ニール・ジョーダン監督で、アネット・ベニング、スティーブン・レイ、エイダン・クイン、ロバート・ダウニーJrが出演。それでもDREAMWORKS初の未公開作品。←分かる気がする。
クレア(アネット・ベニング)は男(女?)が小さな女の子の手を引き、りんごの木の間を歩いて行くという夢を繰り返し見ます。ちょうどその頃、町では少女がひとり行方不明になっていて、夫のポール(エイダン・クイン)が警察に「果樹園を中心に探してみてはどうか」と話しに行きます。ところが「子供は見つかったよ。貯水池の底に沈んでいた」と言う刑事。「あの夢はなんだったんだろう・・・」と思っていた矢先、今度は自分の娘・クラリスが攫われ、再び貯水池の底から遺体となって発見されます。ショックのあまりクレアは精神病院に入院。夢を診断するという医者(スティーブン・レイ)に相談しても一向に埒があかず、やがてクレアはたった1人で犯人と対決することになり・・・。と途中までは面白いんですよこれ。映像もキレイだし。しかしとにかく出てくる奴が揃いも揃ってぼんくら。警察も医者も夫も完全に無能です。「私が見た夢は必ず現実になる!」と悲壮感たっぷりのクレアがいくら訴えても「病人の言うことだから」と相手にしないせいで、犯人はもうやりたい放題。(わざわざ精神科医にスティーブン・レイをキャスティングしたからには、彼が何かしらの助けになると期待するじゃないですか。でもなんにもしてくれない。無能!)誰もあてにならないんじゃーしょうがないってんでアネット・ベニングが1人で奮闘です。しかも相手は完全にイッちゃってるダウニー。
怖いよー!この犯人。なんせ勝手に頭の中に入ってきますからね。なんなんでしょうこいつ。超能力者もしくは悪魔?一見、ただのオカマの浮浪者なんですけども。子供の頃に虐待されていた彼(ダウニー)は、家族が欲しくて犯行に及ぶわけですが、クレアが選ばれた理由が謎。「お前は俺の夢を見るだろう?」ってなんであんたにそれがわかるわけよ。で、案の定この”なんで?”は最後まで放置。もういいけどね。(やっぱりちょっと超常的な力が備わってたんですかねこの二人)
逃げ出したクレアを鎌を持って追いかけるダウニーの姿はコントと紙一重。もう怖いんだかなんなんだかわかりゃしませんでした。(おまけに最後まで後手後手の警察のせいで救いがないったら)
狂気の犯人役を拘置所だか、更生施設だかから通って撮影したダウニーのキレぶりは尋常じゃありません。新たに攫ってきた女の子の名前を呼ぶシーンは声だけなのにもかかわらず、「あー絶対やばいわこいつ」と思わせる。出演時間は短いのに最後に全部持っていくあたりさすがでした。
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