マッチスティックメン
監督:リドリー・スコット
出演:ニコラス・ケイジ/サム・ロックウェル

最初っからオチが読めていたのでコンゲームものとしては面白くなかった。最後にもう一捻り用意されているかなと思ってたんだけど。初めて「スティング」を見た時の爽快さにはとても及ばなかったっす。これってもしかして詐欺の部分はおまけで、自分と他人を騙すことでしか生きられない男の悲哀(笑えるけど)の方が主題なんでしょうか?(となると仕掛けのゆるさもしょうがないかな)後味はいい映画。

病的なまでに潔癖症の自称詐欺アーティスト・ロイを演じたニコラス・ケイジと相棒のフランク役のサム・ロックウェル。二人とも上手いというより面白い役者さんだと思いました。フランクが塵一つ落ちていないロイの部屋に土足のままずかずか上がり、お菓子の屑をボロボロ撒き散らすシーンが大好き(笑)それと犬の置物が可愛いであるよ♪


マトリックス・レボリューションズ
監督:アンディ・ウォシャウスキー/ラリー・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーブス/ローレンス・フィッシュバーン/キャリー=アン・モス/ヒューゴ・ウィーヴィング

ド短気なトリニティ姐さん(キャリー=アン・モス)はじめ、ナイオビ(ジェイダ・ピンケット=スミス)とかジー(ノーナ・M・ゲイ)とか、戦う女がいちいちカッコよくて惚れ惚れした。近頃、男がカッコイイ映画ばかりが続いたので、久しぶりに女が大活躍する作品を見れて嬉しい〜。特にトリニティの「誰が話し合うなんて言った?ごちゃごちゃ抜かしてないでさっさと吐きな!」の大暴れぶりがたまりません。ゲスなフランス人(ランベール・ウィルソン)の眉間に銃を突きつける姿の神々しいこと!ネオ(キアヌ・リーブス)がどっかの駅のホームで呆然と考え込んでたのとはえらい違いっす。やっぱりトリニティあってのネオなのね。だから最期はやっぱり悲しかった。あれでなにがどう終わったのかは全然わかってないけど。

ストーリーについては一切聞かないでいただきたい。前作の”リローデッド”の時点ですでに考えることを放棄しましたから。だいたい、HTMLのいろはも知らないで、勘だけでサイト作ってるような人間が「ソースに戻る」なんて言葉の意味、理解できるとお思いか。オラクル(メアリー・アリス)の予言もスミスがうじゃうじゃいる意味も全然わからん。あのインド人の女の子は何者?最後に出てきたじーさんは誰?(見覚えはあるよ)あの人は人間じゃないの?つうかこの映画って人間出てきてたっけ?そんなことにさえ自信が持てない有様です。そういうわけで映画として面白かったかと聞かれたら非常に困るわけだけど、アクションシーンは見応えあったな。つってもネオとスミスの戦いはどうでもよろしい。私が好きなのはトリニティとモーフィアス(ローレンス・フィッシュバーン)、セラフ(コリン・チョウ)の3人がフランス人の店に乗り込むとこ。マトリックスを初めて見た時の興奮が蘇る感じでカッコヨカッター。あのシーンだけはもう一度観たい。

それとイカが!!多すぎてキモイーーーーー!!!!あんな物量作戦でこられたら敵うわけないがな。せめてあの中で一番でかいイカをやっつけたらあとはみんな死ぬみたいな設定にしてくれないと!←根本的に間違ってます。あとキアヌってやっぱり大根なんでしょうか。せっかくエージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)が「お帰り〜アンダーソンくん。会いたかったよ〜ん」とネチっこい芝居してるのに「今夜が最後だ」って棒読みはないだろう。淡泊だなチミは。


ムーンライト・マイル
監督:ブラッド・シルバーリング
出演:ジェイク・ギレンホール/ダスティン・ホフマン/スーザン・サランドン

「結婚式の直前に婚約者が流れ弾に当たって死んでしまった悲劇の男ジョー。葬儀の後も彼女の両親の元に留まり理想のムコ殿として振舞う彼には一つの秘密があった。実は事件が起こる3日前、二人は婚約を解消していたのである」

同じように銃で一人息子を殺され、しかもその犯人が死刑はおろか終身刑にもなりそうにない両親の苦しみを描いた作品に「イン・ザ・ベッドルーム」があるけれど、あれとは正反対に爽やかな余韻の残る作品でした。

前半は退屈です。一人娘を喪った哀しみに耐え切れず、どんなお悔やみの言葉も素直に受け取れない母親のジョージョー(スーザン・サランドン)は正直嫌な女だし、娘ムコと一緒に仕事をするのが夢だった!とカラ元気の父親(ダスティン・ホフマン)は痛い。そしていつまでもホントのことを話そうとしないジョーは(気持ちはわかるけれど)うざくてしょうがない。それぞれが偽りの生活を続けるうちに本来の自分ではなくなってしまっているのですね。それがあることをきっかけにして、3人の固く閉ざされていた心がゆるゆると開いて行く。娘の死後、一切何も書けなくなっていたライターである母親のジョージョーがみるみるうちに言葉を取り戻し、再びタイプライターの前に座るシーンはグっときちまいました。


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