の恋というのですか?(疑)。マックス(ウェズリー・スナイプス)はそこそこ成功しているCM監督。今はロスで奥さんと二人の子供に恵まれ幸せな生活を送っています。(CMディレクターってそんな儲かるのか!と驚くくらいの豪邸です。)ところが、かつての仕事のパートナーであり、親友だったチャーリー(ダウニー・Jr)がHIVに感染していることを彼の恋人から知らされ、仕事がてらNYまで会いに来たところからマックスの人生は変わってきます。5年前に喧嘩別れして以来、会うこともなかったマックスとチャーリー。最初は「何しにきたんだよー」とそっけないチャーリーもマックスが自分の息子に”チャーリー”と名づけたことを知り、あっという間にほだされます。(ここの二人のやりとりがかわいくて好き/笑。ダウニーはお人形さんのようです。)素直に彼の援助を受けると言う、親友の思ったより元気な姿を見てマックスも一安心。記念にパチリと写真を撮ってあげます。

■気分もよくロスへ戻ろうとするマックスは、ホテルのロビーで美人のカレン(ナスターシャ・キンスキー)と出会い、これまたあっという間にいい仲に。ここら辺、簡単すぎて恥ずかしいくらいです。後のシーンでもよく分かるのですが、このマックスという男、仕事も真面目だし、他人に対しても誠実だと思うのですが、なんせ積極的な女に弱い。断り知らずというか、なし崩しというか(笑)。結婚も女の方に押し切られたんだろうなと容易に察せられます。この時は一夜限りの相手だったはずなのに1年後、いよいよチャーリーが危ないというので、彼を見舞いに訪れた病室で二人は劇的な再会。なんと彼女はチャーリーの兄、ヴァーノンの妻だったのです!(そんな偶然あるか。人口の少ない過疎の村だってんならともかく、NYですよ)久しぶりに会った二人はそれぞれの伴侶の手前、初対面の顔を貫き通しますが、未明に訪れたチャーリーの病室で二人っきりになったのをいいことに熱い抱擁をかまします。あんまり激しいので気配で目覚めたチャーリーびっくり!慌てて帰る兄嫁を呆然と見送ったあと、「ちょっとキミ、来なさい」とマックスを呼びます。(このシーンでの、チャーリーの”???”な目線が最高におかしい/笑)親友には黙っていられないと(ていうかバレバレだ)、洗いざらい吐くマックスに、「人生はオレンジだ。思うままに生きろ」と言うチャーリー。そして、自由に生き過ぎた彼はこの後永眠。合掌。

■マックスが撮った写真が飾られたチャーリーの葬儀。仲違いしていた親友と5年ぶりに和解でき、リラックスして微笑んでいる顔がキレイでしんしんとくるシーンです。「生きたことを祝って欲しい」という彼の遺言により、葬儀のあとはレッツ・パーティ!。みんな泣いたり笑ったりと忙しい中、最高に忙しないのがマックスとカレン。頭の中にチャーリーの言った「思うままに生きろ」という言葉が鳴り響いてしょうがないマックスは彼女を連れて離れへ。大騒ぎで抱き合う二人は、とても葬式帰りとは思えません。が、ふと人の気配を感じて硬直する二人・・・。見るとそこにはマックスの妻、ミミとヴァーノンの姿が!!(実の弟の、または親友の葬儀のあとに何をハッスルしとるんでしょうな、このひとたち。)

■それから1年。この二組の夫婦が選んだ道は・・・。まぁだいたい予想がつくと思うのですが、そんなうまいこといくかよ!というのが正直な感想。ハッピーエンドなんだろうけどね〜。実にアメリカ映画的っす。 最初は、なぜあえてチャーリーをHIV患者にしたのか分からんかったのですが、(ダウニー・Jr氏がゲイっぽいから?)兄のヴァーノンがマックス夫婦に「チャーリーは自分勝手過ぎた。自ら地雷原に飛び込んだようなもんだ。避けようと思えば避けられた運命だったのに・・・」とこぼすシーンがあり、これが彼の最後の言葉「思うままに生きろ」と絡んでくるのかなと思ったり。「思うままに生きるということは、その分、リスクも大きいんだよ」てことなんでしょうかねい。(考えすぎ。ただのW不倫の話ですなこれは。)

■話はいまいちですが、役者は上手いです。ヴァーノン役のカイル・マクラクランが妙に老けてて最初、誰か分からんかったけど。ちょっと薄情な雰囲気がハマってました。(ひとりだけチャーリーに触れる時、外科用の手袋とかしてんの。)スナイプスはね〜。とてもCMディレクターには見えませんでしたが、チャーリーが「いつまでいれる?」と聞いた時に、何も言わずに時計を外してみせるシーンや、夜明け前が一番怖いと言う彼のために毎日、まだ暗い中尋ねてきてくれるところにマックスの誠実さが見えてよかったです。ダウニーはあいかわらず上手いねーこりゃ。自由で繊細。しかし、彼ら以上の怪演を見せてくれるのが、ミミ役のミンナ・ウェイ。(ERのジン・メイ・チェンです。)いやもう動物かと思いました(笑)。あと、看護士の役でジュリアン・サンズが出てたんですけど、額が!スヴェン・ゴラン・エリクソン級の激しさでした・・・。顔はキレイなのにねぇ。惜しい。


蝶の舌/LA LENHUA DE LAS MARIPOSAS

1999年/スペイン/95分
監督:ホセ・ルイス・クエルダ
出演:フェルナンド・フェルナン・ゴメス/マヌエル・ロサノ

≪ 夏には森へ、先生とチョウを採りにいった ≫




■スペイン内戦前。モンチョは初めて通う小学校が怖くて仕方がなく、寝ているお兄ちゃんを起こしてでも「先生は叩いたりするの?」と聞かずにはいられません。翌日、母親に連れられ学校へ向かうモンチョ。お母さんがみんなの前で、「小すずめが初めて巣を離れるようなものです」なんて言うもんだからさぁ大変。みんなに「小すずめくん!」とからかわれ、恥ずかしさのあまり教室から逃げ出してしまいます。学校がますます怖くなったモンチョを担任のグレゴリオ先生が迎えに来ます。「モンチョはとても繊細な子。どうか謝らせて欲しい。そうしてもう一度学校へ来るようにお願いしたい」と言う先生は、例え相手が子供でもとても丁寧で、決して手を上げたりはしないのです。そんな先生のお陰で、元気に学校に通い出すモンチョがもう可愛いったらありゃしません。食事の席で、お母さんたちに一生懸命学校の話をするモンチョくん。なぜ子供が学校の話をしてるだけのシーンがこんなに愛しいのか不思議なくらいです。

■春になり、野外学習が行われます。そこで先生が教えてくれた”蝶の舌の話”、”珍しい鳥の話”、頭のいいモンチョはすべて記憶しています。グレゴリオ先生は、アカだし、神様を信じていないよう。その点だけが気になるものの、モンチョの両親は先生が大好きで、街のひとたちも彼を尊敬し愛しています。そんな先生ですが、高齢だということもありついに引退。最後に生徒たちに向かい「ありがとう。自由に飛び立ちなさい」と話す先生。

■しかし、物語は急展開。戦争が始まり、街ではアカ狩りが行われます。モンチョの父親も共産党員だったのですが、母親が大急ぎで証拠になりそうな品々を焼却。なにもなかったような顔で教会に向かう途中、次々と連行されて行く共産党メンバーに出会います。街の人たちから”アカ!人殺し!”と罵倒されながら車に乗せられるひとたち。母親も家族を守るために夢中で叫び、家族にも強制します・・・。

■ここから先は苦しくてしょうがない。罪人のように引き立てられる人たちに投げつけられる、容赦のない言葉。でも決して言葉と気持ちはイコールではないのです。モンチョの両親、特に父親の涙ながらの罵倒は胸に痛い。保身のために仲間を裏切ったことへの後悔と懺悔の気持ち。あの顔を見て、彼を卑怯者呼ばわりすることはとてもできませんでした。そして、最後に出てきたグレゴリオ先生にモンチョが投げつけた言葉・・・。もうダメ。いっそ観なきゃよかった・・・と後悔したほどのラスト、車に追いすがり、モンチョが最後の最後に投げた言葉は先生の耳に届いたでしょうか。モンチョの顔がモノクロに変わっていくラストシーンは、派手なCGで爆撃機を飛ばさなくても、景気良く人間が死んでいくシーンがなくても、戦争の残酷さを充分に伝えています。充分過ぎるほどです。

■最後こそ胸にこたえる映画ですが、決して暗くはないです。スペインはガリシア地方の風景が豊かでね〜。森も川も湖も、信じられない美しさです。それから衣装。モンチョくんの着ている服がカワイイ。 子供の普段着といえど、ラフ過ぎずオシャレです。 そして、一番素晴らしいのがこの主役のモンチョことマヌエル・ロサノくんです!!!!もうかわいいてかわいいて(笑)。これがはじめての映画出演らしく、実に素直に演じています。このまま大きくならないでもらいたいですな(無理)。でも最後の表情はスゴイよ。8歳にして、この道50年のベテラン俳優のようでした。


ラッキーナンバー/LUCKY NUMBERS

2000年/アメリカ/106分
監督:ノーラ・エフロン
出演:ジョン・トラボルタ/リサ・クドロー/ティム・ロス

≪ 楽して大金持ち(ミリオネアー)になる作戦が実行された… 合言葉は “Let's Make Money”! ≫




■ティムとビル・プルマンにもし会う事があったら聞いてみたい。「なんでこの映画に出たのですか」と。 いや噂にはきいていました。オモロナイでーとは。でもティム・ロスが出てるなら観なきゃしょうがないのが辛いとこです。映画は案の定、どうでもいいような話でした。ラス(ジョントラ)は天気予報士と実業家の二足のわらじ。最初はビジネスも好調だったようでジャガーを乗り回し、店には彼専用のシートがあります。(でもデニーズなんだけど)。しかしそれが急転落。借金に追いまわされ、クビがまわらなくなったラスが相談した相手が悪かった。そうです。ティムの出番です。あやしげなストリップ・バーを経営するギグ(ティム・ロス)は、あっさりと「ロトに細工すりゃいいじゃんvv」。で、ここからロトガールを巻き込んでのハラハラドキドキ・コンゲームが始まればよかったんでしょうが、残念ながらそうはならず。

■もう計画の全てがいきあたりばったり。とりあえずといった感じで出てくる邪魔者は、ティムが電話一本で始末だしね〜。まぁその度におろおろするジョントラがおかしいっちゃおかしいか。あまりにも簡単に話が進むもんで、「このあとどうなるのかしらん」なんて考えてるひまもない。最後の方に出てくる警官(ビル・プルマン)がなんか大どんでん返しでもみせてくれるのかと期待したけど、結局ただのバカ警官で終わったしね。いてもいなくてもええやん。ホント、何しに出てきたんだろうこのひと。(義理かしがらみで出演したんだろうねい)

■こんなムダ映画で唯一見所があるとすれば、それはもうティム・ロス以外に考えられません。ごっついジョントラの側にいると、まー華奢なこと(笑)。しかしあの小柄な身体から滲み出る気の強さがマニアにはたまりませんな。それと今回、料理をするティムが拝めるのもたいへんありがたい。でかい包丁でなかなか器用に赤ピーマンとか刻んでて可愛いのなんの。何作ってるのかわかりませんが(もしや賄い?)刻んだ野菜をドボドボンと鍋に入れるだけのシーンが愛しくてしょうがありませんでした(病)。

■話は最後までドタバタと続き(いちおう二転三転させてるつもりなんでしょうかあれ)、オチはもうなんだそりゃ〜と萎え萎えなんですが、しょうもない男役にジョントラをもってきたことだけは誉めたい。頭悪くてイライラするんだけど、根は唯一まともだったかも知れないラスを気持ち悪い笑顔で好演でした。天気予報士ってのもいいね。石原良純だ。やりようによっちゃ、もうちょっと面白い話だったかも知れません。


ホーム・フォー・ザ・ホリディ/HOME FOR THE HOLIDAYS

1996年/アメリカ/104分
監督:ジョディ・フォスター
出演:ホリー・ハンター/ロバート・ダウニーJr/アン・バンクロフト




■感謝祭のために集まったあるアメリカの家族のお話。ただそれだけなんですけどね〜。なんせ激しいっす、この家族。年老いた両親の家に、感謝祭だからってんで嫌々帰ってきた長女クローディア(ホリー・ハンター)は、直前に仕事をクビになったばかりのシングルマザー。弟のトミー(ロバート・ダウニーJr)はゲイ。妹は普通に結婚している普通の女。ここに叔母(母親の妹)、トミーの仕事上のパートナー、妹の家族が加わって感謝祭のパーティが始まります。

■クローディアとトミーは大の仲良しですが、妹とはソリが合わずにパーティでも嫌味の応酬。せっかくの七面鳥もトミーが妹にぶちまけおじゃん。彼女当然、怒ります。そして絶叫「この○ン舐め野郎!」(お母さん、子供が聞いてますよ)。さすがに顔色が変わるトミーですが、さらに家族には内緒にしていた恋人ジャックとの結婚まで暴露され硬直。トミーがゲイであることは両親も知っちゃいるけど、さすがに男と結婚したと聞いてはショックが大きく、母親は引きこもるし、父親は黙り込むしでパーティは台無しです。まったく騒々しいったらありゃしませんよ。(この時、妹がヒステリックに「海岸で結婚式を挙げたんですって!!」と叫ぶのに対し、父親が「お前、ドレス着たのか?」とまぬけなことを聞くのがおかしい(笑))

■フツーだとこの1件で大騒ぎになるはずが、騒いでいるのは世間体が気になる妹だけで、姉は喜んでるし(ジャックがお気に入りらしい)、父親もジャックからの電話を取り、あっさり「おめでとう。キミはいいひとだ。トミーにはもったいない」と祝福。トミーは幸せですな。

■親も子供もたいがいいい歳のくせに、言いたいことを言い合い、喧嘩して泣く。いっそ疎遠になってもおかしくはないのに、「次はクリスマスね」なんて言ってるバカ家族。この絆を羨ましいと思うかは正直微妙です。それと、やっぱり親ってバカな子供ほど可愛いのかしら。子供たちの中で唯一、普通の生活を送っているのが次女。家も一番近く、普段なにかと両親の面倒をみるのも彼女。なのに、両親はたまにきてはトラブルの種だけ蒔いて帰る、クローディアとトミーの方に愛情を傾けます。そりゃ切なくてヒスも起こすわ。私は彼女の心のもやもやが良く分かる気がしました。(ウチもそう。まいったね。)


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