完全犯罪クラブ
監督:バーベット・シュローダー
出演:サンドラ・ブロック/ライアン・ゴズリング/マイケル・ピット

お金持ちでハンサムな学園の人気者リチャード(ライアン・ゴズリング)と根暗なオタク少年ジャスティン(マイケル・ピット)。表向き仲が悪い二人は、裏ではこっそりと”完全犯罪”を企てるようなただならぬ仲です。自分達は頭がいいんだ!と思い込んでいる彼らは”完全犯罪(殺人)”を計画し実行に移すわけですが、それは所詮、本から得た知識のみ。計算外のことが起こるとは夢にも思っていなかったようです。この計算外ってのが、事件を担当する女刑事、キャシー(サンドラ・ブロック)。二人が完璧に仕込んだ遺留品も、身代わりの犯人も、最初から完全無視。現場に残されたブーツの跡だけを手がかりに彼らが通う高校へ乗り込み、「あのブーツは盗まれたんだよ」とうそぶくリチャードの態度が気に入らない→怪しい→犯人はあの子よ!と、まさに”カン”のみで一気に真犯人に到達です。これがモーガン・フリーマンあたりなら、「いわゆるベテラン刑事(デカ)のカンってやつね。」と思えなくもないのですが、なんせサンドラ姐さんなので。野性が教えたんか。なんの物的証拠もないのに(実はひとつあった)執拗にマークしてくる姐さんに怖れをなしたか、最後は意外と脆かった2人。事が殺人でさえなけりゃ、若い二人が可哀想だとも思える展開でした。

スリラーとしては先が読めまくりで面白いわけではありません。サンドラ・ブロックも中途半端なキャラ設定で魅力半減だし。質の悪い高校生を演じたライアン・ゴズリングとマイケル・ピットはとても上手。互いに完全に依存しているわけではないけど、相手のことを一番理解しているのは自分だと思ってるし、それを証明するためには、あえて相手を傷つけることもやってしまうという微妙な関係を上手く演じてました。(特にマイケル・ピットはいいですな。あのぽっちゃり加減がまた実にオタクくさい)ただ、ライアン・ゴズリングが”ハンサム”つうのはいかがなもんか。どうにも説得力に欠けると思われる。


ギャング・オブ・ニューヨーク
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ/ダニエル・D=ルイス/キャメロン・ディアス

親子二代に渡るギャングの縄張り争いの話だとばかり思ってました。だもんでビル(D・Dルイス)が「移民は出て行け!!」と言い出しだ時はびっくらこいた。「え?あんたも移民じゃないの?」と。

子供の頃、父親であるヴァロン神父(リーアム・ニーソン)をビルに殺されたアムステルダム(レオ)は16年後、元の街に戻ってきて復讐を企てるが意外にも憎きビルが父親を厚く弔っていたことを知り心が迷ってしまう。ビルの方も「息子が欲しかった」と言いながら彼に目をかけてやります。憎い相手だと知りつつ、ビルの持つカリスマ性、意外な父性に惹かれていくアムステルダム。ついには身体を張ってその命を助けてしまうほどに。とここまでは面白い。ところがアムステルダムにジェニー(キャメロン・ディアス)を奪われた(というか最初から相手にされてなかったんだけど)ジョニー(ヘンリー・トーマス)が嫉妬のあまり、「彼は神父の息子だ!」とチクったあたりから話が急展開。いや話どころか、ビルの性格がコロっと変わっちゃいました。

確かに元から残酷な人間ではあります。情け容赦なしの。でもその中に彼なりの美学があったように思うんですな。それが話が進むにつれどんどんただの嫌な奴になっていくのがつまらない。最初は、「父親を殺された息子と殺した男」という関係でも友情の成立はあるのか?なんて思いつつ観てたけど、ビルのあまりの非道ぶりにそんな呑気なこと言ってられません。「意外とちっせぇ男だな」と萎え。(女に手を上げる男は大嫌いなのだ)もうさっさと終わらせちゃって下さいって感じなんだけど、ここからが長い長い。しかし長い割には決着のつけ方がずるずる。なんなんだ一体。それとアムステルダムとジェニーの恋愛話もどうにも中途半端でしたな。そもそもあの二人がなんで惹かれあったのかがいまいちわからんす。 というわけで、話が一番盛り上がったところからなぜか一時間以上あるという不思議なこの映画(笑)。一見の価値があるのはD・Dルイスの腰です。


ギャングスター・ナンバー1
監督:ポール・マクギガン
出演:ポール・ベタニー/マルコム・マクダウェル/デヴィッド・シューリス/サフロン・バロウズ

ポール・ベタニーでギャング物。好きなものが二つくっついちゃったことに浮かれすぎたのがいかんかったのかなぁ。あんまり面白くなかったっす。

ベタニー扮する若きギャングスターは、フリーターでぷらぷらしてたところを暗黒街のボス、フレディ(デヴィッド・シューリス)に見込まれ手下になります。イタリア製の高級スーツを一分の隙もなく着こなしたフレディにギャングスターは一目惚れ。「これぞ男の生きる道!!」と彼にひっつき倒します。ところが、フレディにカレン(サフロン・バロウズ)という女ができたあたりから、二人の間はぎくしゃく。ついにギャングスターはボスであるフレディの暗殺計画を知りつつ見殺しにし、自らがナンバー1へと昇りつめることに。ってこれ、まんま「リプリー」じゃないのですか?ギャングスターがガラス越しにフレディと自分を重ね合わせるシーンなんかモロそうだと思うのだけど。車の助手席に座って、運転するフレディの横顔をじぃーーーーっと見つめるシーンはもはやリプリーを上回るキモさ。(これでもベタニーファンなんですよ)フレディが思わず、「タイピンをやるから俺を見るのはやめれ!」と言うのも(言ってないけど)よく分かります。もう事故りそうなんやもん。視線が気になって。それで「男には越えなければならない男がいる」なんて言われてもなぁ。私にはサイコなホ*(ギャングスター)が勝手にストレートの男に恋して、勝手に嫉妬して、キレて殺して、方々に迷惑をかけまくった話にしか見えんかった。だいたい、サイコな男の壊れ具合をパンツ一丁で殺しをさせることで表現しようとした監督がまちがい。(してないか)。ベタニーの無駄遣いとも言えるな。

ギャングスターが”好きぃー♪”と憧れたのは裏社会でハードにスタイリッシュに生きるフレディだけど、私は恋する男、好きな女の前ではフツーに見せたがってるフレディの方に惹かれたな。ギャングスターが「情けなーーい!!」と笑ったあのシーンの彼に一番グっときた。カッコよかったよ、あれは。ところで、なんで30年後の世界でベタニー一人がマルコム・マクダウェルに替わってるんでしょう。(他はみんな老けメイクでやってるのに)。随分背が縮んでいるじゃないですか。いやそんなことより、マクダウェルさんが怪演すぎてなんか面白いことになっちゃってます。声でかすぎ。


クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア
監督:マイケル・ライマー
出演:スチュアート・タウンゼント/Aaliyah/ヴァンサン・ペレーズ

”インタビュー〜”と比べると全体的にいかにも安もんくさいのはもうしょうがない。なんせ前作はトム・クルーズとブラッド・ピットという2大スター夢の共演だったんだから。しかしヴァンパイアにしちゃあまりに健康的だった彼らに比べ、今回の方がイメージ的には原作に近かったんである。”呪われし者の女王”ことアカーシャを演じたAaliyahも「ちょっと若すぎるかな?」とは思うものの、独特の歩き方と存在感で不思議ちゃん的耽美世界を表現していたし、ヴァンサン・ペレーズのマリウスなんかかなり好きなキャラだ。

が!たった一人、どうにも私をイラつかせる女がいたのである。そいつの名はジェシー。見た目からして耽美とは無縁のこの女がとにかくうざくてしょうがない。伯母さんヴァンパイアの「可愛い姪には人間としてまっとうな人生を歩ませてやりたい」という切なる思いもなんのその、「私も仲間に入れてーー!!!」とレスタトにストーカーまがいの強烈アプローチ!!何度拒絶されても一向にへこたれないその図太さにムカムカしっぱなしっすよ。そんな事情とは露知らず、復活したアカーシャが人類皆殺し計画の一端としてレスタトに、「あの女を殺しなさい」と言い出した時はもう本気で泣きたかった。案の定、「これが私の運命だから・・・」と嬉々として胸元広げてますからこの女!!!(憎)。いっそそこいらのブサイクなヴァンパイアに最後の一滴まで吸い尽くされて死んでくれりゃヨカッタのに!

そんな思いも虚しく、念願達成しくさったジェシー。似合いもせんのにヴァンパイアメイクで再登場っす。(アン・ライスはこの女にこそクレームをつけるべきだと激しく思いますね)しかもあろうことか、レスタトの嫁気取りとはっ!あー嫌!ホントに嫌!!!こんな女に時間割いてるヒマがあったら、もっとマリウスを出せ!ルイはどうした!!と言いたい。(←気がつけば私がいかにジェシーという女が嫌いであるか!といった話になってしまいました)ストーリーは長い原作を強引にまとめすぎで急に過去に戻ってみたりなんだりで忙しいったらありゃしませんでした。(でもしょうがないか。原作のこの辺も長いだけで退屈だからな。)


クリミナル・ラヴァーズ
監督:フランソワ・オゾン
出演:ナターシャ・レニエ/ジェレミー・レニエ/ミキ・マノイロヴィッチ

純情一途のBFに殺人をもちかけ、まんまと殺させたあげく死体を捨てに行った先の森で野獣のようなおっさんに捕まり監禁されるバカップルの話なんですが・・・。

どこまで真剣に観ていいのか悩みました。最初は2人まとめて地下の倉庫みたいなとこに押し込まれているんだけど、そのうちおっさんに気に入られた男の子の方だけ出してもらえるんですな。で、出してもらえてありがたいかってゆうと全然そうでもなく、この変態親父にいろいろされた上、首輪で繋がれてしまいます。でも逃げようと思えばいくらでも逃げられそうな割にこの男の子逃げないんですよねー。女の方も暗くてじめじめしたネズミだらけの穴ぐらで、おまけに自分達が埋めたはずの死体までが転がってるような(おっさんが掘り返してきたらしい←大迷惑)状況の中、言うことといえば「喉が渇いた」か「お腹すいた」ですから。神経太ッ!!

なんだかんだあっておっさんの元から逃げ出した2人が、陽光がさんさんと降り注ぐ森の中で、うさぎさんや鹿さんたちに見守られながら裸で抱き合う(BGMも癒し系)シーンはあまりに唐突でもはや理解不能。そこへ突如として現れるフランス警察(というよりそのいでたちからして特殊部隊か?)が、どこからの情報で動き出したのか、なんでこの森に2人がいるとわかったのかも一切説明されません。観ている方のご想像まかせってやつです。当然、警察に捕まった男の子が同じく逮捕された模様のおっさんを庇い「その人はなんにもしていないんだー!」と絶叫しても「なんにも?」というツッコミは許されない。そして何もかもがうやむやのままに映画は終わってしまいました。「赤ずきんの森」といい、フランス映画っていつもこんなもんなんでしょうか。


恋は邪魔者
監督:ペイトン・リード
出演:レニー・ゼルウィガー/ユアン・マクレガー/デヴィッド・ハイド・ピアース/サラ・ポールソン

1962年のニューヨークを舞台にしたオシャレで楽しいデートムービー。衣装やセットにもこだわりが感じられるし、ストーリーも恋の駆け引きあり、笑いあり、中学生レベルのエロあり、おまけに最後にひとひねりありとそらもう見所盛りだくさん!が、エンドロールで主役の二人がミニ・ミュージカルやってる間に全部忘れてしまいそうになる映画でした。レニーもユアンもハマってるんだけどなぁ。でもキャラ的においしいのはユアンの友人のピーター(デヴィッド・ハイド・ピアース)の方。コンプレックスの塊で、キャッチャー(ユアン・マクレガー)がいなきゃ何もできない彼とバーバラ(レニー・ゼルウィガー)の友人のヴィッキー(サラ・ポールソン)の恋の行方の方が気になった。

それにしてもユアン・マクレガーって人は不思議ですな。今回も「この人ってカッコイイの?」と聞きたくなるシーン多数あり。そんな彼がモテモテの女たらし役がそれほど違和感なくハマるのは、あの犬みたいな笑顔に騙されるからでしょうか。男だと思えばムカつくけど犬ならまぁしょうがない。そんな感じ。


ゴージャス
監督:ヴィンセント・コク
出演:ジャッキー・チェン/スー・チー/トニー・レオン

久しぶりに見たジャッキー・チェンの映画。それが娘ほど年の違うスー・チーとのラブストーリーです。見てるこっちが恥ずかしい。

台湾の田舎娘プゥ(スー・チー)は、ある日、海岸で拾ったメッセージ・イン・ア・ボトルを手に香港まで「運命の人」に会いに出かけます。ところが、探し当てたその人はなんたることかゲイのスタイリスト、アルバート(これがなんでいまさらこの役なののトニー・レオン)。そのメッセージは彼が別れた彼に宛てて出したものだとわかりがっくりです。しかし、せっかく香港まできたんだからと強引にアルバートの部屋に泊まりこむプゥ。「女の子が部屋にいるなんて耐えらんない!」と身を捩って嫌がるトニーさんが最高です。そんなアルバートは完全無視で話は進み、これまた突然海の上で出会ったのがジャッキー演じるチェン。プゥは一目惚れです。とにかく押しの強い彼女は実業家で金持ちのチェンに猛烈アタック。チェンの方は可愛い妹くらいにしか見てないのがアリアリなんですが、プゥは強引にアルバートを味方につけ迫りまくります。が、やっぱり私は彼の恋人にはなれない〜と泣きながら台湾に帰国。追っかけてきたのが、「プゥの香港の兄です!」のアルバート。笑かすなぁ。一瞬、この二人がくっつくのか?と思ったのは私だけで、もちろん最後はチェンとプゥがくっつきハッピーエンド。めでたしめでたし。

と、これだけ書くと「これホンマにジャッキー・チェンの映画かいな?」と思われるでしょうが、ちゃんとアクションシーンもふんだんに用意されていて、しかも「一度は負けた相手にリベンジを果たすべく、特訓しまくるジャッキー・チェン」の姿まで拝めます。往年のファンには涙が出るような展開ですな。それにしてもジャッキーのアクションはいつ見ても楽しいなぁ。今回の敵は超ライト級の白人ボクサー(どうやらジャッキーの弟子らしい)なんだけど、まだまだ若いもんには負けないぞ!って感じでもうお腹いっぱい。最初は金持ちで女には不自由しないジャッキーなんてどうなることかと気を揉んだけど、それだけで終わるわけがありませんでした。安心した。あと、ゲイ役のトニー・レオン。初登場シーンでの階段を上がってくる足元だけで「あ!この人絶対オカマちゃんよ!」と思わせるなんてなんたる芸達者(笑)。この人コメディが好きなのかしら。妙にイキイキしてたんだけど。もう一人、ゲストで少しだけどチャウ・シンチーが出てたのには驚き。思わず巻き戻して見たけど変な人だった。←誉めてます。


ゴーストシップ
監督:スティーブ・ベック
出演:ジュリアナ・マーグリーズ/ガブリエル・バーン/ロン・エルダード/カール・アーバン

別に怖いとは思いませんでした。残酷で嫌な話。ホラー映画を観るといつも思うのだけど、なんでいかにもヤバイ場所でみんな単独行動したがるんでしょうな。しかも今回は40年以上も海の上を彷徨い続けていた客船ですよ。なんにもないわけがない。なのにまたひとりでぷらぷらぷらぷら(コンビで動いてるのもいたけど)。そら助かるもんも助かりません。唯一、「この船なんか変よ」と言い出したのが、モーリーン(ジュリアナ・マーグリーズ)。なぜなら彼女だけが少女の幽霊をみてしまったからです。この少女ってのがCM等でお馴染みのあの子なんですが、予告編とは全然違う印象。あれは観客をミスリードするために、わざとああしてあるんですな。いやそれくらいしないと、ミステリーとしてはかなりしょぼいっすよこれ。 次第に明かされる船の秘密は、予想していた内容よりずっとアメリカンホラーでございました。ついでに言うとラストも。この話はハッピーエンドにした方がヨカッタんじゃないかと思いますね。やればできるハズ。

スプラッタが苦手な人、ガブリエル・バーンが好きな人にはちと辛い映画です(笑)。逆に、キャロル(ジュリアナ)とシェップ(ロン・エルダード)の再共演が見れて”ER”ファンは楽しいかも。(ロンと相棒のカール・アーバンのシーンは可愛いかったー。何やるのもじゃんけんで決めるのだけど、必ず後出しされて負けるカール。でも文句言わないんですよ(笑)。この人、どっかで見た顔だと思ったら「LOTR/二つの塔」にエオメル役で出てるんですね。髪の色が違うとわからんもんです)


コーンウォールの森へ
監督:ジェレミー・トーマス
出演:クリスチャン・ベイル/ジョン・ハート

子供の頃に事故で頭を打って以来、軽い知的障害のあるボビー(クリスチャン・ベイル)。デパートの経営者だったママの死後、2番目の父親に虐待されまくりで可哀想ったらありゃしません。しかし、店の経営権を譲れ!!と脅されても「ママとの約束だから」と頑なにサインを拒否するボビーは少し”ゆっくり目”なだけで決して頭の悪い人ではないんですな。そんなボビーも大切な友達のピーター(白ねずみちゃん)を殺されてついに限界。家出しちゃいます。そして家出の最中にこれまた世捨て人のようなサマーズさん(ジョン・ハート)と出会い、二人で仲良く「事故で死んでしまった動物達を埋葬する」という仕事(のつもり。どこからも給料は出ない)をしつつ暮らします。ボビーは大好きなサマーズさんと一緒にいられるだけで幸せなのですが、観ている方には「この人たち一体どうやって食ってんの?」という疑問が湧いてきますね。ここで「仲間を弔ってくれたお礼に」と、森の動物たちが食べ物をそっと玄関に置いて行くってな展開になろうもんならまんま御伽噺なんですが、さすがにそれはなく実はサマーズさんにはある秘密があったのでした。←内緒。

とまぁここまでは退屈だけどそれなりに平和な話が、ボビーのクソ親父が再登場してからはどうにもこうにも。なんとも胸の悪い結末でございました。救いはコーンウォールの森の美しさくらいかな。


ゴシップ
監督:ディヴィス・グッゲンハイム
出演: ジェームズ・マースデン/ノーマン・リーダス/レナ・ヘディ/ケイト・ハドソン

大学生のデリック(ジェームズ・マースデン)、トラヴィス(ノーマン・リーダス)、ジョーンズ(レナ・ヘディ)の3人はルームメイト。家賃はもっぱらお金持ちのデリックが払ってるようで他の2人は居候ですな。大学でジャーナリズムについて学んでいる彼らは、学内であるゴシップを流し、それがどのように形を変えどのぐらいの速さで広まるのか試してみます。このゴシップってのが、お金持ちのお嬢さんナオミ(ケイト・ハドソン)がパーティの最中にBFのボーとやったのやらないのという下世話なやつで。いい年して頭悪りぃな!っ話です。実際はやっちゃいなかったのですが、噂は流した当人たちの予想を大きく上回って広がり、いつの間にやら「ボーがナオミをレイプした」という話にまで発展、ボーは逮捕されてしまいます。さすがに悪いと思ったジョーンズが全てをナオミに打ち明けようと彼女を訪ねますが、デリックの名前を出した途端、顔色が変わるナオミ。実は話したこともないと言っていたデリックとナオミが同じ高校の生徒だったことがわかり話は意外な方向に進んで行きます。意外つってもようはデリックが大嘘吐き野郎だという話なんですが。それは映画が始まって5分で分かることだし、いまさら明らかにされてもなぁと思ってたら、もうちょっと踏み込んで彼の過去の罪を暴く私刑モノでございました。

そしてこれがどうにも後味が悪くてしょうがない。暴き方が汚いんですな。確かにデリックの卑怯さには辟易するけれども、暴く側のあんたら(ジョーンズやら、ナオミの女友達やら)もそんな偉そうな顔ができる立場なんですかと聞きたい。だいたい一番最初にくだらんゴシップでナオミやボーを傷つけた罪はどうなったんすか?デリックだけが裁かれて他の人はお咎めなしってのはおかしいです。勝ち誇った顔する前にデリックに家賃払えよお前ら!とムカムカしてしまいました。

で、肝心のノーマンなんですが。これがまた最初から最後まで何がしたいんだかようわからん男。私しゃてっきりデリックかジョーンズのどちらかに気があるんだとばかり思ってましたがな。(違うの?つまらん)立場的には観客をミスリードする役目っぽいんですが、正直使い捨てのコマでした。(いや使われたのかどうかも怪しい)でもめちゃくちゃ可愛いかったー。筋を抜きにして彼だけを見るにはいいかも知れませんこの映画。特にオススメは、酔っ払って意識を失った身体をデリックとジョーンズに引きずられるシーン。ドアに思い切り頭をぶつけられて”ゴン!!”なんていってても全然起きない。たまらんです。


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